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魔剣使いの救世主  作者: 天使長ミカエル
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惑星ウルスラグナⅡ


「剣?フィオナが?」


「私、あなたの剣だから」


「は・・・?」


 黒羽にはフィオナの言っている事が全く理解できなかった。

 人の形をした天使が私は剣だ、と言っているのだ、地球にいた少年が急に天使と話して、挙げ句その天使は剣。

 黒羽は理解が追い付かず、頭が混乱する。


「今は信じられないでしょうけど、セイクリッドから降りたら見せてあげる」

 

「さて、ここからが本題よ」


 フィオナは少し顔を赤くして、フィオナは言葉を続ける。


「あなたの剣になる為に必要な血の契約(ブラッド・リンク)をしてほしいの」


「つまり俺はフィオナとブラッド・リンクとやらをして地球じゃない別の場所へ行くっていう事か・・・?」


 黒羽の頭は依然混乱したままだが、大体の事はやっと理解が追い付いた。

 それでもわからない事だらけなのは事実。


「後悔、してるでしょ?あの二人を守れなくて」


「・・・あぁ」


「なら、私の血を吸いなさい」


 フィオナは人差し指を切り、流れる血を黒羽の口に運ぶ。

 赤い血は黒羽の口の中に入り、ブラッド・リンクの半分を終えた。


「今度は私が黒羽の血を吸う番よ」


 フィオナはさっき自分にやった通り、人差し指を切り流れる血を飲んだ。

 だが、さっきフィオナが少し赤面したのはこの後にやること。

 ブラッド・リンクの儀式はまず、主である黒羽が従者であるフィオナの血を飲むこと。

 これが一つ目のやるべき事。そして二つ目はその逆なのだが従者が主の血を飲む時は従う意思を表す行為として、主の血がついた指ごと舐めて、綺麗しなければならない。

 それを知っているフィオナは少し赤面しながらも何も言わず黒羽の人差し指を綺麗にする為に舐める。



「ちょっ、フィオナ!?」


 言われてない事をされ、訳がわからない黒羽。そしてまだ会って数分しか経っていない美少女に指をペロペロと舐められ、顔を赤くする。

 舐められている部分はとても温かくて、何かいけない事をしているように思えてしまう。

 黒羽は一瞬想像してしまったが、すぐにそんな劣情はなんとか捨て去り、そんな葛藤をしている内にフィオナは黒羽の人差し指から流れる血が止まるまで舐めたのでブラッド・リンクは完了、フィオナは少し赤面しながらため息をつく。


「さ、さて、ブラッド・リンクも終わった事だし、行きましょうか、ウルスラグナへ」


 フィオナが言った瞬間、黒羽とフィオナがいた空間はまばゆい光に包まれ、思わず目を閉じてしまう。

 その目を閉じている間に何があったのか、次に黒羽が目を開けるとそこは深い森の中だった。

 一見地球とは全く変わらない森にも見えるが、よく目を凝らし、奥の方を見てみると見たことの無い大きな獣が地を闊歩していた。

 

「ここはロストフォレスト、その名の通りここへ立ち入る人間は並みの魔法使いや狩人は生きて帰れない森よ」


「ロスト、フォレスト・・・」


 と、黒羽とフィオナが森を見渡していると、茂みの中から巨体がこちらへ迫ってくる。

 地鳴りのように響く足音は、脅かすのには充分すぎる轟音で、その巨体からは歴戦の猛者というオーラが感じられる。

 地球の狼がそのまま巨大になったようなその化け物は黒羽とフィオナは確実にロックオンし、あと数秒経てば狩られるのは間違いないだろう。

 黒羽はフィオナの方を向くと、不敵な笑みを浮かべていて、小声でこれはいけるわね、と呟き黒羽の方へ歩いていく。


「黒羽、初戦の相手はこの猛獣で決定よ」


「は・・・はぁ!?こんな猛獣と戦うのか!?」


「大丈夫よ、何せ私がいるから」


 ーーー瞬間、フィオナに黒い光のオーラのようなものがフィオナの周りに顕現し、煌々とした光が辺りを包み、少女の体は虚空に消えた。

 そして少女の体が消えたのと同時に一本の漆黒の剣が姿を現した。

 禍々しいその剣から発する闇のオーラは闇夜の暗さを再現した晦冥な夜を彷彿とさせる。

 その黒い刀身に彫られた呪文のような物は黒羽には読めないが、ただ一つフィオナはやはりただ者ではない事を再認識した。


「さぁ、初陣よ!」


 目の前の巨獣の咆哮と共に黒羽の初陣は幕を開けた。



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