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第148話 第三王子はブラック企業に就職する!

サムソン師匠とバットとの師弟愛の中に僕が入っていない事に涙する『シュウ』です。マリーのお屋敷のリフォームする時には僕もちゃんと居たよね? 僕も居たんだよーー!! なんで僕だけ師弟愛から外されなきゃいけないンだぁぁ!!




「ウツボ、落ち着け」


「そ、そうね。私が取り乱したらいけないわね」


「まあ、仕方がないさ。話しだけの魔物と聞いても、『あっ、そうか。そうなんだ』と思うくらいだが、実際に目にするとスゴいぞ」


「どんなふうに?……」




「――良いヤツらだ。中々の教養もある。人間様より頭が良いかも知れんぞ」


「そうですね。魔物さんを含めたハルタンに暮らす人々は全員読み書き、計算が出来ますから」


エリスはハルタンの教養の高さを説明した。



ここ、アルラサンド王国は教育に力を入れているため、識字率は高い。一方、他国の識字率は30%を下回る有り様だ。フロンシニアス王国だって30%前後だ。そこの領主にもよるが搾取だけを考えている悪徳な領主の領地は識字率はかなり低い。


そして、まともに経営している領主の領地は、識字率は高い。民の事を考え農奴に対しても学校とまではいかないが、読み書きを学べる場所を作っているとのことだった。



「えっ!? 村人みんなが読み書き、計算が出来るの?」


「教養は人を豊かにする要因の一つですから」


「確かに民を豊かにする要因の一つよね。それに、ハルタンには貴族という概念はありませんから」


「じゃ、ハルタンの経営は、あなたのお母様一人でしているの?」


「いえ、各集落の代表が集まり話し合いをします。それ意見等をまとめたら、修正したりするのが、ハルタンの(おさ)であるお母様の仕事です」


「民衆が政治に関わり運営していく、国王も貴族も要らない…… 国家運営において、今までにない発想だわ……」



「「「……………………」」」



ウツボ様の国王も貴族も要らないとの言葉にその場に居たみんなは黙り込んでしまった。


そう、この異世界は封建主義であり、封建制度の世界なのだ。日本の民主主義とは違う世界…… そう言う僕も王族の一員故に封建主義の一部なのだ……



「そういうわけで下水処理施設を作らせてもらうぞ。あと、魔法具の販売と認可で良いよな?」


マリーパパは有無を言わさずウツボ様に迫った。


「仕方がないわ、許可するわよ。予算とかどうするのよ?」


「こちらである程度は賄うさ。多少、ウツボ。お前にも出してもらうからな」


「わかったわよ。ハンマー、よくそんなにお金持ち出せるわね」


「魔道具を売った金で回収するから大丈夫だ。それにコイツら何やら荒稼ぎしたみたいでな資金には余裕があるみたいだ」



マリーパパは、エリスとマリーの方を見た。


「それにな、コイツらの給金は要らないらしから思う存分働いてもらう。レイニー殿の『社畜洗脳』『過労○洗脳』の回復魔法もあるしな! 頑張れよ、お前ら」


なぜかマリーパパはバットと僕に指を指した。



――ハァ!? 散々、こき使って給料も無し、あるのは残業だけ! どんだけブラック企業にしたいんだよ!



「じゃあ、安心だわ。二人ともよろしくね」



――ウツボ様は、ブラック企業推進派の人間だった……



「シュウ殿、バット君。君たち二人は特別に出席日数を改ざんしておくから心置き無く励むようにな」



――学院長。教育者である、あなたまでブラック企業推進派の人間でしたか?……



「「ハァ……」」




「ところでハンマー、工事はどう進めるの?」


「工事に関わる信用のおける人間を数名をハルタンで研修を受けてもらう。そいつらが頭になって工事を進める。あとは、サムソン達にも手伝ってもらうことになるかな」



「そうか…… なら私のところにいる秘書の二人を連れて行ってくれ」


「学院長、私達が居なくなってしまいますが、お一人で大丈夫なのですか?」


秘書の一人が学院長を心配そうに声をかけた。


「心配してくれるのか?」


「当たり前です。私達は学院長の秘書ですよ」


「なぁに、私一人でも筋肉(マッスル)に華は添えられる。安心して励んでくれ。工事の方は頼んだぞ」


「ハイ」「ウィッス」



――紳士の嗜みはどうした? 急にチャラ男みたいになりやがって!



「じゃ、おれのところからゴリーと数名を出そう」


「じゃあ、私のところからは娘の『アイリス』を送り出すわ」


「えっ!? アイリス王女ですか?」


マリーはウツボ様の娘、アイリス王女の名前を聞いて驚いていた……


「ウツボ、良いのか? アイリスを出して!」


「構わないわよ。あの娘も喜んで参加すると思うわ」



僕は小さな声でマリーに聞いてみた。


「ねぇ、マリー。アイリス王ってどんなにか人?」


「アイリス王女は私達より年下だけど……」


マリーはそれ以上、アイリス王女の情報をくれなかった…… 



――この展開に僕の背後から『ざわざわ…… ざわざわ……』の文字が飛び交う感覚と賭け事士(ギャンブラー)としての勘が『チャラーン チャラーン』とJアラート警報が鳴り響く感覚がよぎった……  また、悪魔神官のご登場か?……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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