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第105話 第三王子は潰されました!

この人達には人の心は無いのか、正義はないのか、正義はと一体なんなのか? 友情パワーとは? 真の友情パワーとは何だ? 助けてよ、アタ○兄さーーーーん!!!!と叫びたくなる『シュウ』です。



この流れは自滅を招くフラグが立ってしまう!なんとかしなければと思いエリスに聞いてみた。


「ねぇ、エリス。マリーのご加護のこと知ってた?」



「――う、うん。知ってたわよ……」


エリスが先程から元気がない。どうしたんだろう?


「ねぇ、シュウ君。ちょっと確認したいことがあるんだけど、良いかな?」


「ああ、何だい?エリス」


「女性がお酒を呑むのってどう思う?」


「別に良いんじゃないかな? 特に気にしたことないかな」


「どうしてそう思うの?」


「ん~と。前前世の奥さんがお酒が好きで、よく二人で呑んでたんだよ。毎回、僕の方が潰させれていたんだよね」


「嫌じゃなかったの?」


「全然、嫌じゃなかったよ。お酒呑んでニコニコ笑ってる顔が好きだったんだよね。その事は奥さんには伝えてなかったから…… 言えば良かったと今でも思うよ」


「そ、そうなの?」


「ああ、本当に伝えれば良かった…… あっ、ごめん。エリスの前でこんな話ししちゃって」


「べ、別に謝ることなんてないわ。シュウにとっては、奥さんも幼馴染みさんも大切な思い出だもん」


「ああ、ありがとう。エリス」


「どういたしまして」


『クスクス』と笑うエリスはレーニャさんに、


「レーニャ! シュウ君から許可がおりたわ! ビールと日本酒持ってきてちょうだい! コップは二人分ね!」


「ハ~イ。今、お持ちいたします!」


――許可も何もないと思うが…… まあ、エリスが元気になったことで良かった! エリスが復活したことで、レーニャさんも機嫌が良いみたいだ。



周りにいた魔物さんたちは、エリスの言葉を聞いてガクガクブルブルと震えだした…… みんなどうしたんだろう?




僕たちを見ていたマリーが、


「ねぇ、二人ともソフィアちゃんの前でイチャイチャするのはどうかと思うわ。教育上よろしくないんじゃない?」


「ねぇ、ソフィアちゃん?」


「「――!?」」


「べ、べ、別に私たちイチャイチャしてないわよ」


「どうだかねぇ?」


「エリス姉さまの顔が赤くなってる!」


「ソフィアちゃんまで変なこと言わないで!」


「ハハハハ」


マリーがケタケタと笑いだした。




僕たちがお酒を呑み始めた時、マリーからひとつの提案をされた。


「ねぇ、二人とも年明けは何か予定でもある?」


「特に予定はないけど…… ずっとハルタンにいるつもりだけど、それがどうしたの?」


エリスが答えた。


「年末に『劇団ツキカゲ』でミュージカルの特別公演するの。勿論、脚本は私が書いたの」


「マリー、いつの間に脚本書いたのよ? 私と小説書いていたからそんな、時間よくあったわね」


「えへへ。エリスをびっくりさせようと思って内緒で書いてたのよ」


「全然、気が付かなかったわ」


「これは、二人への感謝の気持ちよ、受け取ってちょうだい」



マリーは封筒をエリスの前に差し出した。


「マリー。これは?」


「ミュージカルのチケットよ。ちゃんとシュウ、あなたの分も入ってるからね」


「良いの貰って? 僕は遠慮はしないよ?」


「エリスは劇団ツキカゲの劇場はわかるわよね?」


「ええ、知ってるわ」


「じゃ、お願いがあるんだけど良いかな?」


「良いわよ。マリーの頼みだもの」


「じゃ、封筒を開けるのは劇場についてからにしてもらえるかな? 二人にびっくりしてもらいたいの?」


「別に構わないわよ。シュウ君もそれで良いでしょ?」


「僕もそれで良いよ」


「マリーがどんなミュージカルを作ったのか楽しみ」


「ああ、そうだね」


「二人ともありがとう。私はハルタンに来てから変わったと思うの? ハルタンの人々、サムソンさんはじめ魔物のみんなに出会って、今まで自分がなんて小さな世界の中で生きてきたんだろうって思ったのよ。これも全部、エリスとシュウのおかげよ。ありがとう」


マリーはそう言って僕たちに頭を下げた。



――マリー、ごめん。今まで僕は君を誤解していたよ。君は素晴らしい女性ひとだよ。邪道神とか言ってごめん。外道神とか言ってごめん。大外道神とか言ってごめん。邪悪の五神の総帥とか言ってごめんなさい。



「ありがとうね、マリー。シュウ君と行かせてもらうわ」


「え~! 私も行きたい! 行きたい!」


可愛よのソフィアちゃんも行きたいと駄々をこねはじめてしまった!


「今度、私と行こうか? その時においしいケーキがあるお店に案内するわよ。お菓子もたくさんあるわよ」


マリーが可愛よのソフィアちゃんを宥めていた。


「私、マリー姉様と一緒に行く!!」


「じゃ、ソフィアちゃんと私で観に行きましょう。今回は、エリス姉様とシュウ兄様に譲ってあげましょうね?」


「ハイ! わかりました!!」



――ああ、ケーキとお菓子に釣られてしまうソフィアちゃんを見ていると将来が心配になる……



「さあ、みんなで呑んで、食べましょう」


エリスは先程の暗い顔から立ち直り、かなり上機嫌でビールを飲んでいた。



僕は、目の前にある肉じゃがを食べた。前にビアンカさんが作ってくれた味と同じような感じだったが、今回の肉じゃがの方がおいしかった……


「今回の肉じゃがも美味しいね。ビアンカさんが作ってくれたの?」


エリスが、恥ずかしそうに、


「今回は私が作ったの? お口に合うかしら」


僕は、正直に、


「前回の肉じゃがも美味しかったけど、今回の肉じゃがは、凄く美味しい! 本当に懐かしい味だよ!」


「本当!? 嬉しい!」


「本当に美味しいよ。作ってくれてありがとう」


「あ~、作って良かったぁ!」


エリスはニコニコしながら、ビールから魔物さん用の日本酒に変えて呑んでいた。



――その後の結果をお伝えします。僕こと『シュウ』はエリスとマリーに潰されました。あと、サムソンさんやリンリンさんたちも潰されました…… 無念……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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