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第159話 第三王子はアホなのか!

もう、何がなんだかよくわからなくなり、狼狽しまくりの『シュウ』です。リンリンさんの伏線回収かと思いきや、この斜め上を遥かに越えるOBまっしぐらの展開になるとは夢にも思わなかったよ……



「信じたくはありませんが、もしかしたらサムソンさんの自宅に泊まったなどとはありませんよね?」


「何回かあります……」


「確かシュウさんはエリスさんの婚約者ですよね?」


「ハイ…… 確かに僕はエリスの婚約者です」


「――浮気…… 浮気ですね! 人としてやってはいけないことの一つである『浮気』になりますよ! もう完全なる罪『パーフェクト オブ パーフェクト! パーフェクト ギルティィィィイ』じゃないですか!? よくエリスさんに殺されませんでしたね? 私なら殺します。パーフェクトでエレガントに確実に殺します!」


「エリス様から許可を頂いて泊まりました。これは罪になるのですか? 憐れなたぬきにどうぞお答え下さい」


「エリスさんからちゃんと許可があったのですね…… ん~ ン~」


アイリスちゃんは真剣に悩みはじめた……



「審議の結果を発表します!」


「……………………」



「ギリギリですが……」 



「――ギリギリ……」



「――残念ながらアウトォォォォオ! ギルティーーーー!」



「なんでぇぇぇぇえ!!」


「シュウさんはサムソンさんの性別を知らなかった? それで、良いですよね?」


「ハイ、男だと思ってました」


「次に、エリスさんから許可をもらっていましたよね?」


「ええ、そうです。エリス様をはじめ女性のみなさんはビアンカさん宅に泊まり、僕はサムソンさんのお宅に泊まることになっていました。それがどうしてギルティーー!なのですか?」


「野宿すれば良かったのです。または、エリスさん宅に帰るという選択肢もありました」


「それは…… その場の流れとでも言うのでしょうか? その時はサムソンさんのお宅に泊まるという結論になっていました」



「――確か野宿用テントと調理セットをお持ちだったとソフィアちゃんから聞いています。『いつか一緒にキャンプしよう』と誘われていましたので、それは知っています」


「あのテントはソフィアちゃんにあげた物で、もう僕の物ではありません」


「それでもです! 婚約しているとはいえ、まだ独身男性であることは変わりません。そんな独身男性が独身女性のお宅に泊まるとは、それだけで罪になるのです。もっとも重い罪。『リア充罪』です!! 許される範囲を遥かに越えています。極刑であることは間違いありません。シュウさんのお人柄を知っている私としては本当にホォントォーに残念でなりません。刑が下されるその日まで心を穏やかに反省して下さい。これは私からの願いです」


「すみませんでしたァァァァア 刑が執行される瞬間まで懺悔の日々を送らせていただきます! そして、今度生まれ変わることが出来ましたら、真っ当な人間に生まれ変わりたいですゥゥウ!!」



僕はアイリスちゃんに土下寝をして、泣き叫んでいた……



「私はあなたの気持ちが良くわかります。知らなかった事とは言え、誰でも過ちは犯します。それは、仕方がない事なのです。大事なのは罪を犯したあとの自分の行動だとか思うのです。エリスさんや被害者でもあるサムソンさんをもうこれ以上、悲しませないように私はあなたのために祈り続けていくことでしょう」


「すみませーーん! ありがとうございます!!」


「謝るのは、あなたを信じ支えてくれた婚約者のエリスさんと被害者のサムソンさんですよ…… ウルウル」


「ハイ! しっかりと謝罪させてもらいます! たとえ許してもらえなくても生涯かけて謝罪して行きます!」


「うん、うん」





「――お前らさっきから何やってるんだ? アイリスちゃん。姫様が帰って来るのが遅くないかと心配してだぞ」


「あっ! サムソンさん、わざわざありがとうございます。じゃあ、私はエリスさんのところに戻ります。シュウさん、石畳ありがとうございました」



アイリスちゃんはそう言って石畳を軽々持ち上げ、エリスの所へ戻って行った……



「サムソンさん!! 知らなかった事とは言え、女性のお宅に泊まった事は事実! 腹を切ってもお詫びのしようがありません! 本当に申し訳ありませんでしたァァァァア!」



「――!? 何の話しだ?」


「本当に申し訳ありませんでしたぁ!」


「おい! 一体何のことだ? お前に謝ってもらうことなんて俺にはないぞ!」


「だって……」


「だって? わけを言ってみろ」


「僕はサムソンさんの事、ずっと男性だと思ってたんです。すみませんでしたぁ!」


「――!? 俺は最初から男なんだが?」



「へぇ!?」


「『へぇ!?』じゃねぇーよ! どこをどう見たって男にしか見えねぇーだろ!」


「お胸様が大きいところとか……」


「アホかぁ! こりゃー、俺のご自慢の筋肉だぁ!」


「ホントにホント?」


「おう! ホントにホントだ!」


「じゃあ、リンリンさんは?」


「ああ、リンリンも元から男だ!」


「ハァ!? あのヤロー! 僕を騙しやがったな!」


「お前アホだろ? 普通は騙されないぞ」



「……………………」

お読みいただき誠にありがとうございます。

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