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第106話 第三王子は劇場に行く!

やはりエリスとマリーは最強だと思い知らされた『シュウ』です。まさか、お酒があそこまで強いとは思いもよらなかった…… 



宴会から数日たち二号生のみんなは毎日のようにハルタンに訪れては魔法の特訓をしています。例外を除いては…… ダンベル、バット、パトリック、メアリー嬢は魔法の特訓は、ほどほどに相撲の稽古ばかりしています。四人は、相撲取りになるんだって意気込んでいます。



――たまには実家に帰れよ! 三人とメアリー嬢は只今、エリス宅で居候中です。相撲もいいけど魔法もね!



魔物さんたちをあれほど恐がっていたパトリックも、今では二号生の中で一番の魔物さんたちと仲良しです。さすが、友好神様!




そんなこんなで、ついに来ましたエリスとミュージカルを観賞する日が!!


今回はマリーの提案で二人だけの観賞になります! 邪悪の五神とか言ってごめんね。あなたは本当に聖女オブ聖女です。



マリー、ソフィアちゃん、レーニャさん、レイニーに見送りされて、劇団ツキカゲが本拠地としている。『パリピ劇場』の近くの食堂まで来ました!!


マリーから劇場名をパリピにしたのか聞いて見ると、パはパワーネットのパ、リはマリーのリ、ピはマリーの憧れの女優、ピーター・イケシンのピだそうだ…… なるほど……



食堂に入り、果汁水と軽い昼食を注文をし待っていると、変装している怪しい女四人組と一組のカップルが食堂に入ってきた。四人組に目をやると、可愛らしい女の子の服と帽子を深めに被っているお子さまが一名……


どう見てもソフィアちゃんにしか見えません。


残りは、マリー、レーニャさん、レイニー。じゃあ、あのカップルは? お母上様とお父上様だった! お父上様、敵意剥き出しで僕を睨んでいると誰だって正体がわかりますよ!



僕は、小さな声でエリスに話しかけた。


「ねぇ、エリス。あの二組怪しくないか?」


「ええ、変装しているみたいだけど、どう見てもマリーたちよね? しかも、お母様とお父様までいるし」


「あの人たち、僕らを二人っきりさせるつもりなんて、さらさらそんな気無かったんだね」


「そうみたいね……」


「道理で二人でって強調してたもんね」


「ハァ~ 劇場に席も決まってるし、いくら私でもあの人たちから逃げ切れないわ」


「まあ、仕方ないよね。今は気が付かないようにしてあげよう」


「ごめんね。あとからマリーたちにしっかりと注意しておくわ」


「うん…… ほどほどにね」



食事が運ばれて来たが、六人の目が気になり、何だかぎこちない食事になった……



「エリス。ここに居ても落ち着かないから早めに劇場に入ろうか?」


「そうね。私もずっと見張られていると落ち着かないわ」


「会計を済ませたら行こうか」


「ええ」


僕たちは会計を済ませ、逃げるように劇場へ向かった。




劇場に着くと、それは三階建ての大きく立派な建物だった!? 本当にパワーネット公爵家の財力には驚かされる…… 


そして、マリーから預かっていた封筒を開けてみるとペアチケットが入っていた。これで別々の席だったら残虐にも程がある!


チケットに書かれていた。ミュージカルの題がブッ飛んでいた……




『アゴと氷の女王』




な、な、なんて攻めたお題なんだ!! ケンカを売りに行ってるもんじゃないかぁぁぁあ!!


そして、入り口の玄関の斜め上には大きな看板が二つの掲げられていた。そこには……



年末特別公演『アゴと氷の女王』と書かれ、○ヤ、亜○さん、○のバラの人、月○先生の絵が描かれていた。ファンなら涙ものだろう……


もう一つの方を見ると、


年始特別公演『アゴと氷の女王』と書かれ、こちらもマ○、○弓さん、紫のバラの○、○影先生が描かれていた…… 

特別公演って、いつでもやってるじゃん! どこが特別なんだよ! と思ったが、年末年始は誰も働きたくないよなぁと前前世の社畜ぶりを思い出していた。 あっ、ごめん。僕は、社畜じゃなかった! 社畜と言いたかっただけだから……



――アゴと氷の女王のアゴの部分か妙に気になる! 人間のアゴなのか、アゴだしのアゴなのか? なんたろ?


「とりあえず中に入りましょう」


「あっ、うん。今行くよ」



指定された席に座りしばらくすると観客が次々と入ってきて、いつの間にか満員御礼となっていた。


なぜか後ろから冷気が漂ってくる…… 後ろを見るのが怖いがやはり気になり、勇気を出して恐る恐る後ろを振り返った……



――!? あの怪しい四人組と一組のカップルが僕たちの真後ろに鎮座されている!? マジか!? この人たちはここまでするのか!! とことん僕らの邪魔をする気なのか?

とりあえず、エリスに報告を……



「エリス。後ろにマリーたちが座ってるよ」


「ええ、気配でわかったわ。とりあえず後ろは見ないようにしましょう」


「うん。わかった」



――あの冷気はお父上様の冷気だとわかっただけでもヨシとしよう……



そして、いよいよ開演の時間となった……



マリーが考えたミュージカルとは……



シュウとエリスの運命は……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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