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第123話 第三王子は神秘の存在!

マリーオヤジ(こころのこえ)発言よりプチ殺しが確定した『シュウ』です。殺されても僕にはエリスという強い味方がいるから大丈夫! えっ!? 死者は蘇生出来ないって? マジで? マリーオヤジに殺されるじゃん!




マリーパパVSハルタン連合軍の闘いも終わり、勝者は神レベルの強さを発揮した『地上最強の鬼嫁(モンスター)』が勝者となった。


あとはお馴染みの宴会となった。お母上様、母上、マリーママの狂乱鬼嫁三人衆は女子会に華を咲かせ、まるでダメオヤジィーズ三人衆はその隣のテーブルで、寂しく酒を飲んでいた……

そこへミノノモンタさんが差し入れと言わんばかりに大量のリンゴをテーブルに置いた。


「俺が作ったリンゴだ。喰ってくれ!」


マリーパパが引きつった顔で、


「この前マリーがお土産にもらったリンゴだな? あれは、美味しかったぞ」


「そうか、そうか。そんなに美味しかったかぁ。じゃ、またマリーに持たせてやろう」


「わ、悪いな。じゃ、そ、そうしてくれ」


「じゃ、またあとでな」


そう言って、ミノノモンタさんは別のテーブルへリンゴを運んでいた。


マリーパパが僕とバットとダンベル、ビルダー、サプリ、デッチャン、パトリック、ヤスを呼んだ。


「シュウ、バット君にダンベル君達、君たちは強くなりたいか?」


「ハイ!」

「……………………」


僕以外のみんなは元気よく返事をしたが、僕はこの後の展開が予想出来たので沈黙した。


マリーパパはリンゴを一つ取り上げると僕達、『ダメンズ』の前に差し出し、


「強くなりたくば喰らえ!」


「へぇ!?」


「強くなりたくば喰らえ!」


「リンゴを食べろってことですか?」


「強くなりたくば喰らえ!」


「「「……………………」」」



空気を読めない、恐れ知らずのヤスがマリーパパに、


「僕、リンゴが嫌いなのでマリーパパが食べて下さい」



――!? ヤス! テメェは恐れ知らずにも限度があるだろう! 相手はマリーパパだぞ!地上最強の生物(マッチョ)になんて事を言うんだ!



マリーパパは、


「強くなりたくば喰らえ!!!! 朝も昼もなく喰らえッッッッ 食前食後にそのリンゴを喰らえッッ 飽くまで食らえッッ 飽き果てるまで食らえッッ 喰らって喰らって喰らい尽くせッッ」


そう言って、ヤスにリンゴを10個ほど渡した……


ヤスはリンゴを抱え、呆然とし、涙を流していた……



――泣くのは当たり前だ。ヤスは嫌いな物を食べなければならない苦痛を考えるといたたまれない気持ちになる。



「マリーパパ! 俺、感動した! 俺、強くなる! 俺、リンゴ食べる! 俺、リンゴ大好き!」



――ハァ!? ヤス!お前、リンゴ嫌いじゃなかったのか? しかも、喋り方が変だぞ! マリーパパに催眠術でもかけられたか?



ものすごい勢いでリンゴを喰らい尽くす、バット、ダンベル、ビルダー、サプリ、デッチャン、パトリック、ヤス。


「シュウ。なぜお前は喰らわない?」


「僕にはまだ、お土産のリンゴが残ってるので……」


「防腐剤……着色料……保存料…… 様々な化学物質 身体によかろうハズもない。しかし、だからとて健康にいいものだけを採る。これも健全とは言い難い。毒も喰らう 栄養も喰らう。双方共に美味いと感じ血肉に変える度量こそが食には肝要だ!!!」


「防腐剤……着色料……保存料…… って、どこで覚えたんですか?」


「ハルタン様が俺の頭に訴えかけているんだ! それくらいわからないのか!」


「ハァ……」



――あのハルタンたぬきめ。自由過ぎるだろ…… しかも、ヤベェ格闘技マンガみたいなセリフまで…… 



「強くなるなりたくば喰らえ!」


「――ハァ」


僕はリンゴを一つ取り、かぶりついた。


「強くなるなりたくば喰らえ!」


「えっ!? 今。食べてますけど?」


「強くなるなりたくば喰らえ!」


僕はもう一つリンゴを取り、交互にかぶりついた。


「うむ、よかろう」



――やっと、許してもらえた。本日はリンゴ8個喰らいました。本当に強くなりなれたんだろうか?



マリーパパを見るとリンゴを一つも食べていなかった…… なんて理不尽……


ミノノモンタさんが持ってきてくれたリンゴを僕とバット、ダンベル、ビルダー、サプリ、デッチャン、パトリック、ヤスで喰らい続け、跡形もなく喰らい尽くした。


『ゲプッ』  失礼…… 


僕を含めた8名は、もう食べきれないと感じて、その場から逃げるように散って行った。


母上達の話し声が気に母上のテーブルにソフィアちゃんと共に向かった。隣のテーブルに座っていた、まるでダメオヤジィーズ三人衆は、よっぽど狂乱鬼嫁三人衆が嫌だったのか魔物さん達のテーブルに避難していた。



僕達が母上のいるテーブルに近づくと、お母上様が声をかけてきた。


「シュウ君とソフィアちゃんも来たのね」


ソフィアは僕と手を繋いでいた手を離し、トコトコ走りだしお母上様の膝の上にちょこんと座った。



僕も母上達のテーブルに座り、たわいもない会話をしていると



『ヒソヒソ ひそひそ』


――なぜだか、周りの目が僕達を見ている気配を感じた…… そして、女子のヒソヒソ話が耳に入ってきた。



「セリーナ様とシュウ。似てないわよね?」

「そう? 鼻の辺りがなんか似てない?」

「そう言われてみれば、そう見えなくはないけど……」

「奇蹟って存在するのね」

「奇蹟で片付けられないわ。そう神秘よ、神秘」



――よく見てくれ! 僕と母上は鼻が瓜二つじゃないか!!!! まだ、信用していなかったのか女性陣!



「どうしたのシュウちゃん、黙り込んじゃって?」


「いえ、何でもないです。ちょっと聞きたいのですが、父上とマリーパパはどうして闘ったんですか?」


「そのことなんだけど……」

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