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ライフ・アテンダント 人生の付添人  作者: アルシオーネM45
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第三十三章 第二部 逢い引きい?

〇藤咲 或人 パートタイムのフリー・ライター

愛凜(あいりん) ライフ・アテンダント/或人の遠い先祖

第三十三章 第二部 逢い引きい?


 「再来週の日曜日、駅通りの喫茶【あいびき】に午後三時で決まったわよ」

 風呂から帰って部屋に入るなり、愛凜が私に決定事項を告げた。

 「は? なにが?」

 「お見合いに決まっとるやろ。早い方が良かけん」

 「再来週の日曜日? あと二週間とちょっとじゃないか」

 「『再来週』だから当然でしょ。きらちゃんが愛乃ちゃんの事前情報を色々と教えてくれるそうだから、ちゃんと勉強して理論武装しておくように」

 「理論武装って、朝までナマ討論でもさせるのか?」

 「アルトのことも虚実交えて吹き込んどくそうだから、うまく調子を合わせて対応するように」

 「喫茶【あいびき】ってどこだ? あいびきってあの『逢い引き』か?」

 「さあ、きらちゃんがそう言ってたのをそのまま伝えているから、正式な店名も字も知らない」

 「そりゃあんた、【荒ら挽き】じゃないか? 古くからある喫茶店で、マスターのモットーが『コーヒーの豆は荒ら挽きに限る』が店名の由来のコーヒー専門店のことだ、きっと」

 「そう。なら多分そうじゃない。まあ大勢に影響はない」

 「今どき逢い引きとか、よくそんなムード歌謡ワードが出てくるよな。

 きらちゃんに『あんまり盛るな』って言っとかんと。福岡タワーを五分で登れるとか、円周率なら小数点以下一〇〇桁まで暗記しているとか、素数を二から一〇〇〇の間まで言えるとか」

 「わかったわかった。あとで連絡しとく」

 こいつは連絡する気ないな。自分でしかと伝えとこう。下手に上手を吹かれて期待値だけ上げれられてはたまったもんじゃない。

 できれば等身大の私を見て判断してほしいものだ。お見合いだから仕方ないが、人が、じゃなくて意識体が間に入ると客観的人物判断は不可能だ。自分が推す人物は盛りたいのが人情である。

 きらちゃんのことだから、その辺は上手く話してくれるだろうが。

 もしも愛凜が私のPR係だったら……想像するだに恐ろしい。


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