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ここはどこですか?

 美味しい食事を終え、先ずは状況を整理しようと思い、質問した。


 「ここってどこですか?」


 今朝、自分を叩き起こした男が怪訝そうな顔をしながらこちらをまじまじと見つめる。

 この視線がとても刺さる。

 これから色々質問をするの嫌だな……


 「ここは備前でここらは宇喜多直家様が支配している……いきなりどうした?お前、頭がおかしいんじゃないか?」


 何この人!いきなり強烈な悪口を言われてるんだけど!

 なぜここまで精神的にくるのか……

 多分、悪意が全くないからだろう。


 それよりも備前って岡山のことだよな?

 宇喜多直家って聞いたことあるけど確か戦国時代の人だよな?

 と、とんでもないことになってきたが次の質問にいこう。




 「あなたは誰ですか?」


 うん。我ながら頭の悪い質問だ……

 中学生レベルの英語の翻訳をしているようだ。

 だんだん恥ずかしくなってきた……


 「はぁ……とうとう頭がいかれちまったらしいな」


 この冷めた視線辞めていただけませんか!

 更に人を小馬鹿にした口調に腹が立つ。

 

 「俺の名前は魚屋九郎右衛門なやくろううえもんお前は俺の養子になった弥九郎やくろうだ」


 自分は本当に別人になってるのか……

 この人の養子になっているということは本当の親は他にいると言うことか。

 まぁこれだけ大きな家だしこれはこれで有難いか。


 


 「では自分の本当の親は誰ですか?」


 「お前本当に大丈夫か?」


 凄く心配されているな。

 同じ家に暮らす同居人がある日いきなりこんなことを聞いてきたら勿論驚くだろう……

 自分がこの状況になったら……取り敢えず精神科医を紹介するだろう。


 「お前の親父は小西隆佐こにしりゅうさ、堺で薬種商をしている。ちなみに俺は呉服屋だ」


 この時代に堺で商人をしているということは多分豪商と呼ばれるやつだろう。

 ここも十分凄いが……


 


 「お前の馬鹿な話に付き合ってる暇はない!早く仕事に取り掛かりぞ」


 自分にとっては大切な質問なのに馬鹿な話と一蹴しやがった!

 絶対許さん!

 とは思ったが仕事って何だ?


 「今日は弥九郎に宇喜多家に行って商売をして貰おう」


 「いきなりそんなところに行って大丈夫ですか?死にませんか?」


 気が動転してしまって何故か棒読みになってしまった。

 この土地の権力者のところに行って無事戻って来れるかな……


 「何を言ってる?いつもの事だろうが!うちの呉服屋は宇喜多家のお抱えだからな。だが、決して粗相はするなよ」


 でかい家のお抱えって本当に凄いところだな!

 でも本当に大丈夫か?

 この時代の礼儀やマナーなんて知らないけど!


 「さぁこれを持って行った行った!」


 勢いよく家から追いやられた。

 本当に生きて帰れたらいいけど……

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