名ばかりの恋人との本当の恋
年齢制限がちょいとギリらいん?
かも知れない作品です。
ご注意を。
こんな恋なら今すぐに止めたいよ。
お金で買われた恋も当然だよね。
籠の外には出られないからしょうがないけど。
こんな人生は嫌だ。
君と名ばかりの「恋人」になれるのは一夜だけ。
私ってなんだろう?
私を指名してくれるお客様は必ず同じ人。
お互いの気持ちさえ分からないもの同士。
赤の他人だもの。
儚い一夜物語だけどこれがお仕事だから。
「よろしくお願いします…」
顔を合わせずに会釈をする。
こんなに悲しい思いをするぐらいなら死んでもいいぐらい。
『ん…』
キスをしながら始まる恋。
声を出しても嘘だと分かる。
「んっ…」
私は何かを失っている。
あの人は何を求めて私の場所に来るのだろうか?
短い一夜を終えてお客さんは帰る。
「またね」
『またね』
視線を合わせないまま、お客さんは帰る。
名前さえ知らないのに不思議に怖くない。
そして、次に来るお客さん。
朝が来るまでは私は我慢をしなくてはならないから。
一人、60分だけ。
これが短い恋。
私自身は何を求めればいいのかな?
私を買うお客さんは居るはずがないよね。
いつも、毎日来ていたお客さんが姿を消した。
私は知らないお客さんの相手をするだけ。
寂しくて、悲しくて、朝だけが救い。
お願い…戻って来て。
「なんで…来ないの…苦しいよ…」
最後のお客さんが帰った部屋で囁く。
これが本当の恋ならば私は…。
「会いたいよ…」
私の運命は変わりだす。