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【ヒール】

……どうしよう、物凄く気まずい。


街までの森林を並んで歩く俺と少女……じゃなくて、ミゼル。


しかし会話は未だに発生しない。




1人でなら気兼ねなく進めるが……何故だろう、何か話さなきゃ行けないような感じがする。


そうは思うが、彼女にどう言った話をしていいか分からず、結果膠着状態が続いていた。




何か……さっきまでのくだりから話題になりそうなものはないだろうか。







「……本当にお前は何もしていないのか?」



「ほ、本当です!本当!!神に誓いますよ!!大事な商品を傷つける訳ないでしょう!?」



もし本当に神が居るならこいつには速攻天罰が下ってると思う。


そんな事を考えながら土下座をして許しを乞う奴隷商人を見下ろす。



あの後


「クソ!!こうなったら実力行使だ!」


と飛びかかってきたが……



【バインド】というスキル(勿論レベルは最大)を試してみたらたちまち動かなくなった。





大方俺がGランク勇者と自称したことで油断したんだろう……全く愚かなものだ。





そして俺は、すっかり抵抗の意志をなくした商人に少女の傷について問い詰めた。



最も原因は既に分かりきっている様なものだった。


本人に元々嗜虐心が芽生えていたのか、はたまた酒による癇癪か。


一応、本人の口から聞いておこう。その位のつもりだったが……







何と、彼女自らが川に水を飲みに行ってる最中に足を滑らせて怪我をした、と男は言ったのだ。



無論初めは信じるつもりは微塵も無かった。



しかし話を聞いてみると……まあ、なんだ……確かに自分の商品を傷付ける商人は少ないだろう。



自身の精神状態の均衡を保てるかどうかという話にもなるが……もし奴が身に付けている指輪などが奴隷売買で儲けた金での物なら、そこらの線引きは一応きちんとしているのだと思う。





いや……別に微塵もいいことでは無いんだけどな、本当に。





そして俺は、ミゼルに対して今の話が本当かどうか聞いてみた。


男が拘束されていると分かったミゼルは、出会った時かは少しは落ち着いているように見えた。



「……」



黙って、ミゼルはこくんと頷く。


男はほらね、とでも言いたげなしたり顔を浮かべた。




……い、意外とドジな子なのか?







その後は今後奴隷の売買やその他諸々の非人道的行いを今後二度としないという事を条件に一先ず奴隷商人を解放した。


そしてその後は必然的に彼女を放って置く事は出来ない為、俺が街まで連れて行くことになったのだ。








さて、大まかにまとめるとこんな流れだったが……まあ、あの男との会話に関する事はは下手にミゼルを刺激しかねない。


しかしミゼル自体もほとんどなにも喋っていない為……やはり話題になりそうな物は……




唯一浮かぶ経験値トラップも……あんま広めたくはないしな。







あ、いや待てよ?




確か……俺のスキルにあった筈だ。





「ミゼル」



そう呼ぶと、彼女はぴたっと足を止めてこちらに振り向く。


俺の瞳をじっと見つめて……まるで人形の様に静かだった。




まあ、それはさておき……



何か笑い話……と言うよりかはまずは、出来ることをやっておく方がいいだろう。





「その転んだ傷っていうの……俺が治すよ」





【ヒール】……使ってみるか!

簡単な説明……っていうかネタバレかもしれませんが……


クラウドの使うレベルマックスの【ヒール】は、部位欠損すら瞬く間に治すことが可能です。





はい、めちゃくちゃチートですw

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