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クロスロード  作者: 八尺瓊
~第一章 シロヤギさんとクロヤギさんの手紙~
3/31

3:匠と水無月 VS 鞘子(義母)プラス 純姉(義理姉2)

僕が洗面所で倒れてすぐに2人目の義理姉 純姉さんが駆けつけてくれて、助けてくれました。

純姉さんの膝枕で、僕の鼻にはティッシュがつめられて止血してもらっていた。


「みーちゃん何してるの?」


純姉さんに少し怒られ気味に言われ、口をあひるのように尖らせながら、水無月姉さんが言い返す。


「だってココ最近お仕事で、たくちゃんとスキンシップとってなかったし。(小声で)寂しいし。。。」

「ここ最近って2日しか会わなかっただけ。みーちゃんはたくに、過保護すぎ。」

「だってだって。」


二人の言い合いは、この後2分間続いて、その後、二人で僕の自室に運ばれた。

ベットに寝かせてもらって、起きた頃には学校の1時間目が終わった時間になっていた。


「はっ!?ここは?」


気がついてなんで自室で寝ることになったかを思い出す。

起き上がると同時に違和感があった鼻に刺してあった二本のティッシュを抜くと、乾いた血の跡が、寝ていた時間を感じた。


「ああ~。」


学校を遅刻してしまったと理解して、頭を抱え仕方ないかと思う。

水無月姉さんと姉弟になってからほぼ毎日一緒にいて、2日も顔を見なかったことがないぐらいくっついてくる人なのだが、最近裏の仕事で家を空けることが増え、学校にはどうやって申請しているのかわからないけど、欠席扱いではなく、特殊処理で主席扱いになっている。

僕は関係ないので、1時間目を完全に遅刻となってしまった。

今から家を出れば、3時間目だなと思い、学校に行く気がなくなったが、どうしても行かないといけない用事があり、支度を整える。

鏡に映る、制服姿のぷちょな僕が滑稽でいつ見ても悲しくなる。


「またそんな顔して~。」


後ろから急に声をかけられてビク!!となる僕をうれしそうな顔を見る水無月姉さんがいた。


「えへ。たくちゃんが起きてくるのを待ってたんだよ。」

「急に声をかけられたら、びっくりするじゃないですか?!」

「びっくりした?」


にや~と悪そうな顔をして僕に近づいてくる水無月姉さんが僕をぎゅっと抱きしめる。


「大丈夫だよ。たくちゃんは誰よりもかっこいいこと私が知っているからそれでいいじゃない。」

「みーちゃん、たくがかっこいいのはわかってるけど、たく、みーちゃんの胸で圧迫死しちゃうよ。」


いつの間にか水無月姉さんの横に立っていた純姉さんの言うとおり僕は、水無月姉さんの胸に顔を埋めれらており、じたばたと腕と体を動かしていた。


「あ、ごめん。」

「みーちゃん、それは私に対する嫌がらせ?」


純姉さんがほほを膨らませて怒っていた。

1卵生なのに体の作りは対照的で、水無月姉さんがぼんきゅぼんに大して、純姉さんは長距離のアスリートのようにスリムで、胸に関しては、Cカップらしく(ちなみに水無月姉さんはFカップ)胸がコンプレックスになっているようだ。

僕からすればCカップも大きいと思うのだが・・・。

で純姉さんに胸についてのネタが禁句になっていた。

やばいと思った。

純姉さんがこのネタで怒り始めると、バトルが始まる。

止められるのは・・・。


「こらこら、姉妹でなにやってる。」


ドスの利いた女性の声に二人が固まる。


「お義母さん。いたのですか?」


お義母さん 神野 鞘子(旧性 藤堂)がいてる疑問を口にすると、お義母さんは僕に近づき、ほほにキスをする。


「う~~~~ん。もうこのまるっこい体型がかわいい~~~。けどたくちゃん。”お義母さん”ではないでしょ。お父さんがいないときは鞘子さやこさんって呼んでっていつも言っているでしょ?」

「お、お、お、お母さん?!たくちゃんにな、なん、なんて事をするんですか?!

「は~?かわいい息子にちゅーしてなにが悪いのよ?ね~たくちゃん。」


この話を僕に振らないでほしいです。お義母さん。

見た目が20代後半の女性で、顔はもちろん美人。スタイルも水無月姉とほぼ一緒で2人が隣を歩いていると、姉妹ですか?と聞かれるぐらいらしい。(お義理母さんいわく。)


「たくちゃんだってこんなおばさんより、私みたいなおねいちゃんのほうがいいよね?」

「だれがおばさんだって~~~。水無月言うようになったじゃない。表出る?」

「今日こそ下克上です。」


意気揚々と僕の部屋を出て行く二人。

残された、僕と純姉さんは、顔を合わせると、「はぁ。」とため息をついた。

5分後にぼろぼろになった水無月姉さんがリビングでぴくぴくしながら真っ白になっていた。


「いや~、まだまだ修行が足りないね。これじゃあたくちゃんを守れないよ。」


水無月姉さんをぼっこぼこにしてストレスが発散できたのか超ご機嫌なお義母さんの話を聞きながら反応する水無月姉さんだったが、それ以上にぼろぼろすぎて動く事すらできない状況だった。

水無月姉さんの状況をみて純姉さんが苦言する。


「お母さんやりすぎ。」

「純。やりすぎって事はないのよ。稽古はぼろぼろになるまでやるのがうちの流儀だからね。」


僕もやりすぎだったと思ったので、ちょっと怖かったけどお義母さんに言ってみた。

「お義母さん。僕も少しやりすぎだと思います。」

「うん。お義母さんもそう思う~。ごめんねたくちゃん。」


誤りながらお義母さんは僕にくっついてくる。

お父さんが外出しているときは必ず僕をおもちゃにしてくる。

やめてくださいといつも言っているけど利く耳なんてお義母さんが持つわけもなく、さっきみたいに水無月姉さんが立ち向かって返り討ちにあう。


「お母さん。たくが嫌がってる。」

「え~~嫌がってないよ。ね~?」


お義母さんの顔の後ろに鬼のような気配を感じ、無言で縦にうなずく。

だって怖いんですよ。

うちでお義母さんに逆らうのは水無月姉さんぐらいだった。


「ほら~。たくちゃん嫌がってないって純。」


すごいうれしそうににや~と笑うお義母さん。

それを見て純姉さんの顔がじとーと僕の顔を見てくるのは仕方のないことだと感じております。

けど僕もまだ死にたくないわけで。


「そういえばお母さん。お義父さんは?」

「そうそう。あなたたちに言いたいことがあって、広島で別れてお母さんだけこっちに一旦帰ってきたの。けどお母さんもすぐに博正さん(お父さんの名前)のところに帰るから。」

「いいたいことって?」

「お母さん達しばらく海外に行くことになったから、長期で家を空けるから3人でがんばってね。お金の管理等は純に任せるから。」


僕の心の中では、え~と反論したい気分になっていた。

お父さんとお義母さんがいてくれていたからまだ、水無月姉さんの暴走を止められていたけど、純姉さんじゃあ水無月姉さんは止められないし、もちろん僕じゃあだめだ。

僕達が話をしている間に回復したようで、水無月姉さんがうれしそうに起き上がってきた。


「お母さん。大丈夫。何も心配いらない。後のことは私と純ちゃんに任せておけばたくちゃんは幸せになるから。」

「私はそれが心配で釘を刺しに帰ってきたのだけど?いいあなた達は姉弟なの。それ以上でもそれ以下でもないのわかってる?」


アヒル口になりながらあさっての方向を向く水無月姉さんに、お義母さんは鬼の形相をしながら水無月姉さんの顔を自分に向け「わかったか?」と釘を刺す。

一瞬しょぼーんとなった水無月姉さんだったが何を思ったのか、急に物分りがよくなった。


「お母さん、わかった。我慢する。」

「水無月、あなた今、”お母さんがいなくなったらどうとでもなる”と思ったでしょう?」


ぎく。と顔に思いっきり書いてある水無月姉さんだったが、「そんな事はないですよ~。」と平静を装ってみる。

そんな水無月姉さんの気持ちはお義母さんにばればれで、は~とため息をつきながら、なるようになるかと気持ちを切り替えたようだった。


「とりあえず、家のことは純に任せるし、たくちゃんの事は、”湊さん”に任せるから。いいわね。」


水無月姉さんの目が大きく見開かれ、なんで?!とまた顔に描かれる。わかりやすい人で純姉さんも、は~とため息をつく。


「み~ちゃん。そんなことだから、お母さんがみなとに任せるって話になると思う。」

「いやだ~~~。湊ちゃんなんかにたくちゃん取られたくない~。」

「みなづき~~~~さっき我慢するって言ったでしょ。」


色々墓穴を掘っている水無月姉さん以外はため息をついていた。


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