異世界で美少女エルフと会社を設立してイチャイチャしながら暮らしてます
なんやかんやあって異世界転生した俺は森でエルフの美少女に助けられ、二人で暮らすこととなった。
エルフの作る魔法の弓が非常に珍しいものであることに気づいた俺は、それを売る会社である“株式会社エルフ”を二人で設立した。
エルフ「やっと二人の会社ができましたね!」
俺「あぁ、この会社をもっと大きくして、幸せな生活を築こう!」
エルフ「はい!でも、どんなことをすればいいか全然わかりません…」
俺「まず、異世界東証一部に上場しよう」
エルフ「異世界にも東証あるんですね。東京はないのに。でも、そんなこと簡単にできるんですか?」
俺「簡単だよ。まずペーパーカンパニーを大量に作るんだ。異世界は監査がゆるいし、戸籍や住民票も適当だから偽装の名義で簡単に起業できる。もし様子を見て難しそうであれば、ホームレスや身寄りのない人間から戸籍を買うんだ。そうしたら、自社株式を未公開株として発行して、ペーパーカンパニーに買わせるんだ。そうすると実際には資産の変動はないのに株式だけが大きく変動するから『存在しない時価総額』が発生する」
エルフ「そ、それって違法じゃないんですか…?やめたほうが…」
俺「違法かもしれないけど、この世界は金融機関の捜査能力は低いし、金融に関する法整備も進んでいないから大丈夫だ。そもそも、こんな抜け道だらけの法整備で株式を国が主導することが間違ってるんだよ。一部の投資家はインサイダー取引や仮装売買を投資の手法として採用しているくらいで、それについて異世界金融庁はお咎めなし。この世界の株式はすぐに崩壊するから、その前に取れるだけ取らないと」
エルフ「そ、そうですね…!で、でも、私は俺さんと一緒に暮らせれば、お金なんて沢山なくても平気ですよ?」
俺「違うよ。お金のためじゃない。二人で作ったこの会社を大切にしようってことだ。分かったら早速取り掛かろう」
エルフ「は、はい…」
その後俺とエルフは切磋琢磨し、様々な困難を乗り越えお互いをより理解していった。
エルフも俺の気持ちがわかってきたらしい。
いいことだ。
数カ月後。
俺「よし、予定通り大量のペーパーカンパニーを作って未公開株を譲渡した。これで表面上は株式会社だが、実際には株主は存在しない」
エルフ「それにしても566社も作るのは大変でしたね。一回の出産で200匹近い子供を生む知性を持ったドラゴン『ヴァンケル』の子供をすべて強制的に戸籍登録して互いに従業員および設立者として登録しましたからどうにかなりましたけど」
俺「そうだな。ドラゴンには戸籍が与えられるが人権はないから労働法に引っかかることもない。育てれば一つのつがいから200近い労働力も得ることができるし一石二鳥だな」
エルフ「知性があるというのも教育や洗脳ができていいですね。労働者としても使い勝手が良さそうです」
俺「発行株式数、株主数、粉飾決算による利益の偽装。上場の条件は揃ったから、申請してみたけどあっさり通過したよ。これで今後は公開株が発行できるからより多くの資金が集められる」
エルフ「次はどうしましょう?」
俺「同業者を潰そう。風説の流布を行って株価を暴落させて大量の空売りで儲けよう。そして、暴落した企業の株式をすべて買い取って大株主になり市場を独占するんだ」
エルフ「分かりました!同業者の武器屋や魔法道具屋が不利になるよう、原材料の運搬ルートを破壊したり不祥事を暴露します!」
数ヶ月後
エルフ「同業者の運搬ルートをテロリストに占拠させ、脱税を告発しました!」
俺「株価が大分下がってるな。セーリングクラッシュが起きてると見て間違いなさそうだ。ここからマージンコールで武器屋や魔法道具屋の株主は追証が発生して、殆どがポジションの強制決済になるだろう。相対的に株式会社エルフの株価は異様なほどの高騰をしている。」
エルフ「うちは配当も出しませんし、新規事業を立ち上げるわけでもないのでお金持ちですね!会社のお金は全て私財です!」
俺「そうしたら次は持株会社化しよう。正直エルフの魔法の弓なんて売っても金にならない。他の会社の株をどんどん買い取るんだ」
エルフ「確かに、こんな弓売るより馬鹿な投資家から毟り取ったほうが効率いいですよね!」
俺「投資家が見ているのはロウソク足の先端だけだからな。その会社が本当に経済を良くしているかなんて関係ないんだ。彼らは投資家なんてかっこいい名前がついているが、実際のところ民衆の顔色を窺ってふらふらと宛もなく売買しているだけ。古典経済学は人を合理的な存在だと言っているが、彼ら投資家の見ている合理性とは自分の手元だけだ」
エルフ「私、経済のことはよくわかりませんが、投資家ってなんだかムカつきます!誰かの不幸をお金にして私腹を肥やしているのに、会社を批判することは権利だと思ってるんです!」
俺「そう。だからこそ、後悔させてやろう」
数ヶ月後
エルフ「国内の主要企業殆どの株主になれました!」
俺「よし、やったな。株式会社エルフホールディングスグループの時価総額も122兆異世界円を超えた」
エルフ「この世の投資家の金は、すべて私達が握っているんですね!」
俺「そうだ。彼らの命はオレたちの手の中にある」
エルフ「早く後悔させてやりましょう!」
俺「あぁ、そうだな。手持ちの株をすべて売り払い、資材や設備も全て売払え。従業員の給与も税金も全て払わなくていい。どうせ従業員はドラゴンだ。金を持っていたって大した使い道はない」
エルフ「それに、幼少から働かせていましたしずっと監視していましたから、お金の価値についてもあまり理解してなさそうですしね!自分たちが何故働いているのかも分からず働くなんて、中々できることじゃありません!貴重な体験ですね!」
俺「そうしたら、全ての財産を持って海外から買った偽装パスポートと身分証で生活するぞ」
エルフ「はい!」
こうして合計200兆異世界円以上を手に入れた二人は、遠く離れた土地で幸せに暮らした。