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第165話 第三王子は名台詞を言いたい!

沈黙寡黙魔法(おまえはだまってろ)をかけられて言葉が出ない!併せてお母上様の極悪非道な行いにも言葉が出ない『シュウ』です。お魚さんのように口を『パクパク』しか出来ないのは正直辛いです。それ以上にこの痛みを何とかして下さい。お願いしますぅ!




「お母様、ギブスを着けるだけで潜在能力が引き上がるのですか?」


「いいえ、ギブスを着けてその痛みには耐えることよ。その痛みによって魔力を刺激するのよ。あと痛みを超越出来たらハイテンションモードになるわ。そこからが私の出番よ。私がポンプ代わりになって、シュウ君の潜在能力を呼び水の如く引き上げて、それでおしまいよ」


「お母様、それなことが出来るのでしょうか?」


「出来るわよ。これは、フォンテーヌ家秘伝中の秘伝! 私があなただけに伝える、一子相伝の秘技! 良く見ているのよ」





――だんだん目の前が白く明るくなって来た。もう痛みもほとんど感じない…… あぁ、なんて心地良いのだろう…… 身体が軽くてなって…… 幼い頃、野原を無邪気に走り回っている。あの感覚…… 何もかもが懐かしい…… 




「お母様! シュウ君が廃人のように口からよだれが!」


「エリス、もう少しよ。もう少しでハイテンションモードになるわ」


「シュウ君! あともう少しよ! もう少しだからね! 頑張って!!」


エリスは横たわっている僕を抱きしめ、口からよだれを垂れ流して、バッチィのに…… そんな僕を抱きしめいた。





――凄く楽しい…… 身体がフワフワして最高に気持ちが良い…… あぁ、何もかも忘れてずっとこのままでいたい……


『あなた! こんなところで寝てて良いの! まだ、やることがたくさんあるでしょ! 早く起きなさいよ!』


あぁ、妻の声が……


『いつまでも寝てるンじゃないわよ! 遅刻しゃうわよ! もう馬鹿なんだから……』


あぁ、幼馴染みの声が……


そうだな。こんなことしてられないよな。もう、いい加減起きなきゃ! 二人ともありがとう……







「お母様! シュウから物凄い魔力を感じます!」


「えっ!? そんなこと…… 信じられない……」


「どういうことですか? お母様!」


「この秘法はポンプ役がいて初めて潜在能力を引き出すことが出来るの。それを自分で潜在能力を引き上げてる…… 信じられないわ……」


「まだまだ魔力が上がる感じがします。 ――なんて暖かい魔力なのかしら」


「エリス! もう少し様子を見てみましょう」


「ハイ! お母様」





――身体中に魔力が行き渡って感じがする…… もうそろそろ起きないと……



「凄い! これがシュウ君の魔力なの? 湧水のようにどんどん溢れだしてる……」


「エリス、何を言ってるの? シュウ君は、大魔導士、ロッュウ・ルーン・アルパトス様の生まれ変わりよ。まだまだ魔力は上がるわ! 私達が驚くほどに……」





――全身に魔力が隅々まで行き渡り、『元気100倍 カビパンマン!!』



「お母様、シュウ君が目覚めそうです!」


「本当にこの子は…… エリスに似て規格外だらけだわ…… 知らないのは本人だけって言うのもシュウ君らしいと言えばシュウ君らしいけどね」


「……………………」


「ン~。アへぇ? なんでエリスが僕の目の前に?」


僕は今の状況がわからず、戸惑っていると、


「お母様! シュウ君が目を覚ましました!」


「やっと起きたのね」


「シュウ。お前なぁ…… とっとと起きやがれ!」



「????????」



ようやく、エリスが僕を抱きしめている状況を理解した。



「わぁ!? エリス? なんでエリスが!? あっ、ごめん。今、起きるから…… どうしてエリスが……」


「急がなくて良いわよ。シュウ君が悶絶して転げ回ってるうちに気を失ってたのよ」


「あれ? 身体が痛くない? バネにお肉が挟まってるのに?」


「シュウ君の身体の中で今まで眠っていた魔力が動き始めたの。今は無意識に治癒魔法を掛けてる状態なのよ」


お母上様が僕に今の状況を説明してくれた。そして、巨大リーグボール2号養成ギブスのことも教えてくれた。



「そうだったんですか…… 僕はすっかり漢気(おとこぎ)を試すためだと思ってました。あのギブスにはそんな効果があったんですね」


「無理なことさせちゃってごめんなさいね。今のあなたにどうしても必要なことだったのよ。あと一年で、自分の身は自分で護ってもらわないと」


「ハァ……」


「とりあえず、そのギブスを取りなさい」


「はい。エリス悪いけど手伝ってくれるかな」


「嫌よ。自分でやったら」



――ここでツンデレですか? まあ、今なら自分一人でも出来そうな気がするゥゥゥゥ!



僕は手首に着いている金具に触ろとした瞬間、勝手に金具が外れた!?


「へぇ!? ひとりでに取れた?」


「重力属性も強化されたみたいね」


「強化された?」


「まだ慣れていないけど、そのうち少しはなれた物が重力属性の力で自分の思い通りに動かすことが出来るようになるわ」



――まさか! スターウ○ーズのホォー○を使えるようになるなんて…… ホォー○と共にあらんことを…… 人生の中で一番言いたかった台詞ベスト10に入る台詞だ! 素晴らしい! 素晴らしいぞ重力属性! ビバ重力魔法! ヒャッハーホォ○ス!



「便利だけど重力属性ばっかりに頼っちゃダメよ。人間らしさを無くすことになるわよ」



「――えっ!? そうなの?……」

お読みいただき誠にありがとうございます。

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