86話
『甘いですね。武司さん。次はこうです』
武司は「プー! プー!」とオナラを連発した。それからも何度も何十回も続ける。止む様子は皆無だ。屁こきマシンと化した武司は羞恥から俯き恥じら……わなかった。
「この程度で負けるかよ! 姿を見せやがれ下手くそ作者め! お前の小説は人気なんかでんわ!」
『ムムム、悔しいけど言い返せませんね……』
タケノコは変牙で自身を細分化し水素に変え空気中を漂い屁が止んだ武司の背後に周り元の姿を現した。そして剣を一閃させた。それを武司はなんとかさばき受け流す。ルーノとサリナは公園のベンチに座り二人の決闘を横目に話していた。
「あはん、武司ったらトランクスを靡かせ頑張ってるわね」
「そうね、あれはセクハラで訴えられないかしら?」
「あはん、そうね。武司とタケノコどちらが死んでもこの小説終わりよね」
「そうね、どうなるのかしら」
あはん、と会話文の始めに付くのがサリナでもう片方がルーノだ。サリナは背筋を伸ばし武司達を注視し、ルーノはだらけた姿勢で着目している。
二人の戦いは長引いていた。その理由はおそらくタケノコが余裕をかましているためだろう。地の文に一言書けばいいのだから。武司は突然目眩に襲われ片膝を地面につけた等と。武司は頭を振り立ち上がり
「最後まで諦めねえぞ!」