Ain't my Bitch
はーい皆さんこんにちは、私の名前はサクラ・チュルージョ。
故郷を離れ武者修行の旅に出てた私は、遠く離れたこの地、アサルセニアで、一人の冒険者に出会ったのです。
彼の名前はイングウェイ・リヒテンシュタインさん。若くてイケメンですが妙に手が早く、なんと、初対面の私の胸をいきなり揉みしだいたのです。ずっきゅん。
そんなケダモノのような彼ですが、最近なんだかおかしいの。私が話しかけるとわざとらしく逃げ出すし、冒険にも連れて行ってもらえません。
ええ、間違いありません、浮気です。
女遊びはできる殿方たちのたしなみとはいえ、これはサクラさん、許せません。
だって、だってですよ、私のことも愛してくれるならまだしも! 逃げ出すんですよ、あからさまに!
今回も彼は、依頼だと称して、レイチェルとともに旅に出たのです。
あ、レイチェルは私の友達ですね。彼女の武器は何といっても、そのバカでかい胸です。おっぱいです。
何ということでしょう。男はみんな、おっぱいのとりこ。
それは普段クールを気取るイングウェイさんとしても、例外ではないのです。
が、しかし、しかしですよ! 初対面で彼は私の胸を揉みしだいたのです、それはもう激しく、むにむにと。先っぽのぽっちにまで危うく触れかけて、私はもう脳みそが焼き切れんばかりにショート寸前だったというのに、なんということでしょう!
その後、レイチェルを紹介したのは、私自身。そうです、私は親友の彼氏に嫉妬するという、ちょっと昔のマーガレットあたりでやってそうなポジションに落ち着きかけているのです。
ということで、私は彼の後をこっそりと追いかけることにしました。
ええ、これは嫉妬ではありません。彼が親友であるレイチェルとくっつくのなら、祝福もしてあげましょう。しかし、これは嫉妬ではありません。
そうですねー、言うならば確認というか? ほら、男ってどうしてもぶりっことか好きじゃないですか。レイチェルってちょっとだらしないところもあるというか、そういうところがどうしても無意識のうちに男を誘うような仕草?をするんですよ。だからほら、勘違いみたいなところって誰でもしやすくて、すっごくもうほら、しょうがないなあって言えればいいんですけど、何かちょっとくっついてていい雰囲気になって、ねえ、男の人ってがまんできないでしょ? レイチェルもほら、受け入れるとかじゃないけど、女の子ってどうしても流されることってあるし、だから、その、ね。まあ、きっかけってあるから、付き合い始めることもあるかもしれないし。私、別に一人にしぼらなくてもいいと思ってるんです、私の事も好きでいてくれたら。それでいて、一番ならいいかなーって思うんですけど、人の気持ちってやっぱりどうにもならないことってあるじゃない? 勘違いとかそういうのなら許しちゃうんですけど、ほら、私も許しちゃうんですけど、はじめてにこだわってるわけでもないし、でもほら、ねえ。
ということで、愛刀モモフクを片手に飛び出したのです。
ええと、地図だけは持ってきました。あとは、少しのお金。なあに、問題ありません。旅先のご飯は、イノシシでもなんでも狩ればいいんですから。




