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Grim Reパー 奴隷少女から始まる世界終焉物語  作者: 土屋アオ
プロローグ
1/5

幸せの始まりと終わり

 こちらは、没作品の超改良版になります。予めご了承ください。

・ストーリーの変更

・キャラクター設定の一部変更

・世界観の変更

 上記を行い、より面白い作品を目指しました。

 何卒、愛読をよろしくお願いします。


 田舎の村───カロッセル。自然が豊かで、夜には宝石をバラまいたような星空を見ることができる。そんな自然に溢れる村で私はおじいさんと二人で暮らしている。

 おじいさんは奴隷だった私に人としての心や感情を教えてくれた。それに毎日三食食べさせてくれて、子供は遊ぶのが一番と言い、自由気ままに遊ばせてもくれた。

 もし、おじいさんと出逢わなれば、今の生活はなかったと思う。だからこそ、私はおじいさんに感謝してもしきれないでいた。


 ──そんなおじいさんと出逢ったのは3年ほど前のことだ。


 私は奴隷商人に捕まり、売り物として檻の中に閉じ込められていた。


「お願い……ここから出して……」

「こっから出たいなら、お前を飼ってくれるやつでも捕まえるんだな」


 ここに来て2年くらいが過ぎるが、私を飼ってくれる人は現れなかった。このまま私は売れず、死ぬんじゃないかと思っていた。

 やがて肌寒の季節がやってきた。私が奴隷商人に渡された毛布にくるまりながら寒さをしのいでいると、奥の方からガチャッと扉が開く音がした。


「奴隷を飼いたいんだが、まだ居るか?」

「季節も季節だから、もう売れ残りしか居ないが、夏になればまた、いい奴隷を準備できるぞ」

「売れ残りでもいい、案内してくれ」

「本当にいいのか?」

「あぁ、頼む」


 店に来たおじいさんは店の中を見て回っている。すると、自分の目前で止まり、じっくりと私を見ている。


「この娘にしよう」

「この奴隷は病気を持っていて、あまりおすすめはできないが」

「構わない、手続きを頼む」

「お買い上げでいいんだな」

「あぁ」


 檻の中で毛布にくるまっている私を見て「よかったな、お前の願いが叶って。これから元気に暮らせよ」と言っておじいさんと契約の手続きをしに行った。


 まるで今までのことが嘘かのように、優しい言葉だった。でも、今思えば、毎日一食は食べさせてもらって、特に酷いことをされた訳でもなかった。

 奴隷商人の言葉を思い返していると、契約の手続きを終えたおじいさんがやって来て、私たちは奴隷商店をあとにし、おじいさんの住む村へと向かった。

 

 紅葉の絨毯(じゅうたん)をしばらく歩き、おじいさんの住む村に着くと、そこには懐古(レトロ)な家があり、家のすぐそこには水車小屋があった。外は肌寒く、おじいさんの家で暖を取っていると、椅子に腰をかけていたおじいさんからこんなことを聞かれる。


「ここに来て不安はないかい?」


 私は、正直に「少しはあります」とだけ答えた。それからおじいさんは「そうか」と言い、椅子から立ち上がって、どこかへ行ってしまった。その日の夜──おじいさんは大きな魚籠(びく)いっぱいの魚を持って、帰ってきた。


「今夜はご馳走にしよう」


 おじいさんはにっこりと微笑んで私に言った。

 やがて、ご馳走の準備が終わると、食卓には豪華な料理が並べられていた。


「さぁ、お食べ」

「……んっ………」

 

 私は手を合わせて小さく「いただきます」と言って、橋を持ち、並べられているご馳走を食べる。


「おいしい……」


 魚には脂がのっていて、ぷりぷりしててご飯が進む。他にも野菜で彩られていて、テーブルの真ん中にある二人分の鍋には具沢山のトマトスープが入っていた。


「喜んでいるようで何よりだよ」


 おじいさんは美味しく食べる私を見て嬉しそうにしていた。やがて食事が終わると、おじいさんは私をお風呂に入れて、歯磨きをさせ、ベットに横にならせ、子守唄を歌って寝かしつけてくれた。


「すぅっ……………すぅっ………」

「きっと君を幸せにしてみせるよ」


 次の朝、おじいさんは椅子に腰をかけ、新聞を読みながらコーヒーを(たしな)んでいた。それから私の存在に気づくと「おはよう」と軽く微笑んで私を迎えてくれた。


 おじいさんは「お腹がすいているだろう」と言って、読んでいた新聞とコーヒーをテーブルに置き、椅子から立ち上がり、厨房へと歩いて行った。

 私はリビングにある長椅子に背をあずけて、懐古(レトロ)な時計を見ながら待っていた。時計の針が一分、また一分と過ぎてゆく、やがて時計の長い針が十回ほど動いた頃、おじいさんが料理を持って出てきた。


「それじゃあ、食事の時間にしようか」


 私とおじいさんは昨日の夜のように食卓を囲み、朝食を食べていた。二人が半分食べ終えた頃、おじいさんは食べる手を止めた。


「………どうしたんですか?おじいさん」

「名前が……欲しくないか?ずっと名前が無いのも不便だろう」


 私はそれを聞いた瞬間、勢いよく首を上下に振った。

 名前──私は生まれた時から、両親や他人から『お前』、『君』などで名前で呼ばれたことは無かった。だから、私にとって、名前は憧れだった。

 勢いよく首を上下させる私を見て、「そうかそうか」と言い、おじいさんは手を顎に当てて思案している。

 やがておじいさんは何か思いついたよう顔で私を見る。


「フローリア………なんてどうだ?これからの未来を花のように咲かせてほしいという願いからだ」

「フローリア──すごくいい名前、私、フローリア、フローリアがいい!」


 ダンッと興奮して思わず立ち上がってしまった。


「そうか気に入ってくれたか、それじゃあ、今日から君の名前はフローリアだ」

「うん!」


 私は嬉しくてニヤニヤが止まらなかった。


 ───それから数日


 私はおじいさんと楽しい日々を過ごしていた。


「フローリア、今日はお散歩に行こうか」

      

「今日は魚を釣りに行くかい?」


「フローリア──」


 おじいさんとお散歩に行って、魚を釣ったりして、それからも楽しい毎日を送っていた。


 ──そして現在。


 外の景色は白になり、私とおじいさんは暖炉を焚いて、テーブルゲームをして遊んでいた。


「またわたしの勝ちだね」

「うぅ………もう1回!!」

「はっはっは、フローリアは負けず嫌いだね」

「〜〜〜〜〜はやくやるよ!!」

「これで最後だぞ」


 こうして今も昔と変わらず、おじいさんに甘えていた。

 おじいさんと最後のゲームをしていると、おじいさんの顔が急に険しくなった。


「フローリア、悪いがゲームはここまでだ。」


 急におじいさんはそんなことを言い出し、顔に焦りの色を浮かべていた。


「どうしたの?」

「説明している時間は無い、はやくこの中に隠れなさい」


 おじいさんはそう言って、テーブルの下に指を指す。私はその指を追うようにテーブルの下を見た。すると、床の扉が開いていて、目前には大人一人入れるぐらいの空間があった。


「私、この中に入るの?」

「頼む、お前さんを守るためなんだ」


 私は何が何だか分からないまま、おじいさんの言う通りにテーブル下の空間へと入った。


「ありがとうフローリア、ここはわたしが開けていいと言うまで開けてはダメだよ。約束できるね?」

「分かった。約束は絶対守る」

「いい子だ──それじゃあ閉めるよ」


 最後におじいさんは私の頭を撫でて、ゆっくりと扉を閉めた。


 ──そして数秒後、家中に轟音が鳴り響いた。

 

「貴様を殺す」

「来たか、神殺しの愚者どもめ」

「神なんか紛いものだ、この世界に必要ない」

「救いようがないな、神がいるからこそ世界秩序が守られているのだ──『(ライトニング)(ストライク)』!!」

「無駄なあがきはよせ──『神盾(イージス)』」


 神盾を使えるのか、これでは全ての技が防がれてしまうだろう。長時間の戦いはフローリアの存在がバレてしまうかもしれん。なら、自分を犠牲にしてフローリアを守る。


「禁忌!『終焉(ジ・エンド)』!」


 敵の首が一瞬にして落ちる。しかし、禁忌の反動で自分自身の身体中から血が噴き出す。


「ぐっ…………!!」


 大量に出血し、床に倒れ込む。そして最後の力を振り絞って、フローリアがいるテーブル下の床を叩く。


「フローリア、もう……大丈夫だ、出てきてもいいぞ」


 そう言い終えた瞬間、床の扉が勢いよく開き、中からフローリアが飛び出してきた。


「おじいさん!」

「すまんね、フローリア、わたしの力不足だ。もうじき、わたしは死ぬ。だから、わたしの願いを聞いてくれないか?」

「そんな事言わないでよ!もっともっと、おじいさんとやりたい事が沢山……」


 フローリアから涙が零れ落ちる。


「いいかい?フローリア、人には必ず死が訪れるんだ、わたしはそれが少し早くなっただけだよ。だからフローリアが悲しまなくていいんだよ」

「でも………でも…………」

「頼む、フローリア、お願いを聞いてくれ、わたしにはもう時間がないんだ」

「わ……分かった、お願いって……何?おじいさん」

「わたしがいなくても一人の人間として強く生きてくれ………」


 最後の願いを言ったおじいさんの目にはもう光は宿っていなかった。私に幸せをくれたおじいさんはもういない。私の幸せな生活はもうないんだ。私から幸せを奪ったこの世界を許さない、許せる訳がない、優しいおじいさんがいない世界なんかつまらない。


「こんな世界、終わってしまえ」


「面白いことを言うお嬢さんだね。俺、気に入ったよ」


 背後からそんな男の人の声が聞こえた。













 



 


 

 


 読んでいただきありがとうございます。

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