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第104話 第三王子はマリーの秘密に戦慄する!

五体投地の礼を持って聖女オブ聖女のマリー様から神々のご加護を聞き出そうとする『シュウ』です。決して卑屈な態度をとっているわけで無く、あくまでも神々への感謝の気持ちからですので、聖女のマリー様が恐いから…… ではないので誤解なきよう念を押しておきます…… でも、やっぱり恐いです!!




「え~と、まずは、私は五神の神々から加護を授かっていることは理解出来たわよね?」


「ハイ!」


僕は正座をして、マリー様を中央に右側にレイニさん、左側にレーニャさんの布陣で話を聞いている。さすが、林檎園の誓いで義姉妹の盃を交わした者たち……


「1つ目の神は知性の神から『知性』を授かったわ。『知性』は初等部の前から顕現出来たの」


「確かにマリーは頭が良いもんな。これは納得!」


「2つ目は強力の神から『強力』を授かったわ。『強力』は初等部に入学した辺りだったかな? まあ、その辺りで顕現したわ」


「これも納得。確かにマリーの力は強い!僕なんかより数倍強い!」


「あまりの強い、強いって言わないで!」


マリー様からお叱りを受けた……


「3つ目は技巧の神から『技巧』を授かったわ。これは、初等部の中学年辺りで顕現したわ」


「うん、うん。これはわかる! 背後からの高速タックル、そして、キャメルクラッチへの流れ、普通の人ならそんなこと出来ないよ。『技巧』の加護があればこそ出来る技だったんだなぁ」


「4つ目が飛翔の神からは『飛翔』のご加護だったわ。この『飛翔』はなかなか顕現出来なくて私もどうして良いか相当悩んだの。でも、ハルタンに来て相撲に出会い。しなやかな筋肉(すもうレスラー)を手に入れたらもしかしたらと思って、稽古を積み重ねたの」


「おお、それでどうなった?」


「これまで鋼鉄の筋肉(ガチガチマッスル)しか考えて来なかったから本当に目から鱗だったわ。浅はかな考えってこう言うことを言うのね。それでも私は手に入れようとしたわ。しなやかな筋肉(すもうレスラー)を!


四股(しこ)にテッポウ、そして、股割り!厳しい稽古だったわ。そして、やっとの思いで手に入れたの! しなやかな筋肉(えども〇どほんだ)を!」


「手に入れたらどうなった?」


「ものすごく身体が軽く感じるようになって気がついたら、先程の取り組みよ! まるで自分の身体じゃないみたいだったわ」

「後方伸身二回宙返り二回ひねり下りは、そうそう簡単には出来る物じゃないよ。相当練習をしないと出来るもんじゃない。さすが、マリー!」


「こんなに褒めても何も出ないわよ」


「別にそんなつもりで言ったつもりはないけど…… それで、最後の加護は?」


「そうね。五つの目の加護は……」





「…………………」





――なんなんだ、この溜めは?







「残虐の神から『残虐』の加護をさずかったわ。これは、生まれた時から顕現出来たわ」





――!? ざ、残虐の加護だと…… しかも生まれながらにして標準装備……




「………………」



「どうしたの、黙り込んで?」



「いえ、何でもありません!」


「おかしい人ね?」



――残虐の加護…… 公爵家の交渉術といい、普段の僕への言動といい、レーニャさんとレイニーと義姉妹の盃といい、残虐の加護。これが一番、マリーにしっくり来る…… 

  

――ん!?



『知性』『強力』『技巧』『飛翔』『残虐』…………


キ○肉マンの邪悪の五神じゃねぇーか!!

やべぇーぞ! 王位争奪戦が始まるじゃねぇーーかぁ!!



「何をブツブツ言ってるの? 頭の中、筋肉で出来てるんじゃないの?」


「マリー様。ロッシュウ様は『技巧』では無く『奇行』のご加護を持ってるお方ですから! 本当に尊い方です! クッククク」



――!? レ、レイニーさん、今さらっと酷いこと言いませんでしたか?



「そうです。レイニーさんの言う通りです。きっと、ロッシュウ様は『奇行の神』に愛されておられるのでしょうね。クッククク」



――!? レ、レーニャさんまで何事も無かったように…… しれっと酷いこと言うじゃあーりませんか?



「そうね。二人の言う通りね。もう、これは奇行の神のご加護だからしょうがないわね。クッククク」



――!? トドメは邪悪の五神の総帥マリー様のご発言! 人はここまで残虐になれるのだろうか? そして、最後には素敵な微笑み(クッククク)まで……



『テメェー等に慈悲の心は無いのかァァァアーー!! テメェー等の血は何色だァァァア!!』と叫んであげたい!



――よく考えてみたら、最初からコイツらに慈悲の心なんて無かっわ……


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