87話
武司がタケノコのバスターソードを剣で弾き飛ばした。そしてタケノコの首に斬撃をくらわす。タケノコの着ているカッターシャツのえりが切れる。すんでのところでかわすタケノコ。
徐々にタケノコを圧倒しだす武司。これなら作者を翻弄し勝利をあげられるかもという空気が流れる。しかしタケノコは反則技を発動させた。武司は武器を手放し土下座して敗北を認めた。武司は悲痛な表情で
「く、体と口が勝手に動く! ……タケノコ様参りました……くそ! ずるいぞタケノコ!」
『ふふふ、僕の勝利ですね。流石に登場人物が作者には勝てませんよ』
武司は体の自由が戻ると立ち上がり剣の先をタケノコに向け
「まだだ、諦めねえぞ! タケノコ二回戦だ!」
『ならこれでどうですか?』
武司は異世界でルーノとサリナ共に冒険し世界中を駆け巡る。難敵、強敵を友情や愛、勇気や努力で打ち倒した。そして世界の人々から武司は冒険王と呼ばれるようになっていく。壮年にはいってからは畑仕事をしたり読書をし人生を満喫したのだった。彼の享年は八十五歳だ。死因は老衰。きっと幸せな人生だったことだろう。
「勝手に殺すな!」
武司はそう言った後奇策をろうした。
「タケノコから聞いたお話ですが、タケノコの初恋は小学生の時でした。その相手は小柄で知的な少女でした。とても優しく、勉強もでき、友達も多かったそうです。その人の名は井上ち――」
『ストップ! 僕の負けです! 武司さん勘弁してください!』とタケノコ。