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第99話 第三王子は農村部へ行く!

「魔物より人間(レイニー)の方が恐い」と名言を残し、パトリックはパトリックで顔色がだんだん青白くなって、具合でも悪いのかと心配になる『シュウ』です。



二号生ご一行様は、農村部へと着きました。パトリックは僕の袖を離そうとはせず、震えている。正直、(おとこ)のゴリマッチョに袖を掴まれてもなんとも嬉しくはない…… 僕だって(おとこ)ですから! 


そして、女性陣はそんな僕たちのことを見てソワソワしている…… そのソワソワを止めてくれないだろうか? そんなことしてたら僕の(トラウマ)が解放されてしまう……




「姫様。よく来てくれたわね!」


「あっ! ビアンカさん、こんにちは」


「ビアンカさん。これ、みんなで食べてください」


マリーは、エリスの収納魔法の中から大量のお菓子を出してビアンカさんに渡していた。


「マリーちゃん、こんなにいっぱいもらって良いの?」


「ええ、ビアンカさんたちにはいっぱいお世話になったからそのお礼です!」


「ありがとうね、マリーちゃん! あの馬鹿たちも喜ぶわよ」


「ハハハハハハ」


マリーは笑っていた。マリーってそんな風に笑うんだなと普段とは違うマリーに気づいた……


「ところでみんなはどうしたの?」


エリスがサムソンさんたちが居ないのに気付き、ビアンカさんに聞いていた。


「ああ、あの馬鹿たちは、みんなを歓迎するだ!と言って、大広場で土俵を作ってわよ」


「本当ですか? 嬉しいなぁ! 私の約束覚えてくれてたんですね!」


マリーは嬉しそうに話していた。約束ってなんのことだろう?


僕たちはビアンカさんと共に土俵を作っている大広場まで向かった。


「なあ、マリー。約束って何を約束したんだ?」


「その事ね。私とバットがハルタンに来たときにバットの歓迎会で相撲大会をしたでしょ。秋場所の十五番勝負、覚えてる?」


「覚えてるよ。マリーでも一勝も出来なくて惨敗した大会だよね?」


「変なところだけは覚えてるいるのね」


「あんなに惨敗しているマリーを見たことがないからね」


「そうなのよ。何も出来ずに負け越しが決まったわ。負け越しと言うより全敗ね。あの時すごく悔しかったわ。それで、サムソンさんに今度、二号生のみんなと来た時は冬場所を開いて欲しい。必ず強くなって帰ってくるから。ってお願いしてたのよ」


「そんなことがあったんだ……」


「だから毎日のトレーニングに『シコ』と『テッポウ』それと『股割り』も取り入れているわ。私は硬い筋肉(ガチガチマッチョ)じゃなく、しなやかな筋肉(スモウレスラー)を手に入れたわ。あと、横綱エリスから相撲のなんたるかも教えてもらってるわ」


「マリーは本当に凄いんだな……」


「エリスに比べたら私は対したことはないわ。私にとってエリスは、親友であり、趣味のパートナー、そして、相撲の親方なのよ」


「エリス、凄いんだな」


「そうよ。エリスは凄いわ! シュウ。あなたもエルスを手放しちゃぁダメよ! いま流行りの婚約破棄系に走らないでね。もし、婚約破棄でもしたら私たちやハルタンの人たちに『ざまぁ』させられると思うから気を付けることね」


「ああ、わかってるよ。エリスは僕にとってかけがえのない女性(ひと)だからね」


「そう言ってくれると私も安心できるわ」


「このことに関しては任せておいてくれ。必ずエリスを幸せにするよ」


「じゃ、安心してエリスをお任せするわ。頼りないけど……」


「最後にそれかぁ」


――この後、二人で笑いあった。




「ねぇ、シュウ君。マリーと何話してたの?」


「あっ!? エリス!」


急にエリスが僕たちのところへやって来た。


「エリス。気になる?」


マリーがエリスをからかうように話しかけた。


「まあ、一応は婚約者だからね」


「安心しなさい。二人でエリスはすごいんだぞ!って話しをしてたのよ」


「私がすごい!?」


「ええ、そうよ。私にとって親友であり、趣味のパートナー、そして、相撲の親方で憧れの『横綱』って」


「――!? マリー! みんなの前で横綱って恥ずかしいから言わないでね! お願いだから絶対言わないでよ!」


「わかったわ。私からは言わないけど、サムソンさんたちがみんなに言うかも知れないわよ」


「いま、サムソンたちのところへ行って口止めしてきたわ。もし、しゃべった時は地獄のしごきが待ってるぞ!って、シュウ君も絶対言わないでね! 約束よ!」


「ああ、わかった。約束するよ」


「シュウ君が一番怪しいんだけど……」



エリスがジト目で僕の顔を覗き込む。


「安心して、僕はエリスを貶めることはしないよ。持ち上げてから貶める、誰か(レイニー)さんと違うよ」


「何を仰っているのですか? 私、レイニーはエリス様に対してのその様な事はしたことはございませんが?」


「レイニーさんも来たのね?」


「ハイ! エリス様のいるところレイニーありですので、只今、駆け付けた次第です」


「本当にレイニーさんは、エリス大好きなのね」


「ハイ! マリー様。エリス様は我が主人。この命尽きるまで忠誠を不動心でお誓いするお方ですから。あと王妃様とマリー様もですね」


「…………………」



――!? 僕と父上には忠誠を誓わないんですね。よくわかりました。しかし、父上はレイニーにはとことん甘いよな? 普通だったら即、処罰対象なのに、いつもなんだかんだ言って許すもんなぁ? まさか!? レイニーの人徳なのか? ヤツ(そこ)に人徳はあるんか? アイ○ル~

お読みいただき誠にありがとうございます。

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