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第166話 第三王子は歯が欠ける!

○ォースについてエリスに釘を刺された。それによってあることを思いだした。ソフィアちゃんって確かぬいぐるみの入った大きな箱を確かに宙に浮かせて運んでたよな? あれもホォー○だったのではと、あの年でホォ○スを使いこなすとはソフィアちゃんの才能にガクガクブルブルする『シュウ』です。




「無理なことは魔法を使うのは良いと思うけど、自分でやれるのに面倒だからと言って堕落するために魔法を使うのは違うと思うわよ」


「言われてみればそうだね」


「わかってくれてありがとう」



――そう、ハルタンの人々は魔法をやたら滅多には使わない。人としての矜持を持っている…… 偉いよね。僕だったら魔法使いまくりの堕落した生活を送りたいのに。



「さあ、シュウ君。今日はゆっくり休みなさい」


お母上様は僕にそう言うと手のひらをヒラヒラと振った。


「あの~、まだ昼前ですが?」


「ギブスを使って潜在能力をひきあげると意外に疲労が溜まりやすいのよ。今は高揚感でハイの状態だけどハイ状態から醒めるとどっと疲れが出るわよ」


「そうなんですね。お母上様、わかりました。今日はお休みさせてもらいます」


「じゃあ、お風呂にでも入ってやっくりなさい」


「ハイ、ありがとうございます」


執務室を出てまっすぐ風呂場に向かった。



「ふぅー。昼間からのお風呂は気持ちが良いなぁ……」


中二病ご推薦の無数の赤いキズも無くなり、元気100倍! カビパンマン!!


お風呂から上がり、間借りしている自分の部屋に戻った。


「もう得にやることもないし、寮に帰るまで昼寝でもしようかなぁ……」



――誰もいない部屋で独り言、周りから見たら結構危ない人に見えるかも知れない。





「ふぁ~、辺りが暗くなってる。1、2時間昼寝をすつもが、もう夜になってるよ。急いで寮に帰らなきゃ!」



『ガタッ! ドタンッ!』


普通にベットから転がり落ちた。


「痛てててて、あれ!? 身体が思うように動かないぞ。筋肉痛か? これがお母上様が言っていた疲労なのか? 疲労感がパネェな。とりあえずお母上様達に挨拶をしてから帰ろう」


僕は身体を引きずりながらお母上様達がいる食堂へと向かった。食堂に入ると、


お母上様、お父上様、ソフィアちゃんが食事をしていた。そこにはエリスの姿は無かった……



「あら、シュウ君やっと起きたのね」


「すみません。寝過ごしてしまいました。エリスは?」


「シュウ君、それよりも身体は大丈夫?」


「ハァ、身体中痛いですけどなんとか大丈夫です」


「無理はしないでね」


「ありがとうございます。ところでエリスは?」


「エリス姉様は、もう帰ったゃったよ。シュウ兄様が眠っているから起こさないようにって言ってた」


「ソフィアちゃん、教えてくれてありがとう」


「どういたしまして」


「ソフィアちゃんは偉いよね~」


「てへへへへ」


ソフィアちゃんは満面の笑みで笑っていた。マジ天使!


「では、僕も帰ります。今日はありがとうございました」


「気を付けて帰るのよ」


「はい」



僕はお母上様達に挨拶を済ませると急ぎ寮に戻った。が、夜ということもあり、食堂には誰もいなかった。



「僕の夕飯がない……」



――ここはエリスが美味しいおにぎりなんて持って来てくれたら嬉しいンだけど、食堂は男子寮にあり、女子生徒は食事意外に男子寮に入るのはご法度になっている。仕方がないのだけどシチュエーション的にはどうにかならんもんかな。ザ・ご都合主義的なものが欲しい……



誰もいない食堂に居ても仕方がないので、部屋へ戻って来た。



『トン トン』



――エリスか? エリス様が瞬間移動(テレポート)で、僕に夕食を持って来てくれたのか? マジで神!



「おう、シュウ帰ってきたか?」


『ガクッ』


「……………………」



――ダンベルだった…… エリス様じゃないのかよ! げせぬ……



「今帰ったところだよ。今ドアをかけるから待ってくれ」


「夕飯は食ったか?」


「まだなんだよ。食堂も終わっちゃってたし、どうしようか考えてたんだ」



『ガチャ』


僕はドアを開け、ダンベルを招き入れた。


「そうか、大変だったな。そうだろうと思って、俺がお前の為だけにおにぎりを作ってやったぞ!」


目の前にはおにぎりが三個とリンゴが六個がおぼんに乗せたダンベルがいた…… これがエリス様だったらと思うと急に悲しくなってしまった…… 



――まさかのリンゴまで…… 収納魔法の中にはまだ、大量のリンゴがあるのに…… ダンベルも食べきれないほど持っているのかな?



「――おう、それは助かるよ。ありがとう、ダンベル」



一応、僕に気を配ってくれたダンベルにお礼を言った。


「まあ、なんだぁ…… エリスじゃなくて悪かったな。エリスもお前を心配してだけど、規則は規則だからなぁ。エリスに頼まれてなぁ」


「エリスが……」



――やはり、エリス様は神! 優しい神! いや、マジで女神! ありがとうエリス様!



僕は片膝をついてお祈りをした。



「そんなことしてないで、早く受け取れ」


「あっ、ごめん」


「んじゃ、食べ終わったらおぼんを食堂に返しておいてくれ。んじゃ、おやすみ」


「ありがとう、ダンベル。おやすみ」


ダンベルはそう言うと自分の部屋へと戻って行った。エリスが作ってくれた物じゃないけど友達思いのダンベルが作ってくれたんだ、感謝して食べよう。


『カプッ』


『ガチッィィ』




――おにぎりが堅すぎて歯が欠けました。あのヤロー!おにぎり作るのにどんだけ力入れてるんだ? 堅すぎたろう!! マジでガチガチに()てぇじゃねぇーか! 



おにぎりという美味しい食べ物がめっちゃ硬い石に変換された瞬間に立ち会えた喜びに感謝……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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