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声優!  作者: Taku
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養成所卒業

「やっと終わったね」福元志帆ふくもとしほ鳴瀬なるせかおりの肩を抱きながらいった。二月下旬の空は青く澄んでいる。風はまだ冷たいけれど春の予感を含んでいて、触れる物全てを春に向けて押しやろうとするようだった。今日は養成所の卒業式だった。東京の都心から離れたところにあるこの養成所でかおりは二年間を過ごした。かおりがこれまで育った田舎とは違い人は多いし歩く速度は速く、クラスのみんなの行動もてきぱきとしているように見えた。ようやく電車の乗り継ぎにも慣れて目的地までたどり着けるという自信を持ち始めた頃に卒業はやってきた。養成所の授業内容は厳しく生徒ひとりひとりの進捗しんちょくに合わせるのではなく限られた時間内に声優としての最低限の技術を身につけることに置かれていた。専門学校の中には三年間をかけて声優を育成するところもあり、同等の内容を二年間で修了することを考えれば当然のことといえた。だが一人では授業についていけないという厳しい現実のおかげでかおりはかけがえのない友人を得ることができたと考えていた。その一人がこの福元志帆ふくもとしほだった。



「帰り何食べていこう。卒業記念に回るお寿司行こうか」かおりの頬を一指し指と中指、親指の三本で寿司を掴むように軽くつまみながいう。「柔らかいなぁ。かおりのほっぺは」かおりはむうと顔を動かして志帆の指から逃れながらいった。「みんなはどこにいったのかな」かおりが後ろを振り返るとビル内のエレベーターの前で美香みか瑞希みずきが下級生に囲まれているのが見えた。「憧れの美香みか先輩と瑞希みずき先輩が卒業しちゃうんだ。あの子たちも寂しいだろうね」志帆も後ろを振り返っていった。

「私たちのことを懐かしんでくれる人はいるのかな」かおりと志帆の隣から声がした。二人が声のした方向を見ると原理緒はらりおが立っていた。手にはパンのたくさん入った袋を持っている。「理緒りおどこに行ってたの」志帆がたずねると理緒は手に持った袋を掲げていった。「パン」「ああ」かおりと志帆の声が重なる。この二年間のほとんどの昼を理緒はパンを食べて過ごしてきたのだ。昼食前になると養成所の前には弁当屋やパン屋の白いバンが停まる。理緒のパンの食べ方は変わっていて、一週間続けてサンドイッチを食べ、その次の週は毎日がチョコツイストだったり、二週間続けてカレーパンを食べたりしていた。飽きないのかと周りがたずねても「何で」と見つめ返していた。しまいには一緒に食べているかおりたちの方が飽きてしまい、「お願い。もうカレーパンは勘弁して。今日はメロンパンにして」などといったりしていた。それだけパンを愛食してきた理緒りおだ。卒業式の日にパンを買い込むのも頷ける。「パン屋さんは理緒のことを懐かしんでくれるだろうね」志帆がパンでたわわに膨らんだ白い袋を見ながらいう。「うん。このパン卒業祝いだっていってもらっちゃった」理緒の目が笑っているけれど潤んでもいる。



養成所の前に来るパン屋は穂村パンという店で、少し離れたところにある駅前の商店街からやって来る。おじさん、おばさんと二十代くらいの息子でやっていて代わりばんこにバンを運転してくる。「私パン屋になろうかな」と理緒が穂村パンの白バンを見ながらいう。今日はおばさんがやってきているようだ。リアドアを上げた車の周りで白い帽子をかぶって立ち働く女性が見える。「それもいいけど、パン屋さんと結婚すれば声優も続けられるよ。パンは食べ放題で」志帆が穂村パンのおばさんに手を振り、会釈えしゃくをしながらいう。かおりも続いて頭を下げる。おばさんがおいでおいでと手を振るので三人揃って白バンに近寄ると、おばさんがパンの詰まった袋を二つ、かおりと志帆に差し出していった。「卒業おめでとう。みんなよくがんばったね。これから大活躍するのをおばさん楽しみにしているからね」

「おばちゃんありがとう。このパン食べてがんばるね」志帆がおばさんと握手しながらいう。「ありがとうございます。おばさんのところのパン大好きです。また食べにきます」かおりも頭を下げていった。三人でにこにこ笑っているおばさんに手を振って養成所の前まで戻ると美香みか瑞希みずきが出てきたところだった。二人とも手には花束を抱えている。外にいる三人に気が付くと走ってやってきた。「うおー卒業しちゃったね」美香が花束と一緒に志帆に抱きつきながら叫ぶ。「やめてパンがつぶれるぅ」志帆がなんとかパンの袋を抱擁からかわしながら悲鳴をあげた。



「三人ともパンたくさん買ったね」瑞希が袋を見ていう。「花束をくれる後輩はいないけど、パンをくれるおばちゃんがいるんだ。やっぱり花より団子」理緒がいばっていう。「これからご飯食べに行こうと思っていたけれど私たちもパン買ったほうがいいかな」瑞希が穂村パンの白バンを見ながらいう。おばさんは反対側で荷物の積み卸しをしている。「私こんなに食べきれないから瑞希ちゃんと美香ちゃんにもあげるよ」かおりがいう。「私のもあげる」抱擁から解放された志帆がよろめきながらいう。「最後にいつもの公園で食べるのもいいね。あ、でも夜は卒業記念で豪華なのが食べたいよ。回るお寿司とか」「豪華なのか、回るお寿司」理緒が歩き出しながらいう。「やはり中華でしょう。満漢全席」「満漢全席って・・その勢いは買うけれど。私は美味しいお酒が飲めればいいや」美香が理緒の隣を歩きながらいう。「私はピザ食べたいな。かおりは」瑞希がかおりを見ていう。「どれも美味しそうだし私はみんなと一緒ならどこでもいいよ」公園に向かって歩く四人の顔を見ながらかおりは笑っていう。「夜までに決めればいいか」美香が花束をくるくる回しながらいった。



公園では梅の花が咲き始めていた。散歩をする人影がちらほら見える。五人は自動販売機で飲み物を買って正方形をした二畳ほどの広さの木でできたベンチに腰掛けた。



「卒業ってあっという間だったね」理緒がストレートティーを飲みながらいう。ベンチの真ん中に三人がもらったパンが色とりどりに広げられていてパン屋の棚のようだ。「雨の日と風の強い日以外はここで昼食べたな」瑞希がサンドイッチを手にとりながらいう。

「ずっと養成所の中にいると息が詰まってしまうものね」志帆が焼きそばパンを手にしていう。「体育の授業とかないんだものな。好きなことだから授業は楽しかったけれど他の学科で一日中授業や実技って耐えられないよね」美香はコロッケパンを手にとっていった。それはそうだと他の四人が頷く。「そう考えると好きなことってすごいね」グラタンパンを手にしたかおりが呟くようにいう。

「でもこれからなんだよね」理緒がエッグアンドソーセジパンを高く掲げながらいう。日の光を浴びて卵とソーセージがキラキラと光る。「いい人と出会ってお付き合いして結婚、育児に老後のホーム選び、お墓も買わなきゃ」

「どれだけ現実逃避してるんだよ。これからっていったらオーディションだろ。もう明日から予定は入っているんだから」瑞希がいう。

「そうなのよね。卒業したらのんびり春休みじゃないのよね」志帆が恨めしそうに手に持った焼きそばパンを見ながらいう。「でも卒業旅行は楽しかったな」五人は年末に二泊三日で九州に行っていた。



「うん。あれは楽しかった。瑞希と理緒の運転はすごく怖かったけれど」美香が懐かしむように目を細めていう。この五人では運転免許を持っているのが瑞希と理緒だけだったのだが二人ともペーパードライバーで初日は五人ともひやひやし通しだった。

「レガちゃん元気かな。また乗りたいな」理緒がいう。ぶつからない車で安心だということでレンタカー会社の人に勧められるままに五人乗りのワゴン車を借りて九州の道を走り回ったのだ。初日は不安な運転だったが二日目には楽しくドライブできるようになり、愛着が涌いて名前までつけたのだ。セルフの給油所に立ち寄ったときは「ご飯だよ」と話しかけていた。最後に車を返す際には頼まれもしないのにガソリンスタンドで洗車をして返していた。



「またみんなで旅行したいよね」かおりはシーソーの土台近くを歩き回る鳩を見ながらいった。

「そうだな」瑞希が空を見上げていう。

「夏っ。夏になったらみんなで旅行しよう。それまではオーディションを受けまくって仕事をがんばろう」美香が空を見上げていった。

「北海道っ。夏といったら北海道」理緒が空を見上げていった。

「ウニ、イクラ、タラバ蟹にソフトクリーム」志帆が空を見上げていう。「あの雲がソフトクリームに見えてきた」

「オーディション、がんばらなくちゃ」かおりは空を見上げる四人を見て、それから空を見上げていった。かおりたちは養成所を卒業し、養成所系列の事務所へのオーディションに合格し、三年間の仮契約の身分を手に入れていた。これからは事務所を通じて制作会社のオーディションを受けて、仕事を自分の手でとらなくてはならない。といっても競争率は高く、そもそも制作会社のオーディションの前に事務所内での選考に残らなくてはいけない。声優業界が厳しいといわれる所以ゆえんでもあった。



公園で昼食を済ませると街に出て買い物をすることになった。普段は養成所での勉強が終わるとそれぞれのアルバイトへと出かけるので五人揃って買い物に出かけることは珍しい。他人の意見が聞けるいい機会なのでオーディション用の服を重点的に見て回ることにした。

「美香にその色は似合わない気がする。顔立ちが明るいんだから服もそれに合わせたらどうかな」と理緒がシャツを選んでいる美香にいえば、「かおりはこの色が似合うんじゃないかな。かおりの白い肌が引き立つと思うよ」と瑞希が意見してくれた。普段から美香と瑞希と理緒は服装への関心が高く、ファッション感覚の良さは自他ともに認めるところだったので、かおりと志帆はこれを幸いに服を買い足した。



実際に買いたい物や必要な物でなくても友人と揃って店を周り、かわいい物をかわいいと言えたり、友人が見つけてきた奇妙な物に驚いたり、笑ったりすることは楽しかった。時間は瞬く間に過ぎ街灯やネオンの光が灯りはじめる頃に「もう歩き疲れたしお腹も減った。そろそろ夕食をどうするか決めないと」と理緒がいった。



「ここはどう。飲み放題つきで三千円だって」と美香がビルの下に出された看板を見ながらいった。「いいんじゃないか。メニューも色々選べるようだし。中華もピザもある。寿司はないみたいだけど和食メニューもあるな。志帆とかおりはここでいいか」と瑞希がいう。「異議なし」「右に同じ」志帆とかおりが口々にいい、一行はビルの中へと入っていった。この五人でいるときには何をするにしても、簡単に事が進むことにかおりは日頃から軽い驚きを覚えていた。ひとりひとりの個性は強いのに、自分の意見に固執こしゅうしないというか、他の友人がいった意見にもすぐに同調できるのだ。といってもそれは周りに流されているとは違い、どこで何をすることになっても楽しもうという意思が感じられた。それの結果か知らないけれど、かおりはこの仲間とどこで何をしても楽しかった。

店内に入り全員に飲み物が行き渡ったところで美香の音頭おんどで乾杯となった。「全員の事務所オーディション合格と卒業を祝って、そしてみんなのこれからの仕事のオーディション合格を信じて」声優の世界では二年から三年の養成所や専門学校での勉強を終えて、晴れてようやく事務所オーディションへ合格しても、それからの仕事のオーディションに合格できずに声優になることを諦める者も数多くいる。配役を決めるためのオーディションでは新人もベテランも関係なく審査されるのだ。声優の世界の厳しさはみな養成所に入る前に聞かされていたし、書物やネットで調べていた。養成所に入っても耳に入るのは明るい将来の話ばかりではなかったし、ここにいるそれぞれがアルバイトをしているが、そこでの人間関係を通して世間では声優を食えない仕事だとか使い捨ての業界だとか価値観の偏った者や社会不適合者がなりたがるものだと考えている人が大勢いることも知っていた。厳しい現実に囲まれてるからこそ、目標を共有するこの五人の結束が堅くなったのかもしれないとかおりは考えていた。



前菜からメインディッシュのメニューを食べ終えるころにかおりは以前から気になっていたことをたずねた。「みんなはどうして声優になろうと思ったの」「なんか今さらという気もするけれど、そういえば私もみんなの答えを知らない」手に持ったスプーンを置きながら理緒がいった。「かおりはどうして」手にお酒の入ったグラスを持った瑞希がたずねた。自分が最初にたずねられると思っていなかったかおりは少し慌てた。「私は本や漫画の世界が好きで、自分でも空想や想像するのが好きなんだけど、そういう想像の世界の人物の声を代弁できたら素敵だなと思って」「私もそうだよ」と美香がいう。「美香は中学高校ってバスケ部でがんばっていたんでしょう。結構実績のある学校だと後から聞いたけど、美香も空想好きだったの。ふわふわしていつも夢見てるようなかおりとは違ってもっと現実的なことを考えているかと思っていた。もしかして声優からアイドルになりたいとか」と理緒が冗談めかしていう。「声優からアイドルになるのって現実的なの」真に受けた志帆が瑞希にたずねる。「私そんなにふわふわしてるかな。できるだけ気をつけているのだけど」かおりも心配顔で瑞希にたずねた。「おいおい冗談だよ」理緒がなだめるように手を上げ下げしていった。「私の中ではね」いつになく珍しく美香が恥ずかしそうにいう「アニメって夢と現実のあいだにあるんだよ。どんなものだってきっと最初は夢のようなものだったと思うの。かわいい服だって美味しい料理だって、電化製品だって。ある日涌いたイメージがいつか形になる。アニメって素晴らしい夢を共有するための手段のひとつだと思うの。バスケをしていた頃にはチームで優勝という夢を追いかけていて、それはそれで楽しかったけれど。それにこう見えても私だって夢見がちな少女の部分があるんですけど」



「確かに」瑞希がふと肩の力を抜いていった。「ここにいる全員にそれが当てはまるよな。そういう部分がなきゃ、先の確かな保証もない業界で勉強もアルバイトも頑張りながら、厳しい現実を突きつけられても、それでも声優になるんだって思えないものね」「でもね」理緒がいう。いつもの理緒らしくない沈んだ声だった。「私時々ものすごく怖くなるんだ。どんなにがんばっても夢見る夢子ちゃんで終わったらどうしようって」「私もだ」美香がいい、他の三人も頷いた。「そういう落ち込んでいるときに限ってネットでも現実でも、いかに声優になれる人が限られているか、普通に考えると無理だなんて声が耳や目に入るんだよな」理緒が手を開いたり閉じたりしながらいった。



瑞希は息を大きく吸って、吐くといった。「無理だというひとは自分が夢を諦めたから人にもそうしろというのかな。データばかり集めて自分は賢いと思っている人より、バカといわれても自分を信じ続けた人が最後は笑えるんじゃないのかな。それに毎日が楽しいと思えるのもきっと自分を信じられる人」よほど気持ちがこもっていたのか瑞希の目は潤んでいた。



「私は高校のときに声優になるのは諦めて資格のとれる専門学校へ行こうと思っていた時期があったの」と志帆がいった。緊張感のないいつもの志帆の声だった。「先生や友達から声優なんて私のように普通の人間にはなれないっていわれて。いや私は普通にできないことの方が多いのかもしれないけど」苦笑して志帆は続けた。「それで自分でも、やっぱりなれないのかなって思うと身が引き裂かれるように辛かったの。ほかのもの、例えばバスガイドさんやお菓子職人になれないといわれても何とも思わないのに。そのときはとても落ち込んで、それでも進路調査票に何かを書かないといけなかったから専門学校へ行くと書いたの」いつの間にか話しながら志帆は泣いていた。他の四人は黙って聞いている。志帆の隣に座ったかおりと瑞希は志帆の手に自分の手を重ねた。「それまで私は自分にとって声優になることがこんなにも大切なものだって気付かなかったんだ。どうしてこんなに大切なものを忘れようとしていたんだろう、諦めてしまおうとしたんだろうって思った。お菓子職人になれないといわれても平気なのに、声優になれないといわれて、それを自分で信じてしまうととても辛い。でも声優になれると信じられるとすごく幸せ。もしかしたら私には自分を信じられずにすっごく辛いか、自分を信じてすっごく幸せでいるかの選択肢しかないのかもしれないってその時思ったの」「そうだよな」瑞希がいって、かおりも頷く。志帆の手の甲に重ねた手のひらが熱い。私もそうかもしれないとかおりは思った。志帆の顔を見ると涙はとまって笑っていた。

「私も」かおりはいった。「今の話で思い出したけれど、過去の私ってとても暗かったの。今が明るいというわけではないけれど」少し早口になってかおりは続けた。「あのときには自分にやりたいことが見つかるなんて思いもしなかった。やりたいことが見つかるなんて夢のまた夢みたいな気持ちで、毎日がただ過ぎていて。だからこうして夢があってみんなと毎日を過ごせる今は過去の私にとっては夢を生きているようなものかもしれない」



「それでも不安を感じてしまうときはどうしたらいいのかな。簡単に自分を信じられないときだってあるでしょう。ていうか起きている間はほとんどそうかもしれない」と理緒が目を伏せていった。「大丈夫だよ」瑞希がいった。「私たちならきっと大丈夫。私だって不安になるときはあるけれど、起きている間ずっと不安でいる自分をめて、それでも起きている間の半分くらい不安でいる自分をめて、今度はごくまれに不安になる自分を止めて、もしかしたら大丈夫かもって希望をごくまれに感じられる自分に近づいて、もっと頻繁に自分なら大丈夫という希望を感じられる自分に近づいて、だいたい起きている間は自分なら大丈夫という希望を感じられる自分に近づいて、起きている間ずっと、自分なら大丈夫って希望を持っている自分に一歩ずつ近づいていこうっていつも思うようにしてるんだ」「そういう考え方っていいね。うん。胸が軽くなるような気がする」理緒が笑っていった。



「デザートはアイスかケーキか選べるみたいだよ。何にする」美香がメニューを広げていった。「私はケーキ」志帆と理緒がいい、「私はアイスにしよう」といったのは美香と瑞希とかおりだった。話題は自分が演じたいキャラクターの話や食べてみたいスイーツの話に移り、間もなくデザートがテーブルに運ばれた。自分や友人の笑い声を聞きながら、かおりはスプーンでアイスを口に運んだ。夜は文字通り甘く、きらきらとした笑い声に包まれて更けていった。


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