惑星ウルスラグナⅣ
「大丈夫か?」
少女の顔を黒羽とフィオナがのぞき込み、その少女の様子を伺う。
地球では珍しい桃色のすっきりとしたショートヘアが
その少女は二人の顔を交互に見て、立ち上がり二人にとある事を言い残し、歩いていった。
「ありがとう、私は大丈夫」
少女は洞窟のある方向で歩いて行くが、もちろん黒羽はこのまま置いていく訳が無い。
黒羽はその少女の腕を掴み、その少女の足を止めた。
「どこに行くんだ?」
「カノンの元へ」
その少女は今までの声とは少し質の違う力強い声でそう言った。黒羽とフィオナはそのカノンという人を知らない為、その少女にもう一度質問した。
「カノン?誰なんだ?」
「私の妹、助けなくちゃいけない」
「何かあったのか?できることならやるが」
黒羽はそう言ったが黒羽自身は自分に何ができるのか、ほとんどわかっておらず、活躍するのはおそらくフィオナだろう。
「私の村が山賊に占領されたの、私は助けを求める為にここまで逃げ延びた、でも腕のある人は用事があって出掛けてて・・・」
その少女の身に起こった事をフィオナが聞いていると、フィオナは何かを閃き、口を開いた。
「黒羽、私とあなたでその山賊を蹴散らせばいいんじゃない?」
フィオナならば何か良い案が思いつくのかと思い、聞いてみたがその内容はフィオナと黒羽で敵を一掃するというごり押し作戦、確かにフィオナは腕がたつし、黒羽も剣の技量は上の部類に入るだろう。
「あなた達はそんなに強いの?私からすれば普通の人にしか見えない」
するとフィオナは自分達の実力をみせる為、フィオナは虚空に消え黒羽の手に黒く光る晦冥な魔剣が姿を現す。
ウルスラグナでは人の形をした人外が剣に変わる事はまず珍しい。ついでに言うと魔剣とは本来人間が扱うのは難しい代物。
剣の形に変形する剣が魔剣など希少すぎる。
「魔剣・・・・」
少女は唖然とした表情でその魔剣を見つめていた。
「この魔剣なら、勝てるか?」
「そんな心配なんて必要無いくらい」
フィオナは天使、それに加え魔剣という破格のステータスを持っている。そしてそれを使役する黒羽は、絶対の救世主というウルスラグナの救世主。
そんな二人の相手が山賊など、勝負にすらならない。
黒羽とフィオナは少女の後に続き、山賊討伐に向かった。
「そういや、君の名前を聞いてなかったな、名前は?」
「カレン・ローズレッド」
その少女、カレンの名を聞きフィオナはとある事に気づいた。
(ローズレッドって、あのローズレッドかしら・・・)
フィオナにはまだ疑問は残っていたが、その疑問は表に出さずにカレンの後を追い、山賊が支配しているカレンの村へと歩を進めた。