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第158話 第三王子はパーフェクト ギルティ!

僕がロッシュウ・ルーン・アルパトス様を越える大魔導士に!? 驚き桃の木山椒の木ブリキにたぬきに蓄音機!の『シュウ』です。




そういえば、魔力の解放も随分と上達したと思う。収納魔法も土管や石畳、りんごの大樽で溢れんばかりと思っていたが、まだかなりの余裕なスペースがある。知らないうちにちょっとは成長したンだろう……



「お母上様、僕はこれで戻ります」


「そうね。魔法の特訓は明日から始めるからそのつもりでね」


「ハイ、失礼します」



お母上様の執務室から出るとまた土管作りを始めた。途中、ビルダーがやって来た。


「おう! シュウ。どぉうだい調子は?」


「ボチボチ出んがな。旦那」


「土管をちょっとばっかし融通して貰えねぇーか?」


「おう! 土管だな。ちょっと待っておくなまし」


「おう! 早く頼んだぜぇ!」


「あいよ。旦那」


僕は収納魔法から何本か土管を取り、ビルダーに渡した。


「おう! 急いでいるとこすまねぇなぁ」


「良いってことよ。なんかあったらいつでも言ってくれい!」


「おう! そン時はまた頼むわっ!」


ビルダーは重い土管を軽々肩に乗せスタスタと立ち去って行った。



建築業をするようになってからなぜかみんな『べらんめえ口調』になってしまった。江戸時代へタイムスリップでもしたかのような光景があちらこちらで見かけるようになった。



「お~い! シュウさ~ん!」


「おっ! アイリスちゃんじゃないか。どうしたんだい?」


「また、石畳が100枚程欲しいンだけど……」


「100枚? そんな数の石畳、なんに使うんだい?」


「身体強化の魔法を覚えたから、どれくらい強くなったか確かめたくって! あとは火炎魔法の的にするの!」


「身体強化と火炎魔法も覚えたんだ? 魔法は楽しいかい?」


「すごく楽しい! 最初は怖かったけど今は全然平気!」


「今、準備するから待っててもらえるかな?」


「うん、待ってる」


「アイリスちゃん、ちょっと聞きたいことがあるけど良いかい?」


「なに?」


「初めての魔物さん達を見たときはどう思った?」


「なんで、そんなこと聞くの?」


「僕たちはもう魔物さん達と仲良しになったけど、まだ仲良しになってない人がたくさんいるだろ。どうやったらみんなで仲良くなれるのかなって…… それで、アイリスちゃんに魔物さん達の第一印象を聞いておこうかなと思ってね」


「そうねぇ。私たちも違う姿をしてたから最初は恐かったけど、みんなが仲良くしているところを見たらわたしも仲良くなれるのかなって! 話して見るとみんな優しくて見た目だけで判断しちゃいけないって思ったわ」


「魔物さん達と仲良くなれた?」


「仲良くなったよ。特にリンリンネェさんとマブダチになれたわ」


「リンリンさんとかい? リンリンさんは魔物さん達の中でも優しいからなぁ」


「リンリンネェさんと話していると楽しいの! 私の知らないこといっぱい知ってて、私もリンリンネェさんみたいになりたいの」


「アイリスちゃんの言葉をリンリンさんが聞いたらすごく喜ぶと思うよ」


「もうリンリンネェさんには言ってるわ。私を妹分にしてくれ!って」


「リンリンさんは何か言ってた?」


「じゃあ、今度、時間が空いた時に義姉妹の盃を交わそうって言ってくれて嬉しかった!」


「――えっ!? 義兄妹じゃなくて?」


「義姉妹だよ! シュウさん。リンリンネェさんに失礼ですよ。リンリンネェさんはれっきとした女性ですよ!」



「――――!? ハァァァァァア!?!?」



――な、な、なに!? この後付けされたような設定は? じょ、冗談だよね? 僕をたぬきの罠に嵌めようとしてるのか?



「だからリンリンネェさんはれっきとした女性です!」



「――!? マ、マ、マジで?……」



「まさかと思うけど、シュウさん。リンリンネェさんを男性だと思ってました?」


「う、うん…… サムソンさん達と一緒に居るから男だと思ってました」


「シュウさんはやっぱり失礼な人ですね! サムソンさんをはじめみなさんは女性ですよ!」


「フワァァァァァア!? 魔物さん達が全員女性!? そ、そんな馬鹿なことが…… 冗談だよね? 冗談なんだよね? 冗談だって言ってよ!」



「……………………」



アイリスちゃんは黙って首を横に振った。



――知らなかった…… リンリンさんのオネェ口調なら百歩譲ってわかるが、みんな男口調だったろ! 僕は悪くない…… 僕は悪くない…… 悪い夢なら覚めてくれぇぇぇぇえ!!!!



「アイリスちゃん。ちょっと聞きたいンだけど、僕は今まで魔物さんと相撲を取って来たけど…… セクハラになるの?」


あまりの事実に狼狽えている僕にアイリスちゃんは、


「いえ、相撲のことはよくわからないけど競技の中ならギリギリセーフです。それ以外であれば……」


「それ以外であれば……」


「アウトォォォォオ!! パーフェクト ギルティィィィイ!!!!」



――ヤバイよ ヤバイよ 僕、サムソンさんの家に泊まったことが何回もあるぞ! それも全部パーフェクト ギルティィィィイ! になるのか?……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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