転校生
ぽかぽかとした春の日、俺はあたりのモンスターを一掃し、野原で昼寝をしていた。
「さて、そろそろ帰るか……」
「…ちゃん…お..て…、お兄ちゃん!」
「んー?どした?」
何か夢を見ていた気がする、とても懐かしいような、気持ちよかったような…まぁ、夢だからいいけど
「どした?じゃないわよ。今何時だと思ってるの?私はもう学校行くからね。朝ごはんはテーブルに置いてるから、早く食べないとちこくしちゃうよ?」
「何言ってんだ春菜、今週は三連休だろ?」
「それ来週!しっかりしてよ!もう7時50分だよ!」
「う、嘘だろ!?やべ!今すぐ家でねぇと間に合わねぇかも…」
「じゃね。陽子ちゃん来てるからもう行くねお兄ちゃんも早く行きなよ。行ってきまーす」
「8時5分までに出れば間に合うか?大丈夫かな?
自転車で駅まで行けばギリギリ間に合うな、よし、ここからは電車との勝負だ!」
「ふー、なんとか間に合った」
俺が教室に着いたのと同時にチャイムが鳴り、俺は急いで席に着いた
「よお拓、遅かったじゃん。」
「ちょっと寝坊して…」
「へぇー、じゃあ朝ごはん食ってねぇんじゃないか?このおにぎり一個やるよ。」
「お、いいのか?サンキュー」
「ん!?」
その瞬間、俺は気絶しそうになった。こんなにうまいおにぎりを食ったことがなかったからだ。
ご飯と鮭がとてもいい! 舌の上で見事に絡み合うハーモニーだ!これ店に出したら600円でも売れるんじゃねか?とか思いつつ俺は夢中にかぶりついた。
「はー、うまかったー!ありがとな哲、…そういえばお前これ昼飯じゃなかったのか」
冷静になって考えてみるとこいつがおにぎりを持っているのはそれは昼飯だからじゃないのか、だとしたら謝らなぇといけないな
「あー、それ俺の朝飯の残り、母さんが朝から作りすぎちゃって昼に食べようと思って持ってきたんだよ。大量にあるから一個くらいなんでもないぜ!」
哲が見せた袋の中にはそれはもう大量のおにぎりがあった
「それを全部一人で食うのか?」
俺は2つ疑問に思った。1つ目は、こいつこんなに食べられるのか?で、2つ目は哲の母ちゃん朝から作りすぎだろ、どうやってこんなに作るんだよ?と、思ったことだ
「いや、俺一人じゃ多すぎるからみんなにおすそ分けしようと思って」
じゃあ少し図々しいかもしれないが昼に一個俺にもくれよ、と頼もうとした
「じゃあさ、俺にも…」
そこまで言った瞬間先生が勢いよく扉を開けて入ってきた。この先生は大沢先生、俺のクラスの担任だ
「今日はみんなに大事な話がある。入れ、上野」
その時、クラスの男子の半数以上が声をあげた
そう、彼女はとても美人なのだ
とても白くて綺麗な肌、綺麗な青色の瞳、細くすらっとした足、全てが最高だった
「はじめまして、上野輝夜です皆さんこれからよろしくお願いします。」
「かぐやちゃんか〜」
この時の男子はとても怖かった。みんなが小声で彼女の名前を言ったのだ。
「上野、そこの空いてる席に座ってくれ」
「はい、先生」
おいおい、先生まで見惚れてんじゃんか。先生は駄目だろ、とか思っていたら俺の隣の席が空席のことに気づいた。
「も、もしかして…」
その時、俺の隣に超絶美少女が座り、男子の羨ましがる目が一斉に俺に向けられた
「えーっと、君名前なんていうの?」
「お、俺?俺は光流技拓也。よろしく上野。わからないことがあればなんでも聞けよ。」
「うん、ありがとう!」
「…うっ/////」
・・・果たして俺の心臓は持つのだろうか