第14話 告白
隣の席に座っていた女子生徒から小さく呟いていた……
「…………バカなのよ」
「えっ」
――僕にはよく聞き取れなかった…… 耳垢が詰まってる疑惑の『シュウ』です。
女子生徒の名前は『エリス・フォンティーヌ』平民出の特待生だ。銀髪で背はやや低く、やせ形で言い難いがお胸様は…… どこに行った? ご尊顔は美人と言うよりは可愛い感じの同級生だ。
僕をはじめ、みんなは彼女の事を『エリス』と呼んでいる。
「エリス何か言ったかい? ごめん、よく聞こえなかったよ」
「あっ、気にしないで独り言だから」
「あっ、そう……」
席が隣同士ということもあり、エリスとは挨拶をするくらいには仲良くなったと思っている。
「ねぇ、シュウ君、あとで時間貰えるかな?」
「あぁ、良いよ。」
「放課後、筋トレセンターの裏に来てもらえるかな?」
「えっ!? あぁ、放課後に筋トレセンターの裏だね。わかったよ」
告白か!? 告白なのか!? このモブ顔の僕につ、ついにモ、モテ期が! モテ期が!
モテ期が! キターーーーーーーーーーーーーーーーッ!!
僕は表向きには平静を装い、心の中では正直、大、大、大興奮状態! 思わずレイニーの背中の上でツイストを踊りだしそうな心境だった! 放課後は早く来ないかな。早く放課後は来ないかな。放課後に早くならないかな。早く放課後にならないかな。何を言っているのかわからない状態になった。これが、混乱状態なのだろう! 楽しみ!
◇
――放課後になり、僕は髪と制服を整え、頭の中はお花畑状態で筋トレセンターの裏に急いだ。
エリスは一人で筋トレセンターの裏に立っていた。
あんな可愛い娘がこんなモブ顔の僕に…… ウソ告か!? ドッキリか!? と思い周辺に気を配り様子を窺った。
――怪しい様子はないな……
ゆっくりとエリスのもとへ平静を装いながら近づいた。
「やぁ、エリス! 早いね。僕に何の用にかな?」
「私も今、来たところだから……」
僕たちは無言になった……
エリスは僕の目をジッと見つめていた…… 僕の鼓動は高まり、この場にレイニーが居たらヤツの背中の上で、ガチツイストを踊っていたであろう! まさにレイニー・ナイト・フィーバー!?
エリスがさらに僕に近付き、真剣な目で僕の目をジッと見つめた。
「ねぇ、シュウ君。やはり…… あなたの魂に混ざり物があるみたいね」
「えっ!? 何を言ってるの?」
僕はエリスの予想外な言葉に混乱した。
「入学式以来、あなたをずっと見てきたわ。この世界の人とは違う魂の持ち主ね?」
「ハハハハハッ! 何を言ってるのかな? 意味がわからないよ……」
前世の記憶を持っていることか? 僕の生まれ変わりを知っていると言うことか? 何で知ってるんだ? エリスって何者なんだ?
結局、告白じゃねぇーーーーのかよぉぉ! 僕のドキドキを返せーーーー!
エリスは言葉を続けた。
「隠しても無駄よ…… 私には見えるの! あなたは、この世界の人間じゃないってことを…… いや、違うわね。以前は別の世界の人間で、この世界に生まれ変わったってところかしら……」
そこまで言われると、もう隠すことも誤魔化す事も出来ない。正直に白状するしかないのか?……
――僕は暫し無言になり、色々考えた結果。正直に話すことにした。
「実はね、エリス…… 僕はね、前々世と前世の記憶があるんだ…… 長くなるけど聞いてくれるかい?」
「えぇ、聞かせてもらうわ……」
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