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第103話 第三王子はマリーの秘密を聞く!

みんなから離れた場所で反省会を正座で受けている「シュウ」です。受けている? 受けているのです! 反省会という名のドギツイ説教を! ――ガクガクブルブル!!




僕は(おとこ)の密約として、サムソンさんの名前は言わなかった。エライだろ~!


やっとのことで恐怖の反省会(せっきょう)も終わりみんなのところへ戻ってきました。もう、すでに宴会が始まっていた。


僕たちは座る席を探しているとレイニーが手を振るのが見えた。そのテーブルには、マリー、ソフィアちゃん、レーニャニさん、レイニーがすでに座っていた。


レイニーが珍しく満面の笑顔で『ニコニコ』しながら、


「ロッシュウ様。エリス様との反省会お楽しみでしたね。マリー様とお待ちしてましたよ」



――レイニーさん。反省会ではなく説教会の誤りです。その事を知っていてその言動、まさに邪悪の根源(レイニー)



「エリス、待ってたわよ。さあ、ここに座って」


マリーは自分の隣にエリスを呼んだ。


「お待たせ、マリー。時間が掛かっちゃってごめんね」


「シュウの取組みが情けないから仕方ないけど反省会もほどほどにね」


「ええ、今度から気を付けるわ」



――みんなから僕たちの反省会がどう見ても単なる反省会ではないことは暗黙の了解みたいですね。男性陣は僕と目を合わせてくれません……



「――そうね。その方が良いわよ……」



――マリーから見ても僕が憐れな子羊に見えたんだろう…… 悲しいなぁ……



「エリス様は魔物さん用の日本酒でよろしかったですよね?」


「えっ! レイニーさん。私…… アルコール弱いから果汁水でお願いします」


「姫様! お体に何かあったんですか?レーニャにお見せください!」


ソフィアちゃんの隣にいたレーニャさんが慌てた様子でエリスに聞いた。


「レーニャ、大丈夫よ。どこも悪いところなんてないから」


「いいえ、姫様がお酒をお飲みにならないとは一大事! 具合が悪いに決まっております!」


「エリス姉様、大丈夫?」


ソフィアちゃんも心配そうにエリスの顔を覗き込む。


「だ、大丈夫だから。じゃ、レーニャ。ビールを一杯だけお願い」


「一杯とは言わず何杯でも、それなら酒樽でも持ってきますか?」


「………………」


エリスが恥ずかしそうに下を向いて黙り込んでしまった。



――エリスはどうしたんだ?



「マリー様。コップが空になってますよ。今、おつぎいたしますね」


レイニーさんはマリーのコップにビールを注いでいた。


「ありがとう。レイニーさん」


「いえ、当然のことでございます」


「シュウ兄様は、何も飲まないの?」



――誰も僕には何を飲むか聞いてくれないんですね…… ソフィアちゃんだけだよ。僕のこと心配してくれるのは……



僕はある疑問が浮かんだ。


「なあ、レイニー。最近、マリー仲が良いよな?」


「当然のことですよ。マリー様、レーニャさん、私で『林檎園の誓い』で義姉妹の盃を交わしました。」


「そうそう、レーニャさんとレイニーさんと私は義姉妹になったのよ」


「へっ? ガチで?」


「我ら生まれた日は違えども 死す時は同じ日同じ時を願わねぇ!」


「レ、レーニャさんは…… 願わないんですか?……」


「当たり前です。そもそもみんな寿命が違いますから」


「そ、そうなんですか……」


「それが、なにか?」


「何でもないです」



――これ以上、この悪魔たちに関わってはこちらの寿命が無くなってしまう…… 何か別の話題に変えないと……



「ねえ、マリー。最後の後方伸身二回宙返り二回ひねり下り凄かったけど、あんなこと出来るの?」



僕は、寿命が無くなる前にマリーへ『伸身新月面宙返り』について話題を変えた。



「ああ、あれね。ついに私の持っている最後の力が解放されたの」


「最後の力が解放?」


「そうよ。どうしても最後の加護の力が解放出来なかったのよ」


「加護の力???? 何それ、美味しいの?」


「美味しくはないわよぉ!! ああ、そういうことね。シュウ、どうして私が聖女と呼ばれているか知ってる?」


「おら、知らねぇ」



「……………………」



僕の返事にマリーは頭を抱え込んで項垂れていた……



――僕、何かしました?



「――あのね、シュウ。聖女というのは神から加護を授かった女性(ひと)を言うのよ。このお馬鹿さんは今の説明でわかる?」


「わかりました! で、マリーは何の加護をもらってるの?」


「過去の聖女様達は一神から一つの加護を授かったみたいだけど、私の場合はちょっと特殊みたいで五神の神々からそれぞれ一つづつ加護をさずかったわ」


「と言うことは全部で五つの加護があるってことだよね? それで、どんな加護?」


「聞きたいの?」


「是非!」


「そんなに?」


「お願いします」


「まあ、五つめ加護が解放出来たから気分も良いし、教えてあげるわ」


「ありがとうございます」


僕は、仏教て言うところの五体投地の礼を持って感謝を述べた。


「シュウ。何やってるの……」


「マリー様。ロッシュウ様は時々、アホな行動をするのでお気にさせれない方が良いですよ」


「そ、そうね。そう言われると…… 確かにアホよね」



――この三人に関わると、魂が消滅しそうです……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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