第139話 第三王子は 生き地獄を……!
バットのヤローの裏切りにあい孤立無援の四面楚歌状態に陥ってる『シュウ』です。どないしよぉ……
「二人に似てないけど、どうでも良いわ。あなたがあの二人の息子だと言うなら私はあなたを受け入れるわ。こっちへおいで」
国王陛下!?は僕を近くに来るよう手招きした。
「はい……」
僕は何の意味かわからず、国王陛下!?の前に立つと……
「えっ? なに?」
『むぎゅ~ ジョリジョリ……』
突然、国王陛下!?は僕を抱きしめ、おひげジョリジョリのを始めた……
『ギャァァァァア やめてーー! おひげが痛いィィィィイ!! ジョリジョリ痛い! 勘弁してくださ~~い!!』
僕は心の中で絶叫した……
国王陛下!?はハグとおひげジョリジョリの刑を堪能すると僕をやさしく解放してくれた…… ――まさに、生き地獄……
『ゼェ ゼェ』
僕は涙目になり、四つん這いでその場から動けなくなった……
「シュウ君だっけ? あなた、なかなか見どころがあるわね? 精神的なタフさはあるけど…… 膨大筋肉がちょっと足りないわ。しっかり鍛えてジェントルメンになるのよ」
「――――ハァ」
周りを見渡すと、マリーパパ、マリーママは憐れみの目で、学院長達とマリー、バットは自分達に被害が及ばないか危惧する目で、肝心のエリスは次は自分の番じゃないかと恐怖に怯えた目で、国王陛下!?は満足し、法悦に満ちた目で僕を見ていた……
――こんな…… 不条理があっていいのだろか…… 今まで生きてきた14年、いや、前前世、前世を合わせても、こんな理不尽なことはなかった…… もう生きている事への後悔と絶望しかない……
「こちらのお嬢様は?」
ついに、国王陛下!?がエリスにターゲットを絞った!
「あわわわ、わ、わ、私は……」
「ああ、このお嬢さんかい? このお嬢さんは、シュウの婚約者の……」
マリーパパがエリスに助け船を出してくれた。
「エ、エリス・フォンテーヌです。ロッシュウ殿下の婚約者になります。エリスとお呼び下さい」
「あら、そうなの? 可愛い娘ね。シュウちゃんも隅には置けないわね。大事にしてあげるよ」
「……………………」
僕はまだ、立ち直れない状態だった……
「ウツボ、立ち話もなんだぁ、そろそろ中に入らないか?」
「そうね。じゃ、中に案内してくれるかしら」
「おう、遠慮なく入ってくれ」
「陛下暫しお待ちを」
従者の三人が僕とエリスに近付いて来た。
「やっぱりあの時の兄ちゃんと嬢ちゃんじゃないか!」
「おお、そうだ。あの時の兄ちゃんと嬢ちゃんだ!」
「こんなところで会えるとはおもわなかったぜ!」
「「――!?」」
「んっ? どうした、兄ちゃん達?」
「……………………」
「あの時は俺達が世話になったな」
「「――!? ……………………?」」
「あっ! お前、帽子取って顔を見せてやれよ」
「ああ、そうたな。これじゃ俺たちがわからないかぁ」
従者の三人は帽子を取り、僕たちに顔とポージングを見せてくれた。 以前、見かけた記憶が……
「あっ! 三位一体、ストリーム・マッチョ・アタックのモヒカンヒャッハーの人達!?」
「おっ! 俺達を覚えてくれてたか?」
「ええ、覚えてます。髪型が変わったのですね?」
「そりゃ~ 嬉しいなぁ。あのあと大会で優勝してな、それがきっかけで国王陛下に仕官することが出来たんだ。あの髪型じゃ士官するわけにもいかんだろ」
「そうだとも、筋肉好きの嬢ちゃん達のお陰で俺達は大会で優勝できたんだぜ!」
「あの時は本当に兄ちゃん、嬢ちゃん、ありがとうな」
「い、いえ、私たちはただ見ていただけですから」
「そんなことないぜ! あの時、筋肉好きの嬢ちゃんが俺達を見てくれなかったら完全版 三位一体、ストリーム・マッチョ・アタックは完成していなかったぜ!」
「あなた達は、顔知り合いだったの?」
「ハイ! 陛下、私共の三位一体、ストリーム・マッチョ・アタックは彼らがいなければ完成出来ませんでした。私たちの恩人になります!」
「そうだったの…… 恩人な会えて良かったわね」
「ハイ! これもすべて、国王陛下のご恩徳のお陰であります!」
「そ、それは、良かったわ」
「あとで兄ちゃん達に完成版『三位一体 ストリーム・マッチョ・アタック』を見せてやるからな楽しみに待ってろよ!」
「おう、そうだな。恩人に恩返しをしないとな」
「兄ちゃん達、またあとでな! さあ、任務に戻るぜ!」
そして、彼らが三人は持ち場へと戻って行った……
エリスはまた、筋肉好きに見られ、あの三位一体、ストリーム・マッチョ・アタックをまた、魅せられるのかと絶望していた……
取り敢えずマリーパパと国王陛下!?は屋敷の中へと入って行った。ヘロヘロとなった僕とエリスはマリーに支えられながら屋敷の中へと進んだ……
マリーパパご一行はリフォームされた応接室着き、国王陛下に天井にある照明器具を見せた。
「ハンマー、私に天井を見せてどうしたの?」
「まあ、見ててくれよ。特にあのシャンデリアをな!」
「ええ、わかったわ」
国王陛下は上を向き、照明器具を注意深く見ていた。
「ゴリー頼む」
「はい、旦那様」
ゴリーさんは照明器具のスイッチを入れた。
『カチッ』
一瞬で室内が明るくなる。まだ、昼間なので劇的に明るくなる訳では無いが、それでも明るくなった。
「ギャァァァアラップイクモウザイ!! 目が! 目が!!」
国王陛下は育毛剤の名前かな?を大絶叫した! 当然、照明器具を直視していたら眩しくて目が痛くなるよな。
マリーパパは、わざと国王陛下に間近で直視させてたのか? さすが策士だなぁ~
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