9話
『あなたのお名前は?』と作者。
整った目鼻立ちのスレンダーな美少女は肩までの金髪をかきあげながら言った。
「私はルーノよ。これでもハンターなんだから。ってこの姿の無い声は誰なわけ?」
『僕はタケノコと言います。この小説の作者です』
「このっていうことは私はあなたの作品の一登場人物ということ?」
ルーノは魅力的な容姿で頭を傾げながら尋ねた。近くの叢で虫達が「ズーイ、ズーイ」と声を出している。
『そうなりますね』
「フーン、つまり目立ちたかったら武司と冒険すればいいのね」
『そうなりますね』
「わかったわ! 私は武司と冒険するわ」
「え、いいのかよ! どんな事させられるかわからないぜ」
武司は思案顔で喋った。
「雑多な事があった方が楽しいじゃない。それと武司もハンターになりなさいよ」
「ハンターって簡単になれるのかよ?」
『どこかのハンター商会で登録すればいいだけですよ』
「よし、じゃあノース国に行ってハンターになるぜ」
武司とルーノは草の上に横になり虫や鳥の鳴き声をこもり歌に眠り一晩を過ごした。見張りはタケノコが受け持った。朝になり日差しが武司達を照らした。武司とルーノは覚醒し挨拶をかわすと身支度を整え森を歩き始めた。