1話
異世界に着きましては、考えて行動しましょう!!
「え?何で??さっきまで山だったよね」
「俺に聞くなよ!知るかよそんな事!それよりさ!メッチャ広いじゃん!ドリフトしよーぜ!ばっち決めてやるからよ!」
「いや、ここが何処だかわかってからな…」
「えーー!良いじゃん!」
「ダメだ」
「良いじゃ「ダメ!」ぶー」
通流は「勘弁してくれ…」と言いながら平原を走る
走る
走る
走る
「………………」
「まだかー!通流!」
「………………」
「通流!通流!通流!!」
「うるせぇー!今運転中!静かにしろ!そして、静かに運転させろ!」
「ぶーぶー」
さっきまで夜だったハズだ
だが、何故だ!
今は夕方だ!!
何故、夕方なんだ!
何故、夜じゃないんだ!
そして、何故3時間ぐらい走ってるのにずっと平原なんだよ!
途中から左に森があるけどよ
ナビだって山に入った時から動いてないし
ガソリンも残り少ないし
凌牙は隣で煩いし
地面ボコボコだし
トラックの振動で酔いそうだし
後ろに載せてるバイクが心配だよ!
「なーー!通流ーー!ショーンーベーンー!ションベンしたいよ〜漏れそうだ!」
最後だけキメ顔をし腕を出し親指を立てる凌牙
「はぁー、分かった。分かったから大人しくしてくれ」
「おう!」
そして、通流は左にハンドルを切り森へと入っていく
「ほら、ここで良いだろ?」
「おう!!」
「おい!窓からションベンしようとするな!」
「えー、いい「良くない!」へーい」
通流に叱られ、外に出て近くの木に立ちションする凌牙
「はぁー、ガソリンも少ないしココで野宿かな?家に連絡しとくか…」
通流は凌牙のションベンしてる後ろ姿を見ながらため息を吐き携帯を取り出す
「……最悪だ。圏外…………」
「どった?通流?」
「いや、何でもない。それより、もう良いのか?」
「おう!たっぷり栄養かけてきたぜ!」
ドアを開けて話しかける凌牙は携帯を持ちハンドルに頭を預けて項垂れる通流を心配し、何でもなかったと分かったら両手をめいいっぱい広げて腰を前後に動かしながら訳のわからない事を言う
「そっか。そりゃあ良かったな…それはともかく凌牙、今日はココで野宿な」
「えー、家のふかふかベッドにダイブしてナニできねーのかよ!」
「ナニって何よ?」
「ナニはナニだよ!詳しく言うとオナ「分かった」そか!」
「まー、戻ったら帰れると思うけどガソリンが足りない。帰りはバイクだ。ガソリン入ってるか?」
「おう!ばっちしだぜ!」
腕を突き出し親指を立てる
「そっか……もう暗くなってきたから今日は就寝だぞ。後部座席使え。俺は前で寝る」
「らーじゃ!」
そして、凌牙はドアを閉め後部座席のドアを開けて中に入って横になり
数秒も経たずに寝た
「ZZZZzzz」
「相変わらず寝んのはえーな…俺も寝るか……」
そうして、通流は運転席から助手席を使い寝る
ちなみにトラックは普通車、18歳で免許取りたての通流でも運転できる。通流の誕生日は凌牙と同じ4月の13日だ。
トラックには後部座席がありダブルキャブと言う物だ
翌朝
「はぁーーっ、朝か…凌牙は…いつも通り寝てるな…」
大きな欠伸をしながら起きる通流
凌牙を確認してからトラックの周囲を確認するが
「やっぱ、夢じゃなかったか…とりまションベンしよションベン」
夢じゃない事に落胆し肩を落とし、気を紛らわす為に森へと向かう
少し歩いたトラックから隠れた場所で用を済まし
さぁー帰ろうって時に
「GUGYA?」
「ん?」
振り返ると全身が緑で耳が尖り牙が少し飛び出ていて腰に布を巻いて棍棒を持った身長120ぐらいの子供?が立っていた
「GUGYAGYAAAAA!」
「え!?何だよ!」
そして、急に攻撃してきた
右手に持っている棍棒を振りかぶり通流を殴ろうとするが
「うおっ!」
通流は後ろに足を運び避ける。だが…
「あっぶねぇー!お前、メッチャはえーな!全然見えなかった」
緑の子供が動いた所が見えなかった
否、意識しないと見る事が出来ないぐらいに速かった
「GUGYA!GUGYA!」
「いや、何言ってんだかわかんねぇーよ!つか、ちゃんと日本語喋れよ!」
「GUGYAGYA!」
そして、また棍棒を振り上げ殴りかかってくる
通流は棍棒が振り降ろされる瞬間に左へと飛ぶように避ける
「ホンマに何なんお前!」
そう言って逃走するが
「GUGYA!!!」
逃げようとした方向からも緑の子供が来た
しかも3人だ
「あ、ヤベーな……話し合いって」
「「「「GUGYAAAAA!」」」」
「無理そうですね…」
通流は話し合いを求めるが緑の子供は殺気を向けながら棍棒を振り上げ叫ぶ
通流は諦めジリジリと逃げようと右のトラックの方向と逆に向かおうとするが
後ろから不意打ちをしようと緑の子供が襲いかかってくる
「うおっ!?ヤベー!マジでヤベー!何がヤベーってコイツらが、ヤベー!!」
通流は真上にあった少し太い木の枝を掴み足の裏で棍棒を受けてその木の枝を登り愚痴る
「GUGYAGYA?」「GUGYA GUGYA」「GUGYA!」「GUGUGYA!」
「やーいやーい!悔しかったらここまで来てみろ〜。べーっだ」
緑の子供達が木の周りで通流を取り囲む
その上で通流は緑の子供を挑発する
その木は枝が少し高い所にあり身長が180cmの通流でも手を伸ばさないと届かない所にある
ちなみに、凌牙は170cmだ
「ぐぼっ!」
調子に乗って挑発し続けていたら左の脇腹を蹴られ木の枝から右に吹き飛ぶように落ちる
「げほっ!げほっ!ったく、何だ…よ……」
蹴ったやつを確認しようと思い顔を上げるとそこにはゴリラがいた
いや、少し違う
猿か?
猿に蹴られたみたいだ
「UKIIIII!!」
「何だってんだよ!クソッ!」
その場から速攻で反転し愚痴りながら逃ようとする
だが、現実は非情だ
目の前にはさっきの緑の子供
左を見ても右を見ても緑の子供
後ろには猿
「だああぁあぁ!!そんなにやりたいんならやってやる!俺だって男だ!いつも凌牙の喧嘩に巻き添い食ってんだ!」
そう言い通流は気合をいれる為に胸をドンッと叩く
「UKIIIII!!」「GUGYAAAAA!」「GUGYA!GUGYA!」「GUGUGYA!」「GUGYAGYA!」
背後には猿と左右と前方2箇所から緑の子供達がいる
通流は何処からか取り出したのか右手に手術用のメスと左手に工具のハンマーを持っている
背後から猿が襲いかかってくる
「UKIIIII!!」
通流は猿の動く足音を聞きとり、すかさずに左手のハンマーを後ろへと見ずに振りかぶる
「はっ!」
「UKI!」
だが、猿は屈んで避け右手の爪で腹を攻撃してこようとしてくる
その腕をメスで切る
流れるように両脚を切る
「UGIIIIII!!」
猿を一先ず置いときメスとハンマーを上空へと投げ
左右から仕掛けてきた緑の子供の棍棒を持つ腕を掴み捻り上げ、その場で空中を一回転させる
「「GUGYAッ!!」」
まだ、左右の緑の子供が空中に回っている時に前方2人が襲いかかってくる
それを両手を前に突き出し先に落ちてきたハンマーを掴み2人の持つ振り下げられた棍棒を叩き軌道を変え、もう1つの落ちてきたメスで首の裏側を滑るように切る
既に空中を一回転し地面に叩きつけられた緑の子供は立ち上がろうとしている所を通流に脚を切られて立てなくなる
「ふぅー、終わった〜」
緑の子供4人と猿1匹を倒した
猿以外は殺してない
それ以外は身体を動かすための筋を切った
だから、動けないはずだ
当分か一生か
俺は余り生き物を殺しても忌避感は無い
慣れているから
凌牙は死に急いでいるみたいで死に感しては気にしてもいないだろう
いつも凌牙が喧嘩をして巻き添いにするから、本やインターネットで学んだ技術だ
この戦闘法以外にも色々と覚えてる
ただ、使う機会が無い
これまでは、凌牙が全て1人で片付けてるから
俺は凌牙の巻き添いを食い、人質にされる事が多いだけだ
「ほんと、この気味の悪い緑の子供?は何なんだ?メッチャ速いじゃん。メッチャ強いじゃん。猿に蹴られた場所と棍棒を受け流した腕痛いんだけど…」
そういい服を捲ると青くなっていた
「折れて………ないよな」
少し腕と脇腹を確認して折れてないのを確認する
「さて、っと、この緑の子供は……人間か?こう、ジックリ見るとバケモンだな……少しくらい良いよね?少し解体するぐらい」
通流は緑の子供をジックリと観察してから手を握ったり開いたりしながら何処からか解体用のメスを取り出す
「少しくらい…誰も見てないし…良いよね」
メスを緑の子供の首筋に当て力を入れて押し込みながら引く
プシュッ
「うわっ!血が黒じゃん!キモ〜」
そう言いながら次々と身体を解体していく
「内臓は人間と然程変化なし。外骨格が少し違うかな?あとは……何だこれ?」
身体の中からソレを取り出す
ソレは小指の先程の大きさで、ひし形をしていて赤く輝いている
「なんか、宝石みたいに綺麗だな」
太陽に透かしながら確認をする
傷などは見当たらず綺麗な色をしている
いや、少し違う
中には黒く淀んだ色をしているものが漂っている
よく見なければわからないぐらいだ
「なんか、旨そうだな」
通流はそう言ってひし形のソレを口に入れる
「味は無いな」
次は噛んでみる
すると、口の中で砕けた
少し歯に力を入れただけなのに砕け溶ける様に無くなった
「あれ?飴よりも脆いぞ…つか、砕けたの何処いった?…まぁーいいや」
通流は解体した緑の子供とそれ以外の緑の子供達と死んだ猿を放置してトラックに戻る
「あ、解体した時に黒いの着いたわ…トラックに水って積んでたっけ?」
独り言を呟き首をかしげながら
「ただいま〜……って、まだ寝てんのかよ」
トラックの中にある水系を探すが
「ねぇーな…しゃーない凌牙のレモンティーで良いや」
ドリンクホルダーにあるレモンティーを取り外で手に振りかけ洗う
「うし、これぐらいで良いか、とりま、凌牙起こさなきゃな」
後部座席の扉を開け寝てる凌牙の足を引っ張りトラックから引きずり下ろし地面に頭をぶつけて頭を押さえながら飛び起きる
「った!……んあ?…………通流?ここ何処?」
「昨日の事を思い出せ。そして、さっさと起きろ」
「おぅ、…………おやすみ」
「寝んなあぁあぁ!!!」
「ぐふっ!」
起きた凌牙は通流に何処かと聞くが再度寝て通流に腹を踏まれる
「ったく!何だよ!俺様が最高の気分で寝てるのによ!」
「何だよ!は、俺のセリフだ!いいからさっさと起きる!」
「ふぁーーい。で、ここ何処よ?」
寝ながらキレる凌牙だが、通流はそんな凌牙に怒る
そして、欠伸をしながら起きた凌牙は現在地を聞くが
「昨日は?」
「サーキットから帰った」
「んで、その後は?」
「……トンネル、草原、森、寝る」
「よく出来ました。ちなみに、朝食は無いよ?」
すると凌牙が捨てられた子犬みたいな目をして通流をみる
「そんな目でみんな怖いわ」
「俺のプリティーな顔を見て何処が怖いんだよ!」
「お前の目つきだよ」
凌牙の目は鋭い
とにかく鋭い
常に人を威嚇している様な獲物を狙う様な目つきだ
そして、イケメン
髪型は長めのウルフカットで髪を金に染めているので根元が黒い
自分で髪を切っているらしい
体格は俺と変わらず細っそりとしている
見た目によらず怪力で頑丈だ
「まぁ、そんな事は置いといてさ、さっき人みたいなやつ見つけたんだけど、どうする?」
「マジで?話聞こうぜ」
「いや、話が通じないんだよ」
「そんなの気合だ!お前は気合が足りなかったんだよ!」
「いや、よくわからんから…」
「分かれや!」
「それで、わかるやつは凄いと思うぞ」
凌牙は話は終わったと体現した様に立ち上がりトラックの中にあるタバコを取り吸い始める
「はぁー、まぁー、人?がいる事は分かったから今日は別の人を探すぞ」
「通流が見つけたのじゃダメなのか?」
「アレは日本語喋ってないしダメだ。それに危ない」
「そっか、んじゃさ、探すんならついでにバイクで走ろうぜ!」
「まぁーいいけど…帰りのガソリン分だけでも残しとけよ」
「わーってるよ!」
「なー、通瑠〜」
「何だ?」
「眠い」
「我慢しろよ…」
「おやすみzzZZ」
「はぁー…」
「次回、街に着くまでが遠足と思うなよ!」