75話
ベビードラゴンを睡眠状態にせしめクリアし階下に進んだ武司達一行。彼等を窮地に追い込んだのは地下三十階のバビリウスと言うモンスターだった。そいつは身体が水で構成されていて物理攻撃は全て無駄に終わった。
切っても刺しても平然としているのだ。今はバビリウスによって水の檻に閉じ込められたルーノを救うためサリナと武司は奮戦していた。
「てりゃー!」
武司は右手から火炎放射機のように多大な熱量の炎を作りだしバビリウスを燃やしていた。ルーノはその間も空中に漂う円形の水の中で暴れもがいていた。呼吸が出来ず苦しんでいるのだろう。彼女は徐々に動きが鈍速になってきていた。 武司とサリナは慌ててバビリウスを仕留めにかかった。逃げ惑うバビリウスを焼き尽くそうとする武司と炎を纏ったバルハートで斬撃するサリナ。
ついに終焉は訪れた。バビリウスの体が風船を膨らますように肥大化しそして破裂したのだ。水が辺り一面に飛び散る。モンスターの影も形も消えうせた。
水の檻が消失して空中から落下してきたルーノを武司が王子様のようにカッコよくお姫様抱っこの形でキャッチ……は出来ずルーノに押し潰される。武司はカッコ悪くカエルが車にしかれたような声を出した。
「ぐえっ!」
「ケホケホ、助かったわ……二人とも。ありがとう」
ルーノの発言に不機嫌な武司が返す。
「ルーノ、重いんだけど……」
「あ、ごめん……重いって失礼よ!」
武司の右頬をルーノの平手打ちが襲った。