6話
「うわ!」
と武司ひ叫びながら横っ飛びにかわした。武司は焦って言った。
「タケノコ! このままじゃ殺されちまう! 何か特殊能力かなんかくれよ!」
『しょうがないですね……では剣のスペシャリストを付加します』
「フン! ハ!」
半人間のウォーレスは声を荒らげながら縦切り、逆袈裟切りをしかけた。武司にはウォーレスの動きがスローモーションのように見えた。武司は二発の剣戟をバックステップでかわすと十文字に剣をないだ。
「クッ!」
ウォーレスはあわやというところで武司の剣を受け止めた。なかなか鋭い一閃だった。
「タケノコ! なんか相手の動きがゆっくり見えるんだけど! これなら勝てそうだ」
『頑張ってくださいな。あなたの努力次第でこのお話の面白さが決まっちゃうんで』
武司は駆けウォーレスの側面に回り込み斬撃した。ウォーレスの茶色い脇腹が裂け出血する。
「グワ!」
そう声を荒げるとウォーレスは血を垂らしながら走り森の奥へと姿をくらました。
「やった! 勝ったぜ!」
武司が鬨の声をあげると森の木々の間から三匹のウォーレスが姿を現した。
「なんだ、三匹なら楽勝だぜ! うん?」