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Watch ~監視者~  作者:
「精霊の迷宮」
49/98

<十二>

短めですが投稿。

 「どういうことよ、これは。」

 そう言ったのはケイトだったが、全員の気持ちでもあった。

 入口が無くなっていた。

 閉じていたのではない。

 入り口があったはずの場所が壁になっていたのだ。

 「場所は間違っていない。」

 ファーサイトが一応答える。

 「そんなことは私だって分かる。どうなってるの、シィン!」

 「どうしてかは分からん、が…。」

 「が?」

 「何時なったのかは分かる。」

 「どういうことですか?」

 「さっき俺が異常を感じた時だ。あの時に閉じたのだと思う。」

 「何でそれが分かるんだ?」

 「多分だが、不死者用の結界が閉じた。」

 そして自分の推論を語り始めた。

 自分と他の者の違いが「転生者」か否かということ、これはおそらく魂に関係する呪いであること、そしてそれをかけたのが「不死者」であること…。

 「つまり、俺は半分『不死者』扱いなんだろう。」   

 そう言ったシィンにケイトが、

 「それは分かったけど、この後…。」

 と話しかけた時に、別の声がした。

 「…ここは?」

 どうやら救い出した娘が気が付いたらしい。

 取りあえず気が付いた娘の対応を先にすることにした。


 「貴方、名前は?」

 「…ディー。」

 「そう、私はケイト。ここにいるのは私の仲間よ。」

 「そう…。」

 ケイトと受け答えをする様子を見ながらシャリーは

 (まだ状況が把握できていない…?質問は後回しにした方が良いかも…。)

 と考えていた。辛い質問は彼女を傷つけるかも知れない。

 その想いをぶちこわしにする声が響いた。

 「お前の仲間はどうした?」

 シィンがいきなり聞いた。

 思わずシィンを睨んでしまう。

 「いつかは確かめなければならんことだ。」

 助けを求めるようにカイトを見たシャリーは、カイトが頷いているのを見て理解した。

 未だ危機は去っていない。

 というより自分たちは危機の真っ直中にいるのだ、ということを。

 甘い気遣いは全員を危機に導く。

 (そんな事はよく分かっている事なのに、どうかしていましたね。)

 入口が無くなっていたことに、知らず知らずに動転していたのだ。

 (私もまだ未熟ですね。)

 シャリーの内心はよそに、シィンが質問を重ねる。

 「後二人は居たはずだ。どうしたか分かるか?」

 その質問にディーは、

 「…ガナッシュ、…ザルツ、ホー…ランド、チェ、ル…シー?あ、ああっ、ああぁーっ!」

 仲間の名を呼び、両手で自分自身を抱きしめるようにして身を震わせた。そして声を上げて泣き叫び始めた。 

 その様子から残りの全員が覚った。

 「新しき星」は彼女以外、誰も残っていない。


 ディーの泣き声は、迷宮の廊下に虚しく吸い込まれていった。

 自分の泣き声を聞きながらディーは理解していた。

 もう、本当にあの仲間達は帰ってこないのだと。

 「還らずの迷宮」に飲み込まれてしまったのだと。

ディーのパーティ名の誤りを修正。

「新しき風」→「新しき星」

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