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9話



「成る程、そういう事があったのか……」


リョーガがこれまであった事を泣きながら話してくれた

リョーガが泣くなんて珍しい…


「ゔぅ、ドールゥ〜……」

「うん、大丈夫だからな、話を聞く限り、教国の連中だと思うし。教国に行くか」

「ゔん」

「ただな〜、連れて行かれる場所って言ったら中心の都市だと思うし、馬車で行ったら1ヶ月はかかる距離だろうしな…」


どうするか…馬を借りても操縦できないし、馬車も乗って行ったとしても追いつけないし

もしかしたら、着いたら終わってるって事もありえる

んーーー……………

あ、乗り物あんじゃん!

急ぎだからトラックは無しで、バイクで行くか


「リョーガ!行くぞ!さっさと用意しろ!」

「わがった」


バイクを整備してて良かった…

いざという時の為って思ってたけど、こんな時に使うとは思ってなかった


「用意できたか?」

「(コク」

「何時までも落ち込んでたら、お前らしくないぞ。さっさと元気出せ」


俺はリョーガを励まして、倉庫へと向かう


リョーガも後ろからトボトボと着いてきている

泣き疲れて寝るってのは やめて欲しいけどな!


「さて、行くか」


俺とリョーガはフルフェイスを被り、バイクに跨りエンジンをかけ、出発する


かなり、距離があり、詳しい場所まで俺は知らないから聞きながらになるけど、まだマシだろう


一応、街の中は人が沢山いて危ないからユックリと走った

走ってる途中の視線は酷かった

気にしちゃダメだ、気にしちゃダメだ、気にしちゃダメだ、気にしちゃダメだ、気にしちゃダメだ、気にしちゃダメだ


よしっ


改めて、教国へと出発!


門を出て教国へと向かうであろう道無き道を一直線に進む


1日目は野宿

まだ、教国の街には着いていない

休みなく走り続けて、ガソリンをリョーガに入れてもらい、明日に備えて寝る


2日目 夕方、街に着いた

初めは警戒されたけど、人間だと分かったら警戒を少し解いて、冒険者だと説明しながらカードを見せると完全に解いてくれた

そこで宿屋に泊まる

バイクを馬車小屋へと入れ、ガソリンも入れ

リョーガはベッドに乗った瞬間就寝

俺は飲み屋に行って情報収集

リョーガはまだ落ち込んでいるみたいだ


3日目 向きがわかった

目的地は教都

教国の中心であり、そこに国の重鎮が集まっているらしい

ここから馬車で2週間かかる場所らしい

何かするならココしか無いだろう

リョーガと俺は休まず、走り続ける

燃料が無くなればリョーガに入れてもらい、走り続け、夜になると野宿の準備をする

準備と言ってもバイクのシートの上で寝てるだけだ

リョーガは地面に寝てる

夜は冷えるな…


4日目 昼、街に着いた

けれど、目的地はここでは無い

まだ、先だ

ここで一泊する事にして、俺は情報収集と食料収集だ

と、言っても、その辺にいる魔物を狩って食ってるから、調味料やらと少しだけだ

俺も今日はゆっくり寝れそうだ……


5日目 朝日が昇る前に出発

少しくらい道をライトで照らしながら走っている

昼になり、ちょうどバイクの燃料が少なくなったので燃料入れるののついでに休憩した

リョーガは少しマシになってきた

けれど、少し落ち込んでいて口数は少ない

リョーガが魔物を狩り、それを俺が料理する

今日はホーンラビットだ

この肉は美味しい

リョーガも元気が少し無いがガツガツと食べてるから良しとしよう


昼の休憩も終え、少しバイクの不備を整備してから出発する

ずっと、ガタガタとした道だったのでリョーガのバイクはボロボロになってきている

パーツを交換しなきゃいけないけれど、今は急いでいるから騙し騙し使わなきゃ行けないだろう


6日目 夜、少し走っていた時にこれまで見た街よりもデカイ街が見えた

ここからでも見えるのは、大きな壁に上から城の様な教会の様な建物が突き出て見えている

建物の天辺にはバツ印に剣が突き刺さった様な物がある

たぶん、話で聞いてた事から、この街が教都シーチャートなんだろう


もう、この時間には門は閉まっているので入る事は出来ないだろう

門の周りにはチラホラと火が見える

たぶん、中へと入れなかった者達なんだろう

俺とリョーガもその中の1人になり、一晩をその場で過ごす

俺は相変わらず、周りの人達と話をしたりして情報収集

リョーガは壁に寄りかかり寝ている

そりゃあ、疲れるよな…

頑張れリョーガ

俺は弱いから指示しか出来なくてゴメンな…


7日目 街に入れた

中はこれまでの街よりも人が多く、気分が悪くなる

リョーガと宿屋に行き、バイクを馬小屋に置かしてもらい、俺は情報収集

リョーガは部屋に居る

何をしてるのかは知らない

「少し1人にしてくれ」って言われたから


情報を集めた結果、2日後に聖女一行がここの大通りを通るらしい

俺達はそれらを抜いてきたってわけだ…

それでも、聖女、マリアを連れて去って行った奴らも随分と速いな…

俺らでも60〜80km出してたんだぞ?

ま、細かい事は良いか…


もっと大切な情報があった

2週間以内に勇者が召喚される事と行われる場所が街の真ん中にある教会で非公開と言う事を

穏便にマリアを取り戻すには……さて、どうするか……………



この街を聖女達が来る前に全て調べた

もちろん、路地から教会内部への侵入ルートと教会内部のほぼ全てだ

聖女達が来る前までに何とか全てを調べ終える事が出来た

明日、聖女達が来る予定だ

たぶん、そこにレインも居るだろう…

そろそろ宿屋に帰っても良いかな……

1人にって何時までさしてれば良いんだろう…

あんな事言うの初めてだから心配だ

まぁー、深く考えても何も始まらないか…

色々と報告などもしなければならないしな



コンコンコン


「リョーガ、入っても良いか?」

「………トールか?」

「それ以外に誰がいる?」

「…………………」

「入るぞ」


ガチャ


鍵は開いてた

いや、開けていたのか?


中にいるリョーガは、まだ納得の行かない様な不満がある様な顔をしているけど、マシになった様だ


「もう良いのか?」

「ん」

「そうか、んじゃ、奪還作戦の話でもしよっか」

「ん」

「まず、レインを取り戻す。レインが居る場所はまだわからないけど、これから調べる。

んで、マリアは勇者召喚とやらが行われる時に行う。その時が周りに一番人が少なくて証拠隠滅も楽そうだからだ。分かったか?」

「分かった」


リョーガは頷き返事をする

珍しいな人の話を聞くなんて…


「そか………気分転換に外に出てみたらどうだ?依頼でも受けてさ…」

「そう…だな。そうしてみる」


やっぱりだ

少し怖いよ

リョーガは返事をしてから大剣を持ち出て行った

あの調子だと、あいつらを取り戻さなきゃ戻らないだろうな…

困った………

リョーガが頑張ってくれないと俺、弱すぎて何も出来ないのに…



○○○○○○○○○○



俺が余所見してたから

俺が悪いんだ

俺のせいで…

俺が暇だって言って連れて行かなければ

俺が…俺が……


レインとマリアは家族みたいに接してくれた

俺の家族…

もう、家族を失うのは嫌だ

トール………


コンコンコン


「リョーガ、入っても良いか?」

「………トールか?」

「それ以外に誰がいる?」


トールみたいだ

昨日、部屋から追い出してしまったから怒ってるだろうか…


「…………………」

「入るぞ」


ガチャ


どうすれば良いのだろう…

どの様な顔をすれば良いのだろう…

俺は……


「もう良いのか?」

「ん」

「そうか、んじゃ、奪還作戦の話でもしよっか」

「ん」

「まず、レインを取り戻す。レインが居る場所はまだわからないけど、これから調べる。

んで、マリアは勇者召喚とやらが行われる時に行う。その時が周りに一番人が少なくて証拠隠滅も楽そうだからだ。分かったか?」

「分かった」


わかった

トールが言うんだ

その通りにした方が良いだろう…

いつもみたいに勝手したらマリアとレインを助けられなくなるかもしれない

そんなのは嫌だ!

絶対に連れて帰る!

俺の新しく出来た家族をまた失いたくない!

また失くしたくない!

もう寂しいのは嫌なんだ!


「そか………気分転換に外に出てみたらどうだ?依頼でも受けてさ…」


そうだな…

気分転換には良いかもしれない…

トールの言う通り行ってこようか……


「そう…だな。そうしてみる」


俺は近くに置いてある剣を持ってギルドへと向かう



○○○○○○○○○○



私達は今、馬車に乗せられています

ここが何処だか分かりません

私は周りを確認してますが、周囲には布が垂れているので分からないのです

レインさん猿轡をされ、頭から布を被せられています

たぶん、周りにいる人達は教国から私を連れ戻しに来た追っ手なのでしょう

先程、明日にシーチャートに着くと伝令を走らせていました


教国に着けば、私は勇者召喚の生贄とされ、レインさんは牢獄へ行くか、処刑されてしまうでしょう

もしかしたら、王国のランキートに居る、リョーガさんやトールさんが酷い目に合うかもしれません

私が逃げなければこんな事にならなかったのに

申し訳ございません。トールさん、レインさん、そしてリョーガさん……



○○○○○○○○○○



「やっと来たか…にしても、すごく人多いな。こんなに居たんだな」


周囲には人、人、人、人、人、人、と人しかいない

王国みたいに獣人やエルフ、ドワーフなどの他種族が一切いない

前に、酒場に居た冒険者に聞いた話では、教国に他種族が居ない理由は崇拝する神が違うのと、人間では無いって所らしいけど

帝国はもっと酷いって言ってた

んで、教国と帝国は他種族の事を纏めて亜人って言ってるみたいだ

要は差別ってこったな


それよりも、だ

たぶん、今目の前でゆっくり走っている豪華な馬車の中にマリアが居るのだろう…

レインは居るのかな??

何か合図でもあったら良いんだけど…


兎に角、最後まで着いて行くか……



○○○○○○○○○○



もう夜だ

トールの言った通り、依頼を受けて魔物を殺したり暴れたりしてたら少し気が楽になった


帰ろう…


レイン達、無事だと良いんだけど……


「ただいま」

「おかえり」


既にトールは帰ってたみたいだ


「レインとマリアの居場所が分かったぞ」

「ホ、ホンマか!?やったらすぐに「ダメ」何でだよ!」


俺は早速助けに行こうと思ったけど、トールが止めてきた


「お前には力がある。けど、俺には無い。だから、お前には必要な時に出てもらうよ。俺は俺で出来る事をするからさ」

「…………」


何も言い返せない

俺はそんなに頭も良く無い


「そんなに睨むなよ」

「睨んで無い。これが普通だ」

「そうか、また、決行する日程が決まったら言うからそれまでは自由にしてろ。兎に角、1人で突っ込まない様に!」


そう言って部屋から出て行った


いつも夜、1人で何処に出かけているんだろう?



○○○○○○○○○○



さて、レインを迎えに行くとするか


レインの居る場所は中央の教会から離れ、街の外壁付近にある地下に掘られた牢獄だった

マリアは教会内に入ってからは確認していない

レインを取り戻した後に見に行くつもりだ

俺1人じゃ、教会内の兵士の目を潜るのに精一杯なのに、もう1人増えたりしたら流石に連れ出せない

それに比べて、既に下見していた牢獄の方が楽だ


牢獄の前に着いた


見張りの兵士が2人

昼間に見に来た時と変化なし

人は変わっているみたいだな…

今いる場所は牢獄の一番近くの100mほど離れた建物の上で兵士を観察している

そして、生憎と今は夜で雨が降ってる

最悪の天候だが、最高の天候でもある

俺の服装は、その辺の露店で買った黒い外套を着ている

太刀はデカくて目立つので宿屋に置いてきた

靴の中に水が入ってグチョグチョして気持ちが悪いのでさっさと済ませよう


懐から吹き矢を取り出す

この吹き矢は、この世界に来てから木を削って造った

吹き矢に使用するのは即効性のある毒を付けた針である

毒はギルドで調べたの毒を色々と混ぜて魔物に試して、その中で最も強力で即効性のあるのを作ってみた


それを、手に毒が着かない様に持ってセットし息を勢い良く吹く

続けてもう一本

兵士は首筋に当たった。当たった箇所に手を当て確認しようとした時に倒れて、隣の兵士がそれに気付き近付こうとした所で倒れる


さてっと、兵士を近くの茂みに隠してっと中へ行きますか…


にしても、この街に来てかなりの人を殺したな……

一応、隠してはいるけど、見つかったらどうなるのやら………


殺した兵士を隠し終え、階段を降りていく

階段が途中で左に曲がり、その先は部屋みたいな場所で真ん中に机が1つと椅子が4つある

そして、その一席には看守かな?が座ってうたた寝しているみたいだ

音を立てない様に靴と靴下を脱ぎ、そろ〜っと近付き、刃に毒を着けた短刀であまり血が飛び出ない様にするために髪を掴み一瞬で喉へと短刀を押し込む

看守は少し暴れ俺を睨むが、すぐに力尽きる


後は、看守の持っている鍵を取り牢屋を見て回る


そこには、ドワーフや子供みたいなエルフなど沢山の他種族が居た


皆、巻頭服を着ていて、目に正気が無く、殴られたり蹴られたりしたのだろう痣が目に見えて分かるぐらいにある


牢獄の1番奥にある右手側に牢屋の中にレインが居た

寝ているみたいだ

レインも巻頭服を着せられているみたいだけど、暴力は受けてないみたいでホッとした

もしそんな事があれば、リョーガがブチ切れて大暴れする可能性が大だからだ


ガチャガチャガチャカチッ


開いた開いた


「レイン、迎えに来たぞ。起きろ」

「……んん、ん。トール?」

「あぁ、そうだぞ」

「夢?」

「違うな」


少し寝ぼけてるみたいだな

両方の頬を引っ張ってやる


「んぃーー、痛いよ!」


バチンッ


手を払いのけて頬を叩かれた

ヒリヒリする

俺は叩かれた頬を撫でながら


「ここから出るぞ」


そう言ってレインの居る牢屋から出る

ついでに周りの他種族が居る牢屋も開けて回る

こいつらが逃げてくれば脱出が楽になりそうだし


「ほれ!お前ら!牢屋の鍵は開けたんだ!さっさと兵士が来る前に逃げろ!」


大きな声で周りに言ってやる

牢屋に捕まっている奴らも牢屋の扉を開き外に恐る恐る出てくる

目に正気が少し戻ってきているみたいだ


「レイン、騒がしくなる前にここから出るぞ」


隣に来ていたレインに告げて歩き出す

途中で殺した兵士を担ぎ出入り口へと向かい、見張りの兵士を隠した場所と同じ場所に隠す


「さっさと行くぞレイン」

「う、うん」


他種族の皆がゾロゾロと出てきて居るので騒がしくなるのも時間の問題だろう

早く宿屋へと戻らなきゃな

ちなみに、取った宿屋は路地にあってボロボロの場所だ

宿屋へ入った時、店番の子はヤル気の無さそうな顔で天井を見上げていたので、そこを選んだ


今回は屋根から部屋へと入るので、駆け上がる様に家の屋根へと登り、下にいるレインを引っ張り上げてやる


そして、屋根を使って宿屋の泊まっている部屋まで向かう

部屋の窓はキチンと開けている

窓の側に『閉めるな!』ってメモ帳を書いて置いたからリョーガも勝手に閉めないだろう

って言うか、寝てると思う


屋根から屋根を飛び、時には下に降りてから屋根へと登る

ちなみに、外套はレインに渡している

外套に付いているフードを被せたら耳は何とか隠す事が出来たから


何度も雨で足を取られそうになって屋根から落ちそうになったけど、やっと宿屋に着く事が出来た

窓はちゃんと開いているし


リョーガ読んで寝たのか?それとも、開けっ放しで寝たのか?


そんな事はどうでもいいか

さっさと中へ入り、レインも中へと入れ窓を閉める


「おかえりレイン。リョーガは寝てるけど気にしないように」

「うん、ありがとう。そして、ただいま」


スッゲェー可愛いかった

今の笑みメッチャクチャ可愛かったよ!

今のリョーガに見せてやりたかった!!


「そっちの空いてるベッド使いなよ。それと、人には見つからないようにな」

「え?トールは?」


心配そうにコッチを見ている

けどな〜


「俺はまだ用事があるから、気にするな」

「わ、分かったわ。ありがとう」


用事があるんだもん

寝たいけど、やらなきゃしゃーないだろ


レインに渡してた外套を返してもらって、外へと向かう


次は、マリアの居場所だ

居場所だけでも知っておかなければな!





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