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ゾンビの価値観

「えぇ!?もう終わりなんですか!?」


「うーん……もう3ヶ月位はマグマに浸かっていたかったんですがねぇ……」


「でも、本当に楽しかったわね!」




……何だろう、思っていた反応と違う。








そう、俺は作戦が成功した事に舞い上がっていて気付いていなかったのだ。



ていうか……そもそもこの作戦を実行するにあたってどうしても避けられないものがある。





それはゾンビの犠牲だ。



最もゾンビ自体は死ぬ事は無い。仮に致死クラスのダメージを受けてもすぐにリスポーンするという特性がある。





しかし……よくよく思い返してみると悲鳴を上げていたのだ。







ちなみにもう1つ、ゾンビはある特性を持っている。





それは痛みを感じない、という物だ。





この特性があるからこそ、俺はこの作戦を実行の域にまで進めることが出来た。


いくら不死身とはいえ1ヶ月もマグマの中に居る苦しみを与え続けるのはさすがに……なぁ?


だが、痛みを感じないというなら……そこまで気兼ねすることも無い。




まあ正直……俺の感性も大分おかしいかもしれないな。





冷静に、何故3日の間悲鳴に違和感を感じなかったのだろうか。


もし本当に痛覚が遮断されているなら、悲鳴を上げる必要は無い筈なのに。




まあ……さっきも言った通り完全に俺は浮かれていたのだ。






そしてスキルを一通り確認した所でようやくそのことに気付き、慌ててゾンビ達を解放させた。


地盤の操作もマグマの撤去も、今の俺なら容易な事だ。





そして【翻訳Lv999】というスキルを使い、ゾンビと意思疎通を図った。


本当に何と言ったらいいか、どう謝ったら良いか、そんな事をずっと考えていた。






考えていた…………のだが。







「いやぁ〜それにしても我々の特性を利用して無限に経験値を稼ぐとは……何と優れた頭を持っているのでしょう!」


「それに痛覚を感じないという事まで利用するなんて……貴方様は実にお優しいのですね!」





思った以上に、ゾンビ達は友好的だったのだ。


俺の周りを取り囲んではしゃいだり、うんうんと唸っていたりしている。




どうやら彼等は……想像以上に優しい人(?)達のようだ。





そして、あの悲鳴についてなんだが……



「ウガアアアアアアアアアア!!!」



という叫びは、やべぇ!!苦しい!!助けてくれぇ!!という苦痛を訴える物などではなく……




うわぁ何だこれ!楽しい!!溶岩遊泳楽しい!!!という歓喜の表しだったらしい。







……うん。






「「「また遊びに来てくださいねー!!!」」」




ゾンビ達は揃ってぶんぶんと手を振りながら、洞穴を出ていく俺を見送ってくれた。


それに対して俺は……曖昧な苦笑いを返すことしか出来なかった。





……しかし、本当に予想以上に歓迎されたものだ。


あの中でずっと静かに暮らしていたら彼等からしたら、人との触れ合いは貴重な物なのだろうが……






溶岩の中で死にまくるのって、痛くないとはいえ……本当に楽しいのだろうか?





やっぱりその疑問だけが、どうにも胸から離れなかった。




次回はタグの一つにある、奴隷を回収しようと思います!


まあある程度どんなものかは予測出来ているとは思いますが……是非お楽しみください!

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