4話
「ふぁーあ」
朝か
今、何時だ?
携帯を開く
携帯は最新の某林檎の6sで
リョーガのは6+だ
朝の8時か…
リョーガはいつも通り寝てるし
いつも通り俺も筋トレしてからリョーガを起こすか
そう考え、筋トレを行う
いつものメニューはマラソンの後、腹筋や背筋、腕立てなどを行うが、リョーガの家じゃないからやりにくい
なので、少しメニューを変更してマラソンを抜いて腹筋と腕立てを外でやる事にした
まず、食堂に行き、おばちゃんに挨拶して、中庭にある顔を井戸の水で洗う
冷たい…
腹筋100回
腕立て100回
終了
早いって?そんな事言われても無心でやるだけだからな
いつも、リョーガの家に行ってるのはリョーガを起こしに行くためだ
リョーガの親は両方居ない、昔色々あったらしい
俺の親は父は内装や外装の工事を主にしている。母は外交官だ
なので、うちの親はあまり帰ってこない
妹と2人家族だ
リョーガも妹が居た(・・)らしい
「リョーガ起きろよー!」
そう言って俺はリョーガをベッドから引きずり落とす
ガンッ
「いっつーー!いつもいつも!何でこんな起こし方なんだよ!」
「前にも言ったろ!お前は言うても起きねーんだよ!」
「クソッ!」
「まぁー、飯だ。飯食って働くぞ」
「うぃー」
食堂に行き朝食を食べる
朝食はピザを少しアレンジされて、あの時に無かった調味料もプラスされていた
感想は美味しかったです
「うへー、朝から重い〜」
「グダグダ言うな。朝にシュークリームとか食べてるからだろ!」
「ゼリー食いてぇ〜」
「材料が揃ったらな。ここに材料が無いんだよ」
「へぇーい」
さっさと朝食を食べ終えて、タバコを吸いながらギルドへと向かう
タバコ…控えようかな?
「今日は何受けるんだ?」
「俺はゴブリン退治だ」
「え?あのデッカいのに弱いやつか?」
「あれ、絶対ゴブリンじゃないから、アレがゴブリンなら俺、勝てないから」
「トールも強いのに〜」
「俺は弱いよ。少し技術と身体の作りを知ってるだけだ」
という事で、俺はゴブリン退治
リョーガはオーク討伐を選んだ
何故か、いつの間にかリョーガは大剣を持っていた
昨日、全然気が付かなかった
ってか、鞘にも入れてないし
帰ったら鍛冶屋に行かなきゃな…
北門を出て歩く事数分
すぐに見つけれた
違うな、見つけられた
3体いて
一体に後ろから襲いかかられたから思わずモンキーを出して殴ってしまった
モンキーってのは、工具の1つで正式名称はモンキーレンチ
ボルトをつかむ部分をウォームギアで縮めたり広げたりできるやつだ
残りは素手で何処まで戦えるのかの実験に使った
一番戦いやすいのはドライバーだった
何故、そんなの持ってるかって?
いつも、持ち歩いてるんだよ
何かあった時のために
あと自衛のため
左腕部分に工具類を右腕部分に手術用道具を
手術用は少ない、あまり使わないし重たいから置いてきている
持ってきてるのはメス、針、糸、ハサミ、骨ノミ、骨鉗子、開創器、椎間拡張器、注射器、瓶
だ
工具は、車載工具とかにあるジャッキ、ハンマー、ペンチ、モンキー、ドライバー種類全部、糸鋸と木を切るノコギリ、フォーターポンププライヤ、紙ヤスリ数種類、ケーブルカッタ、指矩、シックネスゲージ、スパナ数種類、ソケットレンチ、ダイヤモンドヤスリ、タッカ、ちっちゃいチェンソー、トルクレンチ、ニッパ、ノギス、鑿、パールetc
と大量だ
持ち方は師匠直伝簡単な暗器術を使用
リョーガと俺は師匠に戦い方を教わったけど、リョーガは唯ひたすらサンドバッグに鉄鎧を着せたやつを殴らせて、俺には武道とは…ってのを説いていた
修行と言える修行はしていない
ただ、俺はそれで学んだし、リョーガはそれで強くなった
既に、10体はゴブリンを倒した
俺は弱い
弱い分頑張ればいいって師匠が言ってた
だから、弱い分、リョーガに負けない様に技術を磨いた
攻撃を受ける時は受けるより受け流す
攻撃する時は殺す気でやる
それが師匠の言葉だった
ちなみに、師匠はリョーガと試合をしてからご臨終だ
最後まで笑ってた
俺もそんな風になりたい
けど、リョーガを超える力は無いし、武術は誰にも教えてもらわず独学だったから通じるとは思わない
だから、頑張る
リョーガに負けない様に、困ってる人を助ける為に
って、変な事考えてたらいつの間にかゴブリンを12匹倒し終えていた
さっさと帰ろ
○○○○○○○○○○
「けっ!雑魚共が!そこらのチンピラよりお前ら弱いわ!」
リョーガは現在、オークの村にいて
リョーガの後ろには猿、ブラッドモンキーが大量にいる
周囲には黒い血が大量に撒き散らされてオークの死骸が大量にある
オークが作っただろうボロ屋は壊され原型をとどめていない
理由は、リョーガが南の森の奥に入った時に襲ってきたので、返り討ちにした
その中に偶然、ブラッドモンキーの親玉がいて、それを見た別のブラッドモンキーはリョーガに服従した
リョーガはブラッドモンキーが襲って来なかったので放っておくと群れを成して付いて来て、リョーガの戦闘に仲間として参加していた
リョーガはそれを配下として扱っている
「うっしゃー!これで依頼完了!!お前ら!この豚を運べー!!」
「「「「「「KIKIIIIIIIII!!!!」」」」」」
リョーガの一声で大量にいるブラッドモンキーは一体ずつ倒したオークを担ぎ、さっさと歩いて行ったリョーガを追いかける
ちなみに、リョーガの手荷物は大剣だけで、それ以外は持っていない
全て、ブラッドモンキーに持たせている
○○○○○○○○○○
リョーガまだか?
トールは昨日と同じ席でタバコを吸いながらリョーガを待っている
既に完了報告は済ませて報酬を貰った
「うぃーす!終わったぞー!!」
「………今度は何だ?何で猿が居るんだ?それって魔物だろ?見ろよ冒険者の皆慌ててるぞ」
リョーガがやっと帰ってきたと思って見てみたら数十匹の猿を連れて戻ってきやがった
かなり奇妙な光景だ
猿がオークを大量に担いでリョーガの後ろを歩いてるから
周りの冒険者は警戒して剣に手を当ててる者と面白いものが見れてるって感じで見てるやつがいる
「ふはははははは!俺様を崇めよ!」
「ダメだコリャ……さっさと報告しろよ。はぁー」
褒めてないのに胸を反らしてるリョーガに報告に行かす
「KIIKI?」
「何言ってるか分からんが、これだけは分かる、俺を慰めるな!」
「KIIKIKIIKI」
「はぁー」
猿にまで慰められて溜息が出る
もう一本タバコを吸おう
帰ったらまたタバコをリョーガに創って貰おう
もう、残りが少ない
「終わったぞ!」
「そうか、お疲れ。とりあえず、その後ろの猿を森に返してやりな」
「おう!お前ら帰っていいぞ!」
「「「KIKII!?」」」
「違うだろ?お前が門の外まで送るんだよ。そいつらもそれぐらい理解してるぞ」
「ちぇーっ面倒くせぇーな、おいお前ら行くぞ」
「さっさと戻ってこいよ〜」
5分で戻ってきた
「スゲー早いな」
「走ったからな!」
「猿、逸れなかったか?」
「大丈夫だ!」
「その大丈夫が心配なんだけど、まぁーいいや。鍛冶屋か武器屋に行くぞ」
「何でだ?武器ならあるぞ?……あっ!トールのか!」
「違うわ!お前の武器や!真剣を出して歩くな!せめて鞘に入れろってこったよ!」
「鞘?鞘って何だ?」
「鞘ってのは…説明面倒い…とにかく行くぞ、行ったらわかるから」
「おう!」
ギルドを出て街を歩き回る事、1時間近く
「トール〜腹減った〜」
「そうだな、そういやまだ昼だったな。飯食うか」
「おう!」
近くにあった屋台に行き、串焼き?を焼いてるやつ全部購入して近くの椅子に座り昼飯を食べる
「これ美味いな!何の肉なんだ!?」
「んー、オークって書いてあるな」
「え?アレがコレになるのか?キッショ!」
「んじゃ、食うなよ。俺は美味いから別に良いと思うけどな…今度、ランクが上がったらオークを狩って飯にしてみようか……」
「お!良いなそれ!俺にも食わせろよ!」
「あぁ、別に良いぞ」
「うっしゃー!」
「そんな大声で叫ぶな」
会話をしながらムシャムシャと食べる
リョーガが叫んだ時は歩いてる人が何事かと見てたけど、それ以外は何もなかった
そのままの調子で鍛冶屋か武器屋を探していたが
「コッチ行こうぜ!」
「何でだ?そっち路地だぞ?」
「俺の勘がコッチに行けって言ってんだよ!俺様はションベンがしたい!!」
「あー、便所ね。それなら仕方ないか」
薄暗い路地へと入っていき、少し奥へ行った場所でリョーガはションベンをする
俺は、そこから少し離れた場所で壁にもたれかかりながらタバコを吸う……ん?
この目の前のオンボロの家ってもしかして鍛冶屋か?
看板がボロボロだけど空いてるんだよな?……
ちょっと見てみるか…
「終わったぞ!」
「そうか、タイミングが良いな、目の前に鍛冶屋見つけた所だぞ」
「マジか!行こうぜ!」
「扉壊すなよ」
ガタッガタッギギギギギ
あ、空いてるんだ
「スゲー!鍛冶屋だぁー!武器置いてるぞ!おい!見ろよトール!」
「あー、はいはい。目の前にいる人の事気付こうな」
「ん?うお!?ちっちぇ!!気付かんかったわ!」
「騒がしい奴らじゃの、お前らここに何しに来たんじゃ?」
身長が140ぐらいで顎髭がモジャモジャのおっちゃん?がいる
目付きは探る様な観察する様に見てきてる
そして、ガタイがすごく良い
筋肉のつき方がバランスが良く取れていて良い筋肉をしている
「すみません、ここって鍛冶屋で合ってますよね?」
「ああ、そうじゃ、廃れてるがの」
「そうですか…コイツの持ってる大剣の鞘が欲しかったんですけど有ります?」
「あるぞ。それより何故、表の武器屋に行かんかったのじゃ?」
「筋肉のつき方が悪かったのと人を見る目が気に入らなかったので」
「そうか、そうか、筋肉と目付きか…儂はどうじゃ?」
「最高です」
「ふっはっはっはっはっはっ!面白いやつじゃの。ちょいと待っとれ持ってくるからの」
「おう」「はい」
おっちゃんは奥へと歩いて行きガタガタガチャガチャと何かを探ってる様な音を出し、戻ってきた
「コレがその大剣にピッタリじゃろ」
「ありがとうございます。リョーガ、武器をコレに納めて背負っとけ」
受け取った鞘をリョーガに渡す
「へー、コレが鞘か、面白いな!」
「何がやねん。さっさと背負え。で、コレって幾らですか?」
「ん?金は要らんよ。余りもんじゃ……それよりも、お主ら、面白いな、気に入った!素材を持ってきてくれたら何でも作ってやる。その分金は貰うがの」
「おう!それじゃあ、俺様に似合う武器を作ってくれや!」
「お安い御用じゃ。まぁー、素材を持ってきてくれなきゃ何も出来んがの」
「素材ですか…良さそうなのが有ったら持ってきますので、その時は宜しくお願いします」
「任せるのじゃ!」
おっちゃんはそう言って胸をドンッと叩く
結構様になるな小っちゃいけど
「それでは、今日はこれで」
「またなー!」
「あぁ、また来とくれ」
鍛冶屋?を出て宿屋へと向かう
「あそこの鍛冶屋最高だったな!」
「何が?」
「雰囲気とちっちぇおっさん」
「なんか分かるな…素材か…良いの有ったら持っていくか」
「おう!俺はコレより頑丈なのが欲しいぜ!」
少し刃こぼれした大剣を見せる様に持ち上げる
使った後、整備してないみたいで所々ボロボロだ
「俺は扱いやすいやつと遠距離用の武器かな?」
「お前って、武器必要か?」
「俺を何だと思ってんだよ。お前よりは必要だよ。今持ってるやつじゃ対処できない時もあるしな」
「そうか?」
「そうだ」
会話が終了してリョーガにタバコを次はカートンごと創ってもらい、リョーガは晩飯を食べる前に寝た
って言ってもまだ夕方だ
俺も少し出かけるか……
○○○○○○○○○○
「おい!聖女は何処に行った!」
「それが、幾ら探しても見つからないのです!」
「言い訳はいい!隣国まで手を伸ばし探し出せ!」
「はっ!!」
白銀色の甲冑を着た者が出て行く
「くそ!
やっと憎たらしい魔族を全滅させれるのに、まさか当日になって逃げ出すとは!」
肥えた老人が椅子に座りながら憎たらしげに目の前の扉を見ながら愚痴を吐く
老人は聖職者の服を着ている
所々金や銀が付いておりキラキラとした服装をし、少し長めの被っていた帽子を机へと放り投げる
「待っていろ魔族共め異教徒は全て殺し、隷属させてやる」
不気味な笑いがこの男しかいない部屋に響く
○○○○○○○○○○
誰か…助けて……
ここは檻だ
ここには同じ村の女と子供しかいない
連れてこられたのは近くの村にいた者達
盗賊に襲われ家族は殺され、女と子供は連れてこられた
盗賊達は彼女達に酷い事まだしていない
彼女達は獣人だ
獣国で行き場を無くした者や力のない者が別の国へと渡る
彼女達は、その子供達だ
今は、獣国に渡る方法が無く、行く事が出来なく国の中で一番安全な国の森に住んでいた
だが、昨日太陽が沈みかけた時に盗賊達がやって来た
近々、彼女達は売られる為に馬車へと載せられる
だが、王国では奴隷制度は廃止している
なので、隣国の帝国までを馬車で運ぶ事になる
ここが幾ら帝国側に近い街でも馬車で数日は掛かる
彼女達は助けを求める
誰か、誰か…と
現実は常に非常で残酷だ
そして、この世界ではコレが当たり前だ
どんなに非常で残酷で残忍で悲しく苦しく虚しくても世界は回る
だが、数日前から世界の歯車は狂い始めた
最強の恐怖と最弱の狂気の出現によって
世界に異物が混ざり透明の水に墨を入れた様に黒く、そして水に塗料の白を混ぜた様に白く
全てが狂い、全てが変わる
彼らとこれから起こりえる事により