下町とタワーマンション
わたしは今、タワーマンションの28階に住んでいる。
マンションは都心にある。
わたしの妻は、下町で育った。毎週末、わたしは妻の実家に行く。
わたしは妻の実家が好きだ。
路地に猫がたくさんいて、わたしが毎週土曜日の昼に、食べ残しや魚の骨をあげるので、最近ではわたしの顔を見ると数匹が集まる。大きなバナナの木と、ジャックフルーツの木があって、その木陰で休んで、お茶を飲んでいたら、猫が集まる。
そうすると、猫と遊びたい近所の子供が集まってきて、賑やかになる。ちょうど通りがかったパンの行商に、近所の人が集まってきて、それぞれ挨拶する。気が合う人は、近くの椅子に腰掛けて、一緒に話す。話題はバイク修理の話題が最近多い気がする。
タワーマンションはきれいだ。でも、わたしはあまり好きじゃない。
何でも便利だが、もっと人と会話したい。下町で助け合いながら暮らす。物乞いが来たら、お金を2000ルピアあげる。その方が心が豊かだ。
わたしには、最近、夢ができた。高校生のときは夢があった。でも、そのあとは夢なんてなかったように思う。夢も希望も日本にいたときはなかった。
最近できた夢。先日、婚約したが、妻とゆっくり暮らしたい。
まず、いまある貯金で駐車場を買う。駐車場を買ったら、次は家を買いたい。場所は都心から少し離れた下町がいい。それまでは一所懸命働く。そのあとは、駐車場を持ちつつ、オンラインで英語講師がしたい。やっぱり、英語が好きだ。ゆっくり、下町で。賑やかに助け合いながら暮らしたい。
助け合いながら暮らすと、心が豊かになる。そうすると元気になって、優しくなる。お金だけがあってもダメだし、お金を貯めようと倹しい生活をしても、苦しいだけだった。
わたしは嫌いな言葉がある。人に迷惑をかけないという言葉が大嫌いだ。わたしは人に迷惑をかけたい。困ったら助けてほしいと言う。そうすれば、助けてもらえる。誰かに助けてもらうと、他の人を助けたくなる。頼まれたら、いいよとすぐに請け負える。助けるサイクルができて、交流が生まれて、心が豊かになって、生きる不安がなくなる。
アラーの神は人は平等だと言う。わたしはケチだった。でも人に助けられて、他の人を助けるようになった。物乞いが来たら、お金を少しあげるようになった。人は平等なのだから、助けられたり、迷惑をかけるのは当たり前だと思う。ムスリムになってよかった。
給料をもらったら、家族で貝を食べに行く。明日からまた頑張ろうか。パンを売ってる行商のおじさんに、給料入ったからイチゴ味のパン食べたいと言いたい。物乞いが来たら助けたい。その代わり、家族に買い出しを助けてもらったり、家に泊めてもらったり、近所の人にコーヒーをご馳走になったりしたい。また話したい。
下町が好きだ。




