第144話 第三王子は最狂に華を添える!
マリーパパとウツボ様が、マリーママと母上の最狂だと言う言葉に恐怖で震え上がっている姿を黙って見ているしかない『シュウ』です。
マリーパパが僕に、
「――エミーの強さは俺がよく知っているが、あのセリーナが…… 信じられん……」
「マリーパパさん、これは紛れもない事実です。現実から目を反らせないで下さい!」
「私だって、信じられないわ。あのいつもニコニコして、ふわふわしてるセリーナちゃんが……」
「ウツボ様! それは、母上が人前では野生猫さまを被っているのです。最悪な事に普通の猫さまじゃ無く。猫さまの上位互換でもある野生猫さまです。野生猫さまであれば、どんな人間でも気が付きません。傍にいた僕ですら…… ずっと、騙され続けてきました……」
「「「……………………」」」
マリーパパ、ウツボ様、学院長は言葉を失ったようだ……
「まさに鬼嫁……」
学院長はボソッと呟いた……
「今の言葉は、王妃様とエミー様にお伝え差せて頂きます。ギルティーー!!」
「「「えっ!?」」」
声の方を向くと、腕を組み仁王立ちしている邪悪の根源がいた! 勿論、ちゃんとご自慢のメイド服を着用している。
「「「ギャァァァァア!!!!」」」
「な、なぜ、ここにレイニーが? こ、こ、ここは男湯だぞ!」
「王妃様を誹謗する予感がしていたので監視されてもらいました。私の予感は120%ですから、言い逃れは出来ませんよ。皆さま、王妃様とエミー様に心の底から成敗されて下さい」
――心の底から成敗? どんな意味?
「レ、レ、レ、レイニー殿、私は悪くない! すべてはシュウが話したことだ!」
「そ、そうよ。メイドちゃんも監視してたからちゃんと聞いてたでしょ? 私、セリーナちゃんとエミーちゃんのことは口にしてなかったはずよ!」
「レイニー殿、おねがいだ! 私の顔を立てて許してもらえんじゃなかろうか?」
――!? えっ? 僕、一人が悪いの? マリーパパ、ウツボ様、学院長の裏切り行為にこれが冤罪の受けた時の絶望感なのかと考えてしまう。もし、あの二人に説教された日には、僕の治癒魔法ですら間に合わず、血の海地獄が確定的になってしまう……
「全員 アウトーー!!」
レイニーはその場にいた全員に無慈悲にも死刑宣告をした……
「そんな…… 馬鹿な……」
「学院私はこの国の国王なのよ。メイドさん、なんとかならないの?」
「まさか…… 私まで……」
「全員 ギルティーー!!」
――お前、なんでそんな満面な笑みで、嬉々として無慈悲な死刑宣告を再度言えるのだ?昔の自称『クールビューティー』のレイニーはどこへ行った?
「レ、レイニー様。な、な、な、な、なにがご、ご、ご、ご所望でしょうか?……」
僕は屈辱という苦行にまみれながら、レイニーに命乞いをした。
「命乞いですか? 私も鬼ではないので交渉次第ですね?」
「――はい……」
逃げ場のない僕は素直に返事をした……
「俺にも交渉させてくれ!」
「私にも交渉させてちょうだい!」
「私にもお慈悲で交渉の機会を!」
――マリーパパ、ウツボ様、学院長。そんなに命が惜しいのかぁ!! まあ、母上とマリーママの二人が絡んだ日には、命が幾つあっても、全然足りないからなぁ。 うん、命は大事!
「じゃ、俺からで。レイニー殿はまだお一人身だと聞いていた。しからばこの国一番の大膨張筋肉をレイニー殿に紹介しよう。これであなたもリア充間違いなし!」
「ギルティーーーー!!!!」
「なぜだ? なぜなんだ? このような国の女性は大膨張筋肉に夢中だぞ? 推しだぞ!推し!」
「大膨張筋肉と言うだけでギルティ決定です」
「な、なにぃ!? 大膨張筋肉でもダメなのか?」
「パーフェクト ギルティーー!! ダメです。論外です。では、次の方」
マリーパパは、魂が無くなったかのように項垂れていた……
「じゃあ、次は私ね。一生、お城で自由に暮らせる権利をメイドさん、あなたにあげるわ。三食昼寝付きで、一日中ニート生活を満喫するのもよし、シュウちゃんを奴隷扱いにしていたぶるのも良し、あなたのやりたい放題よ!」
――ウツボ様。最後に僕を邪悪の根源に売らなかったか?
「ん~。なかなか良い提案で心が揺さぶられましたが、非常に残念ながらギルティです。本当に惜しまれる提案でした…… 残念」
「悔しいーー!! もう少しだったのに!」
「本当に惜しかったです。次回頑張りましょう」
――レイニーはそう言って、ウツボ様を慰めていたが、次回があるのか? それはそれで地獄の豆腐一丁目だなぁ…… いまだに豆腐一丁目の意味がわからん……
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