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第17話 デートのお誘い?

周りのイケメン度指数が高すぎて、モブ顔には辛い『シュウ』です。



クラスメートにエリスの仲を揶揄われ、恥ずかしいやら、ちょっとだけうれしいやらで、日々を過ごした。エリスとはそれなりに仲良くしてもらっている。


聖女オブ聖女のマリー主催のお茶会、強烈なインパクトを残したサイドチェスト祭も終わり……  サイドチェスト祭…… 僕の感想を言えば、レイニーさんを筆頭に会場が阿鼻叫喚の地獄だった……  



――夏休みが近づいて来たある日、エリスから声を掛けられた。


「シュウ君。夏休みはフロンシニアスに帰るの?」


「いや、帰らないよ。一人で寮にいる予定だよ。レイニーも帰らないみたい」


僕は父上から卒業するまでは王宮に帰って来るな! と厳命されている。


レイニーは父上に報告の為、一旦帰る事になっていたが、面倒だからと国王の勅命を無視する事にしたらしい。


――国王の命令をガン無視とは、なんて豪胆なヤツなんだ……


「あら、そうなの?」


エリスは僕がフロンシニアスへ帰るものだと思っていたみたいだ。


「エリスは夏休みは実家に帰るの?」


「ええ、そうよ。それでね、実家にお土産を買って帰ろうかと思って、今度の休みにシュウ君、私と買い物に付合ってくれない?」


エリスは恥ずかしそうに下を見ながら、僕を買い物に誘ってくれた。


「あぁ、やることもないし、暇だから良いよ」


僕は恥ずかしそうにしているエリスを見ながら、満面の笑顔で答える。


「えっ! ホントに! ありがとう! じゃ、またあとでね!」


エリスは僕にお礼を言って去って行った。


エリスと一緒に買い物へ行けるからルンルン気分で答えた訳じゃないぞ! 寮のみんなが実家に帰る準備で忙しく、僕を構ってくれないから……



――!? 僕は絶対に構ってちゃんじゃないぞ! 本当に暇なんだぞ!



不意に僕の背中に人の視線を感じ取った。周りをよく見るとレイニーが壁の角に体を隠し顔を半分だけ出して、僕を凝視していた。 


――メイドは見た!? リアルでされると怖いのですが……


僕は堪らずにイニーに声を掛けた。


「ところでレイニーさん。あなたはそこで何をされてるんですか?」


「気にしないで下さい」


「普通は、そんなことされると気になるンですが?」


「気にしないで下さい」


まともに答える気はないらしい……


「では、質問を変えようと思いますがよろしいですか?」


「どうぞ!」


「いつから僕たちを見ていたのですか?」


「……エリスさんが話し掛けたところからです」


……!? 最初からじゃねぇーか、全然気が付かなかったぞ!  



サスペンス2時間ドラマスペシャル『メイドは見た!シリーズ第1弾 ~メイドは見た! ご主人様の一部始終~』


あの子は演技を本能だけで演じているわ! ――千のお面を持つメイド! オーホホホホホホホホッ! おそろしい子!…… あの子は天才よぉー!


僕は血の気を引いて白目になっていた……  



――美外すすへ先生! 僕が生きているうちに完結しますか? レイニーの結末を見ないと死ぬに死にきれません……




「ロッシュウ様。エリスさんからおデートのお約束でしたね」


「!?……おデートのお約束じゃねーよ! 買い物だよ! か・い・も・の!」


「うれしそうな顔をして何言ってるだか……」


「そ、そんなことないぞ!」


「最近、エリスさんと一緒にいる事が、多くなって来ましたよね?」


「そうかぁ? あまり気にしなかったけど最近多いの?」


僕にはエリスといる事が普通になっていたから何とも思わなかった。


パトリックをはじめ、男友達とは普段共に行動しているが、女子生徒って考えるとメアリー嬢以上に時間の割合が多いな―― と分析していた。


メアリー嬢とは、たぬきペン紛失事件以降、ヤスを含め時々ではあるが茶番劇をしている。彼女もノリノリで付き合ってくれるから助かる!


「えぇ、多いですよ。エリスさんと寮の食事をすることが多くなったと思います。最近は私と食事していないじゃないですか?」


「!?……確かに」


そう言えば、入学したころはレイニーが僕の食事の準備をし、一緒に食べていたが、いつの間にか、レイニーは僕の食事の準備をせず僕から離れた場所で、先に食事をしていた。 



――エリスと一緒に食事を取ることが当たり前になっていたから……



エリスとは恋人とかの関係じゃない―― 


僕の秘密を知る同士みたいな関係だ――  


モブ顔の僕が、エリスと付き合える訳がない―― 


エリスは可愛いからイケメン(性格の良いイケメンに限定)と付き合った方が幸せだ―― 


僕はそんなことを考えていた。


「ロッシュウは、相変わらずヘタレですね?」


レイニーは僕に、強烈なダメ出しを叩きつけて、その場から離れて行った。


「……………………」


僕はその場に佇むだけで何も言い返す事が出来なかった――



――そして、買い物へ行く当日になった……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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