74話
武司達は地下二十二階でベビードラゴンと対決した。子供とは思えないサイズのドラゴンは火を吐いたり飛行しながら攻撃をしかけて来た。
『武司さん。危なくなったらギブアンドテイク……あ! 間違った……』
「なんだタケノコ寝ぼけてんのか? それを言うならギブアッ……」
『そうですね、間違いました……ライオンのペットになろー! でしたね!』
「なんでやねん! ペットになったら肉塊になっちゃうよ!」
ベビードラゴンは強靭な右手で武司を切り裂く。それを現牙で作り出したバスターソード受け止める武司。力には歴然とした開きあるようで武司が押される。ベビードラゴンは小さいながら常人離れした力を持った子供のように力を奮った。
『ベビードラゴンは後頭部が弱点ですよ』
「そう言うのは早く言えよ!」
武司達は連携をとりベビードラゴンを囲み三方向から後頭部を狙う。ルーノの伸びた小刀とサリナのバルハートは腕で防がれた。しかし武司の一閃は後頭部に直撃した。勝利を収めたと感じた武司達だったが武司の剣が粉々に砕けた。ベビードラゴンは硬い尻尾で武司を吹っ飛ばした。地面に背中を痛打し顔をしかめた武司は
「クッ! なんて防御力だ」
『あ、忘れてました。ベビードラゴンは歌を聞くと眠ってしまうんです』
「そういうのは早めに言ってくれ!」
ルーノは笑顔で進言した。
「私が世界一有名な曲を歌ってあげるわ……筋肉痛に苦しむ勇者は〜魔王と牛乳を飲みかわす〜二人はいつしか白昼夢を目にして♪ 一緒に全裸踊りさ〜ヒャッホイ、ヒャッホイ♪……」
「そんな歌あるか! 歌のチョイス失敗してるよね。流石にドラゴンも眠らねえよ!」と武司。
しかしベビードラゴンは地面に俯せになりスピー、スピーと鼻を鳴らしながら夢の世界に埋没していた。武司は憤然と
「こんな曲で爆睡かよ!」