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8話

「今日は休みで良いぞリョーガ」

「え?マジで!?やっほー!休みだ!天国だ!エデンだ!」


喜んでる

まぁー、休みだからな

レインが来てから俺が起こしに行かなくても良くなったし


「まぁー、落ち着けよ。っと、そうだった、ステータス見せてくれ」

「おう!」


名前:リョーガ

年齢:18

性別:男

レベル:32

職業:狂戦士

筋力:1200

体力:3000

防御:500

敏捷:300

魔力:100

魔防:100

スキル

物質想像、威圧



………………


何も言えんぞ

化け物じゃねーか!?

つか、平均100であってるのか?

コレ見てたら平均がもっと上に見える

けどなぁ〜


「どうだ!?」


リョーガは両手を腰に当て胸を逸らす

所謂、エッヘンだ


「うん、強いぞ。俺より遥かにな」

「俺様だからな!」

「そかそか」


俺のを確認してみる


名前:トール

年齢:18

性別:男

レベル:17

職業:

筋力:13

体力:13

防御:13

敏捷:13

魔力:13

魔防:13

スキル

流動、料理、縮地



やっぱり弱い


つかさ!何でレベルが1上がっても全然ステータス上がらないよ!?

スキルが増えてるのは良いよ!

けどさ!ステータスが3しか増えないのって酷いよ!

俺何かしたか!?

酷くね!?


「何してるの?」


俺が地になだれ落ちている時にレインが来た


「ちょっとステータスの確認をな…」

「そう、で何かあったの?」

「あぁ、リョーガと俺の差を目の当たりにして落ち込んでる途中だ」

「ま、俺だからな!」

「わけわかんねぇーよ!」


項垂れ下を向きながらレインに応えていたがリョーガが訳のわからん事を言いやがるので、ついそちらを見てしまう

そして、何か色々と諦めて立ち上がる


「なぁー、レイン。ステータスって平均は幾らなんだ?」

「平均?100ぐらいじゃ無いの?」


そんな事もしらないのって感じで首をかしげる


「あ、やっぱり?って事は俺って雑魚中の雑魚かよ…」

「そんなに酷いの?」

「あぁ、酷い。酷すぎて泣きそうだよ」


そう言って俺はステータスを表示しながらレインに渡す


「う、うそ…こんな事ってあるのね…」

「だろ…酷すぎるよな。リョーガのなんてコレだからな」


俺のステータスを見たレインは目を見開き何度も確認する


そんなレインに追い打ちをかけるようにリョーガのステータスを見せる


「は、ははははは」


壊れてしまった

リョーガのギルドカードを持ち、笑いながら固まった


ま、仕方ないよな…

本当にどうしよう…


俺、この世界じゃ最弱じゃね?

ヤバイ、マジでヤバイ

まだ、死にたくないよ!

冷静に判断してるけど、レベル上がっても弱いままだとマジで冷静で居られなくなるよ!


これで、旅なんて出来るのかよ…



○○○○○○○○○○



ガチャ


「報告致します。聖女様が王国のランキートで発見ました。ですが、確保に至るまでは行きませんでした。何故か、捕らえに行った者達が何者かに倒されてました!」


白銀色の鎧を着た者が部屋にやってきて報告する


「むっ!早くしないとこっちにも予定って物がある!何をしても良い!はやく聖女を連れて来い!」

「はっ!」


白銀色の鎧を着た者が部屋から出て行く


「くそっ!あと1ヶ月以内に行わないと私の位が下がってしまうではないか!」


その者は机を叩きながら愚痴を吐く



○○○○○○○○○○



「ちょっと俺出かけてくるから、あと宜しくなレイン」

「分かったわ」


俺の目の前にリョーガ、レイン、マリアが居る

今は昼間だ

先程、昼飯を済ませたので、俺は出かける準備をする


「どこ行くんだ?」

「ん?ただの散歩だ」

「ふーん」


リョーガは何か面白い事があるのかな?的な感じで聞いてくるけど、そんな面白い物じゃないので

散歩って言って誤魔化しておく


「んじゃ、行ってきまーす」

「「「行ってらっしゃい」」」


最近、皆、こういう風に挨拶をする様になった

初めは俺とリョーガだけだったけど、レインとマリアが興味を持ったみたいでやってくれる

この世界では、この様な挨拶は無いみたいだったし


家を出て、鍛冶屋へと向かう

そういや、おっちゃんの名前、聞くの忘れてたな…

聞いても忘れてしまうだろうけど、メモしておけば大丈夫かな?


「おっちゃん居ます?」

「おう、居るぞ」


目の下にクマが出来たおっちゃんが奥からのっそりと出てきた

少しホラーみたいでビックリして後ずさってしまった


「悪いな。おめーさんの武器が出来たのは良いんだが、余りに楽しくて渡された金、全部それで使っちまった」


申し訳無さそうに頭をかきながら頭を下げるおっちゃん

全部使ったんだ…


「いえいえ、出来たのなら上々ですよ。もし足りないんであれば言ってくだされば必要な分出しますよ。なんせ、俺の大事な鍛冶屋さんですからね」

「嬉しい事言ってくれるじゃねーか!ちょっと来い」


おっちゃんはフラフラと奥へと歩いていく

本当に寝てないんだな…

大丈夫かな…


「これが、頼まれて造ったやつだ!」


おっちゃんは手を広げながら言ってるけど、流石に全額使っただけはある

かなりの量がある

これまで、剣や弓で埋まってたのに、その上に刀や太刀、小太刀と色々と置かれている


「試しでデッカいのも造ってみたんだがどうだ?」

「最高です!よく、見本もなく造れましたね!?」

「ふん!儂を誰だと思ってる!」

「本当に凄いですよ!とりあえず、この4本買います!」


武器の山の一番上に置かれた俺の身長と同じぐらい有ろうかという大きな太刀

床に転がっている腕ぐらいの長さの小太刀

研いだばかりなのか、研ぎ石の近くに置かれた1mぐらいの刀を手に取る

全てが、前の世界にあったやつと違い大きい

気にしちゃダメか


「お代はこれで大丈夫ですか?」


そう言いながら皮袋をおっちゃんに渡す

おっちゃんは受け取った皮袋を開けて目を見開く


「こんなにもか!?多すぎないか?前と言い今回と言い」


呆れた様な顔をしながら見てくる

けど、俺は満足している


「大丈夫です!それに、この出来は最高です!反りも研ぎも出来も良い出来です!」

「そ、そうか…お前さんがそれで良いんなら良いが…」


おっちゃんの肩を両手で掴み顔を近づけ、物凄い覇気で言う


「あ、そういえば、自己紹介してませんでしたね。俺はトールです。それで、連れのやつがリョーガって言います」

「それもそうだな。儂はガントって言うんだ。ま、これからも宜しくな頼むぞ!」

「はい!」


行きに考えていた事を今頃思い出したので聞いてみた

ガントって名前らしい

メモしとかなきゃ!


鍛冶屋さんのガント


っと

これで大丈夫だろ…


メモしてから鍛冶屋を出る


ちなみに、刀は既に懐に忍ばせている

太刀は流石に大きくて入らなかったので背中に背負っている


師匠の場合だと何故か体より大きい物を入れれるのにな…

俺も出来るようにならなきゃ



○○○○○○○○○○



「トールのやつ、今日休みって言ってたけど、やる事なくて暇だ!」


俺はタバコを吸いながら叫ぶ

暇は好きだけど嫌いなのだ!


「よし!今日は暇だし冒険者ギルド行くぞ!お前ら!」

「良いわよ」「はい?」


レインは了承してくれたけど、マリアは分かってないみたいだ

んー、どういう風に説明しようか…


「要するに、リョーガは暇だから働くって言ってるのよ」


考えてたらレインが説明してくれた


「なるほど!わかりました。私も行きます!」


そして、俺達はギルドへと向かい掲示板を見る


マリアはギルドに登録していないみたいだから、新規だ

3人でパーティーを組んでゴブリン退治をしようって話になった


俺にはよく分からんけど、レインがやってくれてる

楽できるって最高だわ!


マリアとレインが話すには、光魔法しか使えないらしいので、戦闘には直接参加せず、後ろから後方支援をする事になるそうだ


俺は主に壁役だ

レインが先方でマリアが後方だってレインが言ってた


俺にはよく分からんが、前に立ってゴブリンの攻撃を受けてたら良いらしい!


「居たわ。此処から前方に3匹よ」


レインが教えてくれる

初めは右も左も分かってなかったけど、一緒に行ってる間に覚えたみたいで最近は探す手間が省けて楽だ


「んじゃ、行くか」

「ええ」「はい!」


マリアは初めての戦いなのだろうか?緊張してるみたいだ

トールなら、こういう時に上手い事言うんだろうけど、俺にはできないな…


「ま、適当に頑張れ」


言える事と言ったらこれぐらいか?

でも、少し肩の力を抜いたみたいだ


ゴブリンの目の前まで来た


とりあえず、前に出れば良いだけって言ってたからゴブリン達の前に出る


ゴブリンは俺に攻撃してくるけど、俺はそれを避けもせずに食らう

ただ、1つ言えるのはトールにハンマーで殴られる時よりは痛い

けど、答えるほどじゃない


後ろからレインがゴブリンが攻撃した後の隙をついて攻撃をしている

マリアは呪文?を唱えて魔法を放っている


そういえば、レインとマリアのステータスを此処に来るまでに見せてもらった

俺にはよく分からなけど、トールより強いんだから、強いんだろう


名前:レイン

年齢:18

性別:女

レベル:18

職業:狩人

筋力:150

体力:180

防御:100

敏捷:260

魔力:70

魔防:100

スキル

短剣術、双剣術、投擲、気配察知、隠密




名前:マリア

年齢:18

性別:女

レベル:10

職業:聖女

筋力:70

体力:120

防御:40

敏捷:90

魔力:250

魔防:180

スキル

光魔法



レベルって書いてあるのが、トールの方が上なのに何故、トールのステータスは低いんだろ?


ま、いいか


マリアの魔法が完成したらしく、俺とマリアはその場から飛んで避ける


するとそこに居た残りの2匹のゴブリンに光の矢が複数刺さる


「スゲェー、これが魔法か…」


呆然とマリアが放った光の矢が消えるのを眺めていると


「キャッ!」

「レインさん!っ!?」


レインとマリアが居るはずの背後から悲鳴が聞こえた


「なんだ?」


と思って背後を振り向くと、レインとマリアは黒い服を着た奴らに気絶させられたのか抱えられている


「おい!ごらぁ!そいつらを離しやがれ!」


黒い服を着た奴らに殴りかかろうとしたが


「動くな!それ以上動いたら女を殺す!」

「聖女は返してもらう!女はお前次第だ!」


レインの首にナイフを当てている

俺はどうすればいいんだ!?

トール!助けてくれよ!

レインが!マリアが!


俺は動けない

レインに死んでほしくないから

けど、連れ去られそうだ

どうすればいいんだ!?


くそっ!くそっ!


ジリジリと黒い服の奴は後ろへと後退していく


逃してたまるか!

けど、動いたら殺される

けど…けど……







俺は一体どんな顔をしてんだろ…


黒い服の奴らに逃げられた

それにレインとマリアを連れて行かれた


「くそっ!」


ズドンッ


地面を殴ったらヒビ割れた

俺には力だけしかない

頭なんて良くないし、考え無しだ

けど、取り戻したい

どうしても

折角拾ってきたんだ

少しの間しか一緒にいなかったけど

俺は楽しかった

それに、俺達は仲間だったはずだ


「トール…俺、どうすればいいんだ……」





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