第172話 第三王子は禁忌を犯す!
人間離れをしているホラーなお母上様に追い付こうと必死に考えを巡らせた『シュウ』です。
僕は走りながらどこから推進力を生み出すか、考えに考えた結果。一つの場所に決めた!
「これは良いぞ! さっきの風魔法よりこっちが良いぞ! ただぁ、ちょっと走りにくいかな…… 追加で重力魔法で摩擦面をを0にしてみよう」
重力魔法で摩擦率を0にしてみた!
「こりゃ~楽チン! 膝を曲げたらバランスが安定するんじゃないか? じゃ、やってみるか!」
両膝を曲げることによって、さらにバランスが良くなり速度が上がった!
「ヒャッハー!」
僕は一旦足を止め、実験の成果を確認し、更なる高見えと模索する……
「さあ、行くぞ! 題して『白い木馬から出撃する連邦の白い悪魔』!」
僕は足に重力魔法で摩擦率を0にし、両膝を曲げ、『お尻』に風魔法を掛けて推進力を生み出した!
「シュウ、行っきまーすっ!」
「すごぉー! ヒャッハー! これならすぐにマチ○ダさんにすぐ追い付くぞ!」
「待ってろよ! マチル○さん!」
――けっして、『オナラ』じゃないぞ! 僕はイケメン王子様だからオナラなんて、そんなことはしないぞ! 自分で自らの首を絞めていくスタイルだ…… 悲しいなぁ……
お母上様との差がドンドンと縮まる。しかし、お母上様はさらに速度を上げる!
「なにっ!? 通常よら3倍速いだと!」
僕はお母上様を捕らえることが出来るのか?
「今、君のようなニュータイプは危険すぎる。私は君を殺す。さて、問題は私にもニュータイプの素養があるかどうかだ」
お母上様は僕の方を見て、よくわからない事を叫び始めた……
「貴様だって…… ニュータイプだろうに!!」
「見えるぞ! 私にも敵が見える!」
「……………………」
――そりゃあ、あなたを追いかけてますから……
◇
「おっ!? お母上様の背中があんな近くに! さあ、一気に追い越すぞ!」
――もう気分は、連邦の白い悪魔にでもなった気分だ!
「あと少し、もう少し…… もう少しで追い付くぞ!」
お母上様とついに並んだ!
「シ、シュウ君!? な、な、何をしたの?」
お母上様は、まさか自分が追い付かれるとは思っていなかっただろう、驚嘆した表情だった。
「やったぞ ○ラァ! 赤い彗星に追いついたぞ。ラ○ァ!」
「さっきからララ○って誰よ? 浮気?」
「僕は…… 取り返しのつかない事をしてしまった……! 何故○ラァをまきこんだんだ!? ラ○ァは戦いをする人ではなかった!」
「何を言ってるの? 壊れたの? あっ!? ごめんなさい。最初から壊れてたわ……」
「――いえ、お母上様に連邦の白い悪魔として、お付き合いしただけで、意味は無いです」
「シュウ君、ガ○ダムごっこは、あなたが最初だと思うけど……」
「――!? えっ?…… 記憶にございません」
「あなた…… 最低ね……」
「お褒めいただきありがとうございます」
「褒めてないわよ!」
「えっ!? 褒め言葉じゃないンですか?」
「今のどこが褒め言葉なのよ! 脳みそ腐ってるのね? あっ!? これが味噌の語源の始まりなのね」
「……………………」
――しれっと、なんて事を言ってるンだ。この人…… さすがサイコパスを自由自在に操るホラー貞○!
「ところでどうして私の3倍の速さについて来れるの?」
「ああ、それはですね。足元に重力魔法で地面との摩擦率を0にして、『お尻』に風魔法を掛けて推進力を生み出したンです。あとは、姿勢の安定させる為に両膝を曲げれば、通常の3倍を凌駕します! 題して『白い木馬から出撃する連邦の白い悪魔』です。お母上様もやってみますか?」
「――!? お下品ね…… 人の生理現象の事だから文句は言わないけど…… やっぱり、どう考えてもお下品ね…… 私はプライドが高い方じゃ無いけど、私には出来ない方法だわ。人としての尊厳まで失う訳にはいかないわ」
「……………………」
「まあ、シュウ君。良くその魔法をかんがえたわね。シュウ君すごく偉いわよ。本当にあなたにぴったりな魔法だと思うわ……」
お母上様は僕に対して、引き吊った顔をしていた。
――何が悪かったのだろう…… この魔法は禁忌の魔法だったのか? それとも『白い木馬から出撃する連邦の白い悪魔』の名前が悪かったのか?
「で、では、お母上様。お、お先に失礼します」
僕はお母上様から逃げるように先に進んだ。
「待ちなさい! シュウ君!……」
◇
気がついた時にはお母上様を置き去りにした結果…… 1人ボッチになっていた…… 周りには誰もいない……
――いつの間にか、僕は魔女の森で迷子になってしまった……
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