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2話

街に着くまでが遠足と思うなよ!

ウォンッ!フォォーーーーン!!


ブォォーーーン!ブンッ!ブンッ!ブォォン!


今、凌牙と俺、通流はバイクで平原を走っている


「キャッホーーーッ!最高だぜー!」

「分かったから、叫ぶな!耳が痛い!」


凌牙と俺はフルフェイスだ

俺のフルフェイスは何故か凌牙がサーキットに持って行ってたらしくあった

凌牙のバイクの後ろにはもう1つフルフェイスがある

凌牙の元カノが使っていたフルフェイスだ

何が悲しくてずっと持っているのか…

凌牙曰く「忘れられない想い出だ!」などと言っているが、元カノが近くに居ると隠れようとする

別れた後の言葉が「俺はフラれて速くなる!」だった

全てのフルフェイスには通信機が付いており、それで会話している

理由は分からないが、通信機が使えたのは驚きだ


「通流!アレ!アレ見ろよ!」

「ん?アレは…城?」

「すっげぇーぞ!なんか知らんがすっげぇーぞ!」

「そうか、そうか…とりあえずあそこに行ってみようや、人いそうだし」

「りょーかい!」


フォォォーーーーーン!


凌牙に置いて行かれた

仕方ないか俺が載ってるのはモトクロス用だしタイヤもそのままだし

あいつのはレーサー用だもんな

そりゃ置いてかれるわ

ってか、こんなにデコボコしてるのに、良く走るよな…


通流は凌牙が走って行った方向を見ながら走り続ける




やっと追いついたと思ったんだけど


「調子乗ってんちゃうぞ!ごらぁ!」


また、やってる

凌牙は短気だ

物凄く短気なんだ

だから、話しかけられただけでもキレる

訳わからん頭をしている


「凌牙辞めろ!」

「でもよ!通流!!」

「やめい!」


ペシッ!


凌牙が止まらないので頭を叩く


「すみません、こいつが迷惑かけたみたいで」

「あぁ、お前はアレよりマシみたいだな」

「あははは」


一応日本語は通じるみたいだ

相手の口の動きが日本語と一致していないように見えるが


顔だけでた甲冑を着て剣を此方に向けている男に謝罪する

少し警戒が解けたようで剣を下したので通流はフルフェイスを脱ぎながら苦笑いする


「少し良いですか?」

「なんだ?」

「ここって何処なんですか?俺ら迷っちゃって…」

「迷ったのか、ここは王国のランキートと言う所だ」

「王国?ランキート?……すみません、変な事聞きますが、日本って知ってますか?」

「日本?……………知らんな聞いた事ないな何処かの地名か?」


少し考える男だったが首を左右に振る


「まぁー、地名と言うよりは国なんですけどね」

「国か?国は全てで五カ国しかないぞ」

「マジですか……」

「???」


通流は落ち込む

まさか、トンネルを潜るとそこは中世のヨーロッパの様な雰囲気を醸し出した良く分からないが場所に居る事が現実的に考えてもありえないからだ

周囲には興味本位で見に来た馬車を乗っているものや鎧などを着込んで武装している者など沢山だ


ここって、何処なんだ?

日本じゃない?

じゃー、何処だ?

俺らってトンネル潜っただけだよな?

可能性のあるのは

1つ、映画の様に宇宙人に連行された

2つ、最近読んだ小説の如く異世界へ来た

3つ、トンネルで事故って死に過去に戻った

んーー、1つ目は記憶に無い

3つ目は事故る程のスピードは出してないし1と同様記憶に無い

では、可能性が一番高いのは2だと考えられる


「なんて、非現実的なんだ……」


通流は両膝と手のひらを地面に着け項垂れる


「お、おい。大丈夫か?」

「す、すみません。少し待っていただけませんか?」

「あ、あぁ」


それから数分間項垂れた通流

ちなみに凌牙は飛んでる蝶を捕まえようと頑張っている


「はい、もう大丈夫です。心の整理もつきました」


立ち上がり身体に付着した砂などを落としながら言う


「そ、そうか…なんか、すまないな」

「いえ、謝るのは俺達の方ですよ。急に押しかけたのですから…最後に1つ良いですか?」

「あぁ、何でも聞け」

「では、この街には宿屋と働き先ってあります?」

「あるぞ。宿屋はこの門を抜け真っ直ぐ進み広場を右に行った先に皮の屋根って言う宿屋がある。あと、働き先は大通りを真っ直ぐ行って広場を宿屋と逆方向の左に行った先の冒険者ギルドに行けば、職業の募集をしている。後、冒険者ってのもそこでなれるが余りお前らにはオススメできんな」

「そうですか……街、入っても良いですか?」


男の言葉に頷きながら聞き、街に入って良いかどうかを確認する


「身分証は……無さそうだな」

「はい……」

「仕方ない、今回は通してやるが、問題は起こすなよ。それと、身分証なら冒険者ギルドで発行できるから、そこでしときな」

「はい…ありがとございます」


凌牙の元に行き通流は説明をしてからバイクの元へ凌牙と共に行き、バイクを運びながら進む


「おい!俺はここの門の担当のビルってもんだ困った事があったら言いに来い」

「ありがとうございます。俺は通流、んで、こいつが「凌牙だクソやろう!」です」


門を潜る時にさっきの男に声をかけられ、自己紹介をしてから門を潜る


「なー、凌牙、俺らって金無いよな?」

「え?あんじゃねーか。ホレ」


尻のポケットに入ってる財布を取り出し中身を見せる凌牙


「うん、それはここじゃ使えないね」

「は?何でだ?」

「ここは別の星か別の世界だ。さっき説明したろ?」

「あん?そうだっけ?まぁー良いや。俺は通流に着いてくぞ!」

「さいですか……」


そして、歩く

冒険者ギルドへと





「でっけぇーな!!」


凌牙が両手を広げ片足で立つと言う変な格好をしながら冒険者ギルドの大きさに驚く

冒険者ギルドの大きさは見た感じ端から端までで500mはある


「うん、デカイな。凌牙、さっき説明した仕事何するか決めたか?」

「っんなの、冒険者に決まってるだろ!」

「……一応聞くが何故?」

「楽しそうだからだ!」

「………ダメだこりゃ」

「何だよ!何がダメなんだよ!良いだろ!なー!」

「あー、はいはい。良いよ別に。じゃあ、俺も冒険者になるか…」

「うぇーい!やりー!ワキワキがウキウキでズドーーンだぞ!」


変なこと言う凌牙を放置して先に中に入る

そこは体育館の様なバスケットのコートが3つは入りそうなほど広い場所だ

手前には酒場、中央らへんの左右に紙がたくさん貼り付けている板があり、奥に受付がある

左右の壁には扉が幾つかあり

壁や地面、天井など全て木と石でできているみたいだ


「凌牙、あまりキョロキョロとしない、そして威嚇しない!」

「へーい」


凌牙は入った途端に周りからの視線に反抗し威嚇する

通流はその視線で胃に穴が開きそうになる

通流は視線が苦手なのだ

これまで、引き篭もり同然に過ごし、凌牙と出逢うまでボッチだった

本の虫になっていた



「いらっしゃいませ。此方にはどう言ったご用でございましょうか?」


受付に着いた。本で読んだ異世界物だと大抵列が出来てるって書いてあったけれど、空いていた。ガラガラだった。受付嬢も暇そうにしていたし

昼間だからか?


「俺ら仕事を探しているんですよ。それと、身分証の発行もお願いします」

「お仕事ですか?どう言った仕事にしますか?」

「冒険者だ!」


通流の隣にいた凌牙が急に大声を出すので耳を塞ぐ通流


「はい、わかりました。冒険者ですね。あと、冒険者ですと身分証の発行は100ギルになります。今ないのでしたら後からでも構いません。無くしたら1万ギルかかるので注意してください」

「はい」

「では、冒険者の説明を致しますね」

「お願いしますします」

「はい。まず、冒険者とは主に魔物を倒してお金を稼ぐ職業の事を言います。それ以外には街の掃除、手伝い、警備などをしています。冒険者にはFからSSSランクがあり、F〜Sまでは、その街の非常の際呼び出しに応じなければなりません。Sランク以上になると称号などがあり、SSSランクになると一国の王と同等の権利を得る事ができます。此処までは良いですか?」

「はい、大丈夫です。俺は」


隣にいるはずの凌牙を見ると頭から煙を出しながら笑っていた


「だ、大丈夫なんですか?」


それを見た受付嬢さんは作り笑いから苦笑いになり凌牙を見る


「大丈夫ですよ。いつもこんなんですから」

「いつもですか…」

「はい、いつもです。それより、話を続けてもらっても?」

「あ、すみません。えーっと、此方の紙に名前を書いてから魔力を流すか血を一滴頂けませんか?」


車の免許証と同じぐらいの大きさの銅色のカードを渡された


名前か……とりあえず書いてみるか

言葉は通じるんだし字もいけるだろう


「はい、これで良いですか?」


書けた……驚きだ

俺の知らない字を普通に書けちゃったよ

凌牙の分も俺が書いた

名前に書いたのはトールとリョーガだ


「魔力……ですか?」


魔力!?魔力があんのか!?

まるでファンタジーだな!

魔力があるって事はマジで異世界系か?


「はい、魔力です。もしかして魔力が使えない方でしたか?」

「あ、はい。血を一滴でお願いします。凌牙!しっかりしろ!おーーい!」

「んぁ、もう無理…通流……後は「頼まなくて良いから」……爆ぜろ!リアル!難しいんだよ!」


通流に肩を揺すられながら呼びかけられて頭から煙をモクモクと出しながら答える

そして、逆ギレする


「んじゃ、簡単に説明するな、このカードに血を一滴流すんだってよ」

「りょーかいだ!」


通流は何処からか取り出したメスで人差し指に少し切れ目を入れて血を一滴だし

凌牙は親指を豪快に嚙み切りダラダラと血をカードに滴らせる


「はい。料金の方は後でお願いします。」


カードを受付嬢に渡しながら告げる


「わかりました。少し待ってくださいね」


受付嬢はそう言って奥へ走っていきすぐに戻ってきた


「では、ギルドカードができるまでの間に説明をさせて頂きます。ギルドカードはF〜Dまでは銅になっております。そして、あなた達は現在登録したばかりなのでFになります。ギルドで功績を上げるなどをする事によりランクが上がり、高ランクの依頼を受注する事が可能になります。その分、危険な依頼も増えますが、報酬も増えます。依頼は自分のランクの1つ上または下を受ける事ができます。ですが、自分のランクに合ったものを選んでください。

次は、注意事項ですが

1つ、他の冒険者の邪魔をしない

1つ、全ては自己責任で冒険者ギルドは責任を取らない

1つ、冒険者同士の喧嘩は決闘をするか邪魔にならないところでする様にする

規則を守らないと降格またはギルドカードの剥奪がなされます。依頼を受ける際はあちらの依頼板を確認ください。」


紙が沢山貼られた板を指差しながら言う


「ギルドカードは身分証にもなっているので気をつけて下さい。では、ギルドカードができたと思うので取りに行ってきますね」


そう言ってまたもや奥へと走っていきすぐに戻ってくる


「はい、これがあなた達のギルドカードです。ランクは先程言った通りになっています。それ以外には自分のステータスを表示する事ができます。もちろん、自分にしかステータスを表示できません。もし、他人のギルドカードを拾ったりしたならば此方に届けて下さい。説明は以上となります。大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です。リョーガには後でキッチリと教えておきますね」

「はい、お願いします。では、新人冒険者として頑張ってください!」


これまで丁寧に作り笑顔で話していたが最後の応援の言葉だけ本心から笑い大声で応援した


「はい。ありがとうございます」


トールはリョーガを引き連れて依頼の貼ってある所に行こうとするが…


「おい!ガキが!さっさと帰って母ちゃんの乳でも吸ってお寝んねしな!」


テンプレ展開お疲れ様ですが

リョーガがお疲れの様子なので止めて欲しい


「おい!聞いてんのかテメェー!」


とりあえず、無視して依頼板の所に向かうトールと引っ張られて付いていくリョーガ


「無視すんじゃねーぞ!ごらぁ!」


無視してると殴りかかってきた

リョーガ並みじゃないけど短気だ

俺はそれを避け、リョーガは………


バゴッ、ゴロゴロゴロ、ドスンッ


殴られて転がりながら受付嬢のカウンターの方向へと突っ込んでいった


「なー、おっさん達…とりあえずリョーガに謝れ」

「何言ってんだ!お前らが俺様の話を聞いてとっとと帰ってれば良い話だろ!」

「謝らないと後知らないぞ?」

「何を偉そうに言ってやがる!お前もあのガキの様にしてやる!」


そう言って殴りかかって来た




イッテェ

少し頭が痛いからボォーっとしてただけなのに何で俺殴られてんだ?

殴ったやつは…あいつか…イライラする!通流さっさと殺っちまえ!


バゴッ


トールは殴られて少し後ろに飛ぶ


あ、殴られてる

何でいっつも殺らねぇーんだ?

ちっ、しゃーねーな俺が殺ってやる

撲殺タイムだ!!


「リョーガ…殺したらダメだぞ」

「ちっ、別に良いじゃねーかよ!」

「殺したらダメだ」

「わーったよ」


リョーガがトールの近くにより大丈夫かと聞こうと思ったがトールから注意を受けた


「テメェーら!何コソコソと話してんだよ!さっさと帰れって言ってんだよ!」

「うっせぇーわ!クソ老害が!お前らが天に帰りやがれ!」

「っんだと!!やれ!」

「「うらぁー!」」


今度は左右に立ってる男が殴りかかって来る

だが、リョーガは


「うぜぇーわ!!」


逆に殴り飛ばす


「……は?」


一番前に立っていた男は左右に居た2人が殴られ3メートルぐらい飛ばされたので唖然とする


「お前が悪いんだぞ。さっさと謝らないから」


トールは肩を竦めながら言う


そして、男の目の前まで来たリョーガは男を普通に殴る

それだけで、男は酒場の方へと5メートルの長さを吹き飛び、酒場の机へと追突する

そこには誰も座ってなかったので乱闘騒ぎにならなくすんだ


「もう良いだろリョーガ、さっさと依頼を受けて金稼ぐぞ」

「もう少し殴りたい!殴り足らない!ぶっ殺す!」

「やめろって!行くぞ!」


殴りに行こうとするリョーガの腕を掴み捻ってから引きずる様に連れて歩く


「イデェ!イデデデデ!分かった!分かったから話して!痛い!」

「分かったなら良いや」


分かったと言っているので手を離し歩かせてやる


そして、依頼板のFとEの場所を交互に見て依頼を探し始める


「zzzZZ」


「また寝てるのかよ…」


「次回、依頼受ける時は安全を確保して行おう」

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