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「卒業おめでとう」


「うん! ありがと!」


今日は彼女、優子の大学の卒業式。

同棲してから、早くも3年の月日が過ぎた。


「今日は何食べたい? なんでもいいよ、ご馳走するから」


「何にしよっかなぁー、」


今日は記念すべき日だからね、好きなものをご馳走したい。


「んーマサ君と一緒だったらなんでもいい」


困った返答、けれど彼女の好みはこの数年で把握している。


「お肉かパスタかだね」


「うん!」


こうして記念すべき日は思い切り笑って、そして嬉しさの余りに泣いた。

今まで色々なことがあったけれど、互いに互いが支え合って頑張ってきたものだ。




それから約半年。


「今日はなに食べたい?」


「んー優子の手料理」


今日も記念すべき日だからね、どっちかというと俺は家で優子と二人ゆっくりしていたい。


「それじゃあ……パスタ作ってあげる」


「そしたら俺はケーキ焼く」


と互いに笑い合い、一緒に買い物に出かける。


出会ってから約6年、今日、優子は、晴れて渋谷優子となった。

今まで辛いこともたくさんあったけれど、この日のために支え合ってきたと言っても過言ではないだろう。


帰宅後、一緒にキッチンヘ。

彼女はエプロン姿で料理を作っている。


その姿を見ていると無性にちょっかいをかけたくなる。


試しに横腹をツンツンしてみる。


「もうっ、くすぐったい!」


「いいじゃないか、減るものじゃないし」


耳に息を吹きかけてみる


「だーから、くすぐったいってば!」


「いいじゃないか、減るものじゃないし」


「もう……っ―――」


不意に抱きしめる。

両手に感じる暖かさ、そして俺と同じシャンプーを使っているにも関わらず。

女の子だなと感じさせる匂い。


「ちょっとだけだよ……ほら、料理焦げちゃうから」


「うん……」


そうして家族になったという彼女の温もりをハグで堪能した後

俺はケーキ作りに戻る。


食後、同じソファの上に座り、彼女は俺の方に頭を預けてくる。


「色々……あったね」


「うん……色々あった」


思い返せば思い返す程膨大な思いでが俺の頭を駆け巡る。

出会った時、初めて手を繋いだ時、初めてのデート。

ルミナリエを見に行った時の笑顔。

海で書いた記念日の年が間違っていたこと。


俺の家族や優子の家族。


それにこれから先の事。


「全部共有していくんだもんな」


「えぇ、全部だよ」


「愛してるよ」


「ずっと愛してね」


手を繋ぎ、ゆっくりと進む時間の中、想い出を語り合う。

そして笑い合う。


こうしてずっと、


ずーっと幸せな日々が続いていきますように。


子供を作って、家を建てて、


おじさんおばさんになっても。


おじいさんおばあさんになっても。


二人寄り添って。


なんてことがあったかもしれない。

君は今、幸せですか?

人の考えは100%は読めないものです。

そして人は互いの思っていることが必ずしも一致するとは限りません。

だからこそ、相手を知ろうとする努力は欠かすべきではありません。


相手が何を思っているかわからないと思っている方、直球に聞いてみてはいかがでしょうか?


相手の仕事の愚痴が聞いてあげててよくわからないという方、自分の意見を口にしてはどうでしょうか?


そうやって互いを知っていき、この先もずっと一緒に居たい。

と思った方が居るあなた。


そういうパートナーを大切にしてはいかがでしょうか?


この物語はこれにて完結です。

お読みいただいた方、短い間でしたが本当にありがとうございました。

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