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第131話 第三王子はありがとうを言いたい!

マリーパパが父上からの手紙を読み終わり、大きな溜め息をつく姿に父上の手紙が気なにるお年頃の『シュウ』です。




「マリーパパさん。父上の返事はどのような物だったのでしょうか?」


僕はテガミの内容が気になり、率直に聞いてみた。


「ブルースのヤロー、オレに魔道具を持って王国に来てくれだとよ」


マリーパパは面倒くさそうな顔で僕に答えた。


「魔道具を持って、我がフロンシニアス王国に?」


「ああ、そうだ。王国なんて行きたくねぇなぁ」


「マリーパパさん、どうしてですか?」


「そんなの面倒くせぇからに決まってるからじゃねぇか」


「……………………」


「行きたくねぇなぁ~」


「公爵様! 私、レイニーはそのお気持ち良くわかります!」


「おお、レイニー殿もわかるか!」


マリーパパとレイニーは固く握手をしていた。


「「「……………………」」」



――とんでもないことを発言をしている二人に僕たちは無言になってしまった……



「私は一度にフロンシニアス王国に行ってセリーナに会いたいわ。ハンマー。この意味はわかるわよね?」


マリーママの強迫じみた発言にマリーパパは、


「も、勿論行かせてもらうつもりだ! シュウとエリス嬢の為にな。今のはちょっとした愚痴だ……」


「それなら良かったわ。それで、来てくれと書いてあるの?」


「シュウ達が学院を卒業した辺りでと書いてあった」


「――あと、一年で準備をしなきゃいけないってことよね。ハンマー?」


「ああ、そうだ。その会談で公式にフロンシニアス王国で魔道具の専門店を立ち上げる話しになるだろう」


「フロンシニアスに魔道具の専門店?」


「そうだ。私の考えは、まずはアルラサンドで専門店を立ち上げ、各国に専門店の立ち上げる許可をもらい店舗を増やして行く。各国の店舗が遅くなればなるほど、魔道具の価値は上がり、転売する者にとってはおいしい話しになる。そうなる前に各国の店舗の許可を取らねばいけない……」


マリーパパは面倒くさそうに話した……


「もし今、魔道具を販売するのであれば、照明器具しか販売出来ないですね…… 水やお湯を使う魔道具は下水道処理施設が必要になります。まずは、下水処理施設が先になります」



「――シュウの言う通りだ。俺は国王を我邸に呼ぶつもりだ。その場で無理矢理にでもアルラサンド全域の下水道の工事許可をもらう。この王都が魔道具の先駆けになるだろう。お前の土魔法が必要となるがよろしく頼むぞ。シュウ」


「ハイ」


「俺たちはブルースたちとハルタンで会合を重ねる。お前達も話し合いには参加してもらう。良いな?」


「「ハイ」」


エリスとマリーが返事をしたが、話し合いには僕が含まれていない……



「第三ボッチ王子……」


レイニーが僕の耳元で呪いの言葉を口にした…… 



こうして話しを合いは終わり、マリーパパから酒樽に入ったリンゴを無理矢理押し付けられハルタンに戻って来た。



「ねえ、エリス。これから忙しくなりそうだね」


「ええ、そうね。シュウ君の土管作りが一番大変だと思うよ」


「そうなの?」


「正直、魔法石とか簡単に出来ちゃうからね。材料の石とかその辺にある石で良いし、浴槽とかトイレの便器類は土属性を持ってる人にお願いするからシュウ君の土管作りに応援を出せないかもしれないわね」


「ハァ~!? 僕一人で作るの?」


「多分ね」


「とんでもないことになっちゃったなぁ~」


「出来るだけ応援は出すから頑張って」


「一人でも良いから応援に来てもらうと助かるよ」


「わかってるわ。土管が一番最初だからしっかり頑張ってね。」


「お、おう」


「明日から魔法石に色々作る物が増えるわね。二号生のみんなにも手伝ってもらわなきゃ」


「さっきまでレイニーが居たのにもう居なくなってるし、アイツは本当に自由人だな」


「でも、なんだかんだ言っても、私達が出来ないことも裏方でしてくれているし、頼りになるのよ」


「そうには見えないけど」


「そのうちわかると思うわ」



エリスは何か含みをはらんだ言い方をしてお屋敷入って行った。





――翌朝



マリーが二号生のみんなを集めてこれからの方針を話そうとしている。


「みんなにこれからのことで話しがあるの」


「何だ、マリー。話しって?」


「みんなにお願いがあるのよ。みんな、例えばの話しだけど、自分の家にハルタンにある。照明器具、お風呂、トイレ、水道があったらどう思う?」


「そりゃ~最高の環境じゃないか」

「そうね。一日中お風呂に入れるって幸せよね」

「トイレだって、綺麗だし何より衛生的に良いわよね」

「綺麗な水を安心して飲めるようになったら良いよな」


次々上がるみんなの声、どれだけ今までの生活が不便で、そして衛生的観念から言っても不潔だったか、みんなは自分の肌で感じ取っている。


「私達はハルタンの文明をアルラサンドに広めたいと思ってるの。アルラサンドだけじゃなく世界にこの魔道具を広めたいの! 王族、貴族だけじゃなく庶民をはじめあらゆる人にこの文明を広げて行けたらと思ってる。その為には、照明器具の装置、トイレの便器、浴槽、水道の蛇口とか準備をしなきゃいけない。そこで、みんなには物作りを手伝って欲しいの! しかも大量に! 自分達の生活も快適になる、魔法も上達する。一石二鳥と言うわけよ」


「良いぜ! マリー、手伝うよ」

「私にも手伝わせて、自分の家に魔道具があるなんて夢みたいね」


――ありがとう、みんな。これで、少しもあらゆる人の生活が楽になれる…… 疫病も減らせる…… ありがとう、みんな!


お読みいただき誠にありがとうございます。

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