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手塚シュガーシリーズ

自己中生物 手塚シュガー

作者: 珠呼

主な登場人物紹介


手塚シュガー (本名 手塚糖子)

自分勝手で自己中な考え方しかできない。クラスメイトから影で「ヤツ」や、「アレ」と呼ばれている。本人に向かっては糖子ちゃん。二人組ユニット「crystal color」のリーダー。担任に片思い中。

シュガーと呼ばれたい高校二年生。



佐藤ショコラ(本名 佐藤運子)→運子と書いてめぐこと読む。

糖子と友達。二人組ユニット「crystal color」のメンバー。糖子の自己中を諌めることが出来る偉大な人物だったが、デビューしてからは糖子が言うことを聞かなくなった。

世界一スカートが短い高校生として友達とテレビに出た事がある。



マネージャー

crystal colorを嫌々見守る謎のマネージャー。異世界の記憶を持っていたが、シュガーに消された。



crystal color

糖子と運子の属するユニット名。

元々はもっと大きなグループでデビューするはずだったが、二人が常識を持っていないため二人組ユニットとしてのデビューになった。

デビュー曲は、「こっちくればいいのに」


────────────────────────


今日初めて出会ったデビュー前のアイドルユニットcrystal colorの手塚糖子ちゃん。

なんというかとても………変わっている?


デビューするにあたって芸名を伝えれば

「シュガーですかぁ?本名じゃだめなんですかぁぁ?」

などと言うし、差し入れが少ないと言う。差し入れの質にもこだわる割に味にはこだわらない。味音痴なのだ。

「糖子だと、crystal colorのイメージに合ってないんだよ。めぐちゃんもショコラになるしどうしても糖子が良いっていうんだったら、この話は無かった事にしてもらうけど……」

シュガーは、やっと自分が我儘を言っていることに気がついた。

「はぁっ、もうシュガーでいいです」

とても大きなため息。

私はこの自己中心的思考の女、手塚シュガーの三人目のマネージャーだ。

前のふたりは気を病んで辞めた。

私だって辞めたいよ。やめたら次の仕事が見つからないからやってるだけで(給料いいのもあるけど)なんでこの子をデビューさせたいんだか分からない。

「明日からは振り付けと歌の合同練習が始まるんですけど大丈夫ですか?歌覚えましたか?」

彼女は変な顔で私を睨む。

「まあまあかなぁ、ちょっとだけわかんないところあるんですけどぉぉ、部活で忙しくて覚えられなかったでぇす」

呆れた。前任者が歌詞カードとCDを二週間前には配っていたのに。

嫌な予感。あれ、歌苦手ってさっき言ってたよね、自己紹介の練習で。

「糖子ちゃん、ちょっと「こっちくればいいのに」をサビだけでいいから歌ってくれる?」

そう言ってCDをかける。

♪ ♪ ♪ ♪

シャララララーン

「ちょっと、屈んでくれる~? ワンツースリーフォーー」

踊りはまあまあだ。手と足の動きが全部違うけど。

「みっえーないーなっら~、こっちくればいいのに~ なーんで~こっちに来ないのよー? ラ ラ ラ こっちーにっ、くーればいーいのに~」

そこで私はCDを止めた。

もう、聞いてられない。音程が酷すぎる。

「ほんっとーうはー、わーたしのーことー 大好きなんでしょ~!告白っしー………え??なんで止めるんですか?」

「音程が違う!それと踊りがおかしいわ!よく動画みて練習してきなさい!めぐちゃんに負けてるわよ!」

最悪だ。こんなんでデビューできるんだろうか。というか、売れるのか?


「あなた、私を覚えてるの?消してあげるねぇ。」そう言って私の額に手をかざした。

私の大事な記憶はシュガーに消された。


──────────────────────


私はめぐちゃんのマネージャーをしております。

めぐちゃんと一緒にデビューする予定の糖子ちゃん、もといシュガーちゃんと違い、めぐちゃんはテレビに出た事があるのです。

本当はあと一人crystal colorに入る子がいるらしいです。まだ知らされていませんが。

アイドルだから恋愛禁止です。まあ片想いはバレなければ良いとは思いますが。

シュガーちゃんは、好きな人がいるそうで露骨なアピールが目立ちますが……。めぐちゃんはその点信用できます。

ちなみに二人は同じ学校だそうです。


「おはようございます」

無表情でめぐちゃんが入ってきました。

「おはよう、めぐちゃん。振り付けと歌覚えた?今日合わせる予定だけど」

夜遅くまで練習しているのは知っているけど一応聞く。

「覚えました。合わせても大丈夫です」

良かった。着替えてレッスン室に向かう。

シュガーちゃんは差し入れを食べながらパックの牛乳を飲んでいた。シュガーちゃんは食べるとき舌を出してから口に入れるくせがある。

そして人参のグラッセが大好物だ。

「レッスン始めます。よろしくお願いします」

今日は、講師の先生が来て教えてくれる日だ。

赤飯先生は、少しふくよかだが、実力は無い訳では無い。

一度目。

「ーーなーんで~こっちに来ないのよー? ラ ラ ラ こっちーにっ」

シュガーちゃんずれてる。

「はーい、ストーップ。シュガー、あなた練習しているの?今日は、途中から一緒にデビューする姉妹グループのHoney&lotusが来るのよ?分かってる!?音も外れててダンスもできてない、歌も間違ってる!ショコラは出来てるわよ!」

「部活が忙しくて出来ませんでした」

言い訳しすぎ。

ショコラが可哀想。


───────────────────────


私はめぐこ……ではなく。

佐藤ショコラです。ショコラたんって呼んでね。

自己紹介の練習も、ダンスも歌もボイストレーニングも頑張った。

デビューするのが夢だったから。


なのに何?あの子。シュガーだっけ?

高校1年生の時同じクラスだった子だ。姉が昭子で妹が稲子って名前らしい。徳田さんって言う友達といつもくっついてた。その子は不登校になった。

シュガーのせいで。

正直言って、可愛くない。顔も性格も。

何故か親の権力が何かを使ってるんじゃないかって思う。


今日は、歌とダンスを初めて合わせた。シュガー下手すぎる。部活を言い訳にした。

帰宅部って何活動してるんだろう。帰宅部だよ?帰宅部。


一日中食べてるってぐらいずっと食べてるし。


Honey&lotusのメンバーが来た。やっと二人っきりが終わるよ。

Honey&lotusは十二人組のグループだ。みんな可愛い。挨拶してから、イベントで一緒に歌う曲をパソコンで見ることになった。

シュガーは背が高いのに前を陣取ったせいで見えなくて、

「みえないからちょっとだけしゃがんでくれる?」と聞いた。



そしたら


さも当然かのように





「んぇ?みえないなら、こっちくればいいじゃん」


と、言い放った。









これは、あの有名なマリー・アントワネットが本当は言っていない「パンが無いならケーキを食べればいいじゃない」に似ているではないか。




こんなのと一緒にデビューして売れる気がしない。

この年になって異世界の記憶があるとか言ってるのも胡散臭いし。











誰か助けてください。


──────────────────────────

デビュー当日。


練習を真面目にしなかったシュガーだけが失敗して恥をかきましたとさ。





めでたしめでたし

あくまでフィクションです。


類似人物がいらっしゃる場合も、決して特定の人物では無いのをあらかじめご了承ください。

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