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魔剣使いの救世主  作者: 天使長ミカエル
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プロローグ


 少年は夢をみていた。地球じゃないどこかで神と戦ってる夢を。


 そして神に殺される夢・・・暗い、夢の中。


 そこがどこか、何もわからない。


 ただ一つわかっているのは、自分と思わしき人物は黒と白、相反する剣を両手に握り、人型の何かと殺し合っていることのみ。


 黒い剣がその何かの胸を下から上えと斬り上げ、真っ赤な鮮血が(そら)を舞った。

 そして間髪いれずに白の剣で自分と思わしき人物から見て、左から右へかけて胸に斬撃を加えた。

 その人型の何かから吹き出した鮮血が自分と思わしき人物にかかり、体や剣が真っ赤に染まった。


 しかし、その人型の何かはほとんど怯むこと無く、あっさりと自分と思わしき人物に無数の斬撃をいれた。

 抵抗するこは出来ない程の光速の斬撃により、自分と思わしき人物はその場で地面に突っ伏した。

 続々と溢れ出す血はその人物の周りを囲む程までに出血していた。

 そしてその自分と思わしき人物は死ぬ直前まで剣を離さなかったが、その力も失われやがて静かに目を閉じた。


 周りから少女と思わしき人物の声が聞こえるがその声は次第に遠くなって行き、やがて全く聞こえなくなった。


 目が覚めると、血が飛び散った冷たい地面では無く、フカフカのベッドの上だった。

 窓から差し込む日の光がもう一度閉じようとしている目蓋を強引に開けようとしている。

 まだベッドから出たくない冬終わりの今日このごろ。

春が近づいているとはいえ、まだ冬の寒さは健在のようだ。

 その証拠に布団の魔力は今だ強力である。

 取り敢えず布団の誘惑から脱出する為、上体をお越し辺りの寒さに体を慣らす。


「あれ・・・?」


 手のひらや背中、額に汗を掻いている。


(そういえば・・・)


 基本夢は忘れるが、今回見た夢はなぜかはっきりと覚えている。

 そう、まるで本当にあったかのように。

 だが、あんな物騒な思い出は一斎無い。

 不思議に思い、布団を剥がし一階に降りようとすると、一人用のベッドになぜか見慣れた顔つきの姉、百鬼美月(なきりみつき)がすぅすぅと可愛らしい寝息をたてて寝ていた。

 

 漆黒の夜空を思い浮かべる黒のストレートの黒髪に整った顔立ちをした顔、そして世の男性を魅了する豊満な胸。

 完璧とは彼女の事を言うのだろう。

 と、美月は日の光に誘われ目を開けた。


「あれ?もう朝?」


 まだぱっちりと開いていない目を擦り、上体を起こした。


「美月姉、なんで入ってくんの」


 はぁ、と一つため息をこぼし、美月に問うと美月は笑顔で、


「黒羽と寝たいから・・・だけじゃ不満?」


「そういうことじゃなくて・・・な・・・・」


 黒羽は美月の方を向くと布団で隠れていた為、わからなかったが美月はズボンを履いていなかった。

 なんとか、昨日貸した黒羽が使っているシャツで下着は見えていないが、これはまずい。

 そう思った黒羽は冬の寒さとかそっちのけでタンスの中に入っているズボンを適当に選び美月に投げた。


「早く履いてくれ!」


 黒羽の心からの叫びに美月は少し拗ねた表情をして黒羽から借りたズボンを履いた。

 この町の近所では有名な美月のこの姿を見ると、幻滅するだろう。

 美月は学校や外ではきりっとした頼れる先輩的なオーラを放っているが、黒羽の前ではこんな格好になるのだ。

 これでも美月の姿に惚れる人は男女関係無く、ファンクラブなども存在しているようだ。


「ちゃんと着替えてから下に来るんだぞ?わかったな?」


 この格好で一階に来ると目に毒だ。

 さっきは布団でよく見えなかったから良かったものの、障害物がほとんど無いリビングにこられるのはまずい。

 黒羽はそんな思考を抱かせつつ、一階に降りた。

 一階に置いていた制服を取り着替えると、家のインターホンが鳴った。

 いつもどおりの時間にインターホンを押した人物はわかっている。

 黒羽は下だけ制服に着替え、先に扉を開けた。


「ま、案の定だな」


「なんだ、その呆れた顔は」


 黒羽がリビングに招いた人物の名は、帝桜花(みかどおうか)

 小学校からの付き合いで、家も近くというまさにTHE・幼馴染み。

 サラサラの茶色い髪は後ろで一つ結びにしている。

 いわゆるポニーテールという奴だ。

 その美しい顔立ちからは想像できない程の剣の腕前を持っていて、全国規模の剣道大会にも出るほどの猛者。

 きりっとした顔は磨きのかかった刀のようだ。

 可愛いとは逆の綺麗系の彼女は男子からの視線より女子からの視線の方が多い。


「と、というか、早く上を着ろ!」


 顔を真っ赤にして訴える桜花にはいはいと軽く答えた黒羽は上も制服に着替え、朝ごはんの料理に取りかかった。


「私も手伝う」


 桜花はあらかじめ黒羽の家に置いてあった自分のエプロンに身に付けて黒羽の横に立った。


「いつもすまないな、手伝ってもらって」


「いや、構わない、私が好きでやっていることだ」


 いつも朝は桜花に料理を一緒に作り、昼は桜花が将来の為だとかで黒羽に味見役になってもらっている。

 この契約は対等では無いが、それでも桜花は良いと言ってくれているのでその行為に黒羽は甘えていた。


「またイチャイチャしてる」


 しばらく、二人で喋りながら料理を作っていると、冷たい声が階段の方から聞こえ、そっちに目を向けると着替え終わった美月が黒羽をじっと睨んでいた。


「い、イチャイチャなどしていない!私はただ・・・」


 顔を真っ赤に染め、否定しようとするが、美月の目は誤魔化せていなかった。

 毎日のように朝ごはんを黒羽と一緒に作っている桜花の表情は完全に恋する乙女なのだ。


「黒羽、帰ってきたからお話しようね」


「数字間後の俺はどうなってることやら・・・」


 黒羽が女性と話していると大抵こうだ。

 深海のような冷たい視線を向けてきて、そしてあとで何かの条件付きで説教される。

 黒羽が後輩の女子に告白された時なんて殺されるかと思った。

 その時は、桜花も相当機嫌が悪かったのをはっきりと覚えている。


「黒羽、できたから運んでくれ」


 桜花の声に反応し完成した料理を食卓に運んだ。

 ちなみに桜花も朝ごはんを食べていない為、一緒に食事をする。


「今日の完成度はなかなか高いな」 


「ほんとか?よっしゃ!」


 料理が上手い桜花に誉めてもらえると、かなりの自信がつく。


「「「いただきます」」」


 こうして、三人は食卓を囲み朝ごはんを済ませた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうも天使長ミカエルです

初投稿です!いろいろ間違えてたらすみません。

これからよろしくお願いします

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