第162話 第三王子は悶絶する!
マヌルヌコ様を尊い犠牲のもと、なんとか脱出させ、ヤベー薬に手を出し紅天○へと変貌したレイニーさんを見送った。仮面を着け通常の三倍程速く動く、赤いロボットを乗りこなすかも知れない『シュウ』です。
麻袋の中には…… なんと!?
『巨大リーグボール養成ギブス』だった!
――あのちゃぶ台返しの神でもある、星○徹が夜も寝ずに作ったという幻の巨大リークボール養成ギブス! 多数の強力なバネを使い、上半身強化を目的としたギブス! 装着するとバネが常に腕を逆方向に引っ張り強靭な筋肉に変貌させるという夢のような幻の巨大リーグボール養成ギブスがそこにあった! この世に存在しないと思っていたが、まさか自分の目の前に現物があるとは…… 僕は夢でも見ているのだろうか?
早速、お母上様のご厚意に甘え装着をしようとしたが、一人で装着することが出来なかった。エリスにお願いして装着させてもらうことにした。
寮の前でエリスを待っていると、エリスとマリーが出て来た。
「エリス、マリー。おはよう」
「シュウ君、おはよう。今日は早いのね」
「おはよう。お前が私たちより早いなんて、岩でも降って来るンじゃないのか?」
「雨は降っても岩は降ってこねぇーよ」
「シュウ君、どうしたの? 何かあった?」
「今朝、レイニーが来て、お母上様から荷物を預かって来た。って言ってこれを置いて行ったンだよね」
「大きな麻袋じゃないか」
「中身は見たの?」
「一応、中は見たンだけど……」
『ゴソゴソ』
「これを見てよ」
巨大リーグボール養成ギブスを二人の前に見せた。
「……………………」
「なにこれ?」
「巨大リーグボール養成ギブスって、これを装着すると上半身を鍛えることが出来るギブスなんだ」
「そうなの?」
「装着しているだけで筋力アップ出来るという幻の巨大ギブスなんだけど、どうも一人で装着出来なくて、レイニーも居ないし、エリスに手伝ってもらおうかと思って来たんだ」
「ものすごいバネねぇ?」
「腕を動かすと強力なバネが逆方向に引っ張られてその負荷で筋肉を鍛えることが出来るみたいなんだ」
「シュウ、私も手伝うからここで着けてみたら?」
「じゃ、早速だけどお願いしようかな」
「良いわよ」
「――シュウ君、それ着けない方が良いわよ」
「ンっ!? なんで?」
「それを着けると結構キツイのよ。無理に着けなくても良いンじゃないかな?」
「お母上様からの贈り物だし、着けるだけ着けてみたいンだ」
「まあ、着ける着けないはシュウ君の自由だし、一応、私は止めたわよ」
「エリス、そんなにキツイの?」
「マリーは興味あるかも知れないけど装着はおすすめしないわ」
「そうなの?」
「装着した者しか、その苦しさはわからないわ」
「エリスは巨大リーグボール養成ギブスを装着したことがあるのかい?」
「ええ。昔、お母様に魔法の特訓中だからって、言われて無理やり装着されたわ」
「ねぇ、エリス。上半身の筋力アップと魔法と関係あるの?」
「一回で止めたからどんな関係があるか、私にはわからないわ」
「そうなの…… じゃ、試しにシュウ、今着けてみたら」
「そうだね。二人とも手伝ってくれる?」
「良いわよ」
「わたしは止めたからね」
僕は上半身裸になり、二人に装着してもらった。
――ああ、憧れの巨大リーグボール養成ギブス…… これで、僕も消える魔球とか投げれるようになるのかな? 憧れの巨○軍に入って一流のプロ野球選手に成れると良いなぁ。
「バネが強力過ぎて…… 腕が動かない……」
「勢い付けて動かしてみたら?」
「うん、わかった。やってみるよ」
僕は力の限り勢い良く腕を動かした。
――ダメだった……
「ダメみたいね。じゃあ、私が手伝ってあげるわ」
マリーは僕の背後に立ち、背後から僕を持ち上げ、そのまま後方へと反り投げた。僕は咄嗟のことで火事場のクソ力なのか両腕を上にあげた。そして、マリーはブリッジした状態で……
『1、2、3』
僕は深刻なダメージを負い、屈辱的なフォールを奪われた。
『カン! カン! カン! カンー!』
どこからとともなくゴングの鐘が鳴り響いた!
まさしく、ジャーマン・スープレックスの大技だった! エリスが咄嗟にエアークッションの魔法を使ってくれなかったら一命を落としていただろうが、奇跡的にも深刻なダメージですんだ! それだけ、マリーのスピードとタイミング、技のキレの威力が凄かったことを物語っている。まさに、邪悪の五神の一つ『技巧』の神の恩恵なのだろう…… それと、素人に掛ける技じゃない無いだろ!
「痛てててて…… マリー酷いじゃないか!」
「両腕が動いたじゃないか。良かったわね!」
――この人、反省するどころか、これが当たり前のことだと思っていそうな態度だった……
僕が起き上がろうとした瞬間――
「いでででで マジでいでぇー! エリス先生助けてーー!」
「シュウ君、だから止めておきなさいって言ったのに……」
――僕は身体中のあまりの痛さに悶絶しながら転げ回った……
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