表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/88

78話

 武司はボードゲームに興じていた。ゲームの内容はサイコロを転がして出た目の数だけ盤上を進めゴールに先に到達した方が勝者だ。対戦相手の女性サルバはニコニコ顔を貼付けた表情をしている。

 サルバはゴールまで後一歩。武司は後十七マス。今は武司の番だが勝敗はけっしたかのようだ。出る目の最高は六。このゲームの敗者になると挑戦者は一階に戻されてしまう。


「サリナ、ルーノごめん……負けが濃厚だ」


「あはん、仕方ないわよ……」とサリナ。


「ゲームだしどうにもならないわ」とルーノ。


 武司は盤上にサイコロを転がした。出た目は六。そして進んだ先にあるマスの内容は「もう一度サイコロを転がし、出た目の数だけ進む」。サルバの妖艶な表情が僅かに曇った。武司はさらに人形を進めサイコロを投げる。出た目はまた六。武司は喜々として人形を盤の元の位置から進めた。 次のマスの内容は「サイコロをもう一度振る。そして出た目だけ人形を進ます」。武司は微かな勝利の臭いを嗅ぎ付けた。武司は作者が味方についていることを思い出した。まさにご都合主義だ。武司はサイコロを盤上に落とした。コロコロと音をたてながら出た目は六。合わせて十八マス進め武司は勝ち星を拾った。


「や、やったぜ!」


「こんなことがあるなんて……」


 武司は両手を挙げ喜び、対戦相手は苦虫を噛み潰したような顔をしている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ