いとまきまき
まだ外はさむいよ。
川沿いを散歩するのはもう少し後にしようよ。
どうして君はいつもそんなに楽しそうなの?
僕もつられて笑ってしまうよ。
いきなり走ったら危ないよ。
前を向いて、急がないで。
はしゃいで背中を叩くの、思いのほか痛いよ。
もう少し手加減してほしいな。
突然いなくならないでね。だって女の子は信用できない。
確かに僕は君にそう言った。
でも、いつも一緒にいるって……こういうことなのかな。
うん、感謝してるよ。
嫌いになんてなってないよ。
(一度だって好きだと伝えたこともないよ)
僕はこのままでは、君に寄りかかり続けてしまう。
楽しいさ。でも、楽しいだけなんだ。
何かみつけたのかい。
綺麗な花だね。
自販機があるね。おごってあげるよ。
あれ、僕の分だけ買ってきてくれたんだね。
――ありがとう。
君が隣にいると、僕はまるでただの操り人形だ。
糸を切ったよ。これで対等だね。
春になったら散歩に行こう。
君が喜びそうな素敵な場所をみつけたんだ。