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第173話 第三王子はくしゃみをする!

すっかりお母上様の忠告を聞かず、お母上様を置き去りにして、魔境の森で迷子になってしまった『シュウ』です。結局、瞬間移動(テレポート)でハルタンに帰って来ました。




「もう、シュウ君ったら、私の忠告も聞かずにドンドン先に進むんだもん、迷子になって当たり前でしょ。今度は気を付けるのよ」



お母上様からご注意という名の説教をいただき、只今、二号生のみんなの前で正座で反省中です。しかも、『反省中!! 私、シュウはアリエス様の忠告も聞かずに魔境の森で迷子になりました。すみませんでした。』と書かれた板を首からぶら下げた状態です。完全な晒し者となっております。



「その年になって迷子かよ!」

「アリエス様の言うことを聞かないからそうなるのよ」

「これだからお子様は」



――2号生のみなさん、罵詈讒謗ありがとうございます。以後気を付けて参る所存です。

なんて言うわけないだろうがぁ! お前ら1人で魔境の森に入ってみろ! 一瞬だぞ、一瞬で迷子になるぞ! なんて恐ろしい森だ! 今度から森に入るときは魔境の森のプロの案内人を同行させよう。と考えていた……



そんな僕にエリスが近寄ってきた。


「シュウ君、大変だったね。今日は疲れてると思うから早めに休むようにね」



――エリス様はどこまでも慈悲のお人。その一言だけで心が救われるよ……



「あんた、また何かやらかしたの?」


「あっ、マリー」


「何々、『反省中!! 私、シュウはアリエス様の忠告も聞かずに魔境の森で迷子になりました。すみませんでした。』 ホント何をしてるンだか……」


マリーが呆れ顔で僕の顔を覗き込んだ。


「エリス、本当に結婚相手のこと考えた方が良いと思うわよ。これじゃあ、エリスは気苦労の多い人生が待ってるわよ」



――マリーさん、そこまで言わなくても……



「しょうがないよ。それがシュウ君なんだもン」



――えっ!? エリス様は僕を見捨てないのですね? ありがとうございます。エリス様!



「エリス様、アリエス様がお呼びになっております」


レイニーが珍しくお屋敷の方から現れた! いつもなら突然背後からの奇襲なのに、今回は正面から堂々とやって来るとは……



「はい、レイニーさん。いつもありがとう。じゃ、シュウ君、マリー。お母様のところに行ってくるね」


「では、エリス様。行きましょうか」


「「いってらっしゃい。エリス」」


僕とマリーはエリスを見送った。


「ざまぁ……」


レイニーは立ち去り際に僕にトドメを刺してエリスのあとを追った。


「今のは、レイニーさんの言う通りね……」


「うん、わかってるよ……」





『トン トン』


「お母様、エリスです」


「エリス、来たわね。入ってちょうだい」


「はい」


「エリス、座って」


「はい。お母様、シュウ君の今回の特訓どうでしたか?」


「なかなかの収穫だったわよ。あなたもこの特訓をしたことがあったでしょ?」


「ええ、小さい頃にお母様と……」


「今回の特訓って、その場、その場でどんな魔法を使うか、どういう魔法が適切なのかを考える為のものだったけれど、今までに無かった魔法の使い方を考え出したのよ!」


「えっ? シュウ君が?」


「さすがに私はシュウ君のまねは出来ないけど、そんな発想があっとは思いもよらなかったわ」


「それはどんな魔法ですか?」


「エリスもドン引きよ、ドン引き! まずは足元に重力魔法で地面との摩擦率を0にするのよ。ここからが画期的よ。『お尻』に風魔法を掛けて風を押し出す力で推進力を生み出すのよ。あとは、両膝を曲げてバランスを取る感じかしら。本人曰く『白い木馬から出撃する連邦の白い悪魔』だそうよ。エリスはこの魔法が出来るかしら?」



「おしりからですか…… 私には恥ずかしくて出来ません。発想は良いと思うのですが、おしりからと言うのが…… どう考えても恥ずかしくて私には出来そうもありません。乙女にはかなり厳しい魔法だと思います」


「そうよね。シュウ君から私にもお誘いが来たけど、恥ずかしくてお断りさせてもらったわ」


「当然そうなりますよね。デリカシーのひとつの欠片もない魔法なんて初めて聞きました」


「そうなのよ。周りから○ナラだと勘違いされた日には生きて行けないわ」


「私だってお嫁に行けなくなりますよ」


「女性にとって禁忌の魔法だわ…… でもね。その魔法の威力は凄いのよ。私と競走してあっという間に追い越されて置いて行かれてしまったわ」


「お母様が…… でも、いくら凄いと言っても乙女にとっては禁忌です! その魔法が改善されない限り、乙女の禁忌の魔法として扱うべきです!」


「そうね、そうするしかないわよね……」






『クシュン』



――誰か僕の噂でもしてるのかな……

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